HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN × ORIX Buffaloes
		野球の人・田口壮の新章 はじめての二軍監督 2017・はじめての2年目編
24 栄養士こころん

暑いです。でも、夏が好きです。
どんどん日焼けしていく僕が夜に帰宅すると、
玄関の暗闇に溶け込んで存在がわかりづらく、
大変怖いという今日この頃。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

ところで以前ここにも登場した栄養士のたまちゃんが、
このたび寿退社したことを、
かなり遅ればせながらご報告させていただきます。
6月末のことですから、このたびでも何でもないのです。

その日は、うっすらと小雨が降っていました。
たまちゃん最後の日。
ふと外野を見ると、
そこにたまちゃんが佇んでいるではありませんか。
「最後の日やもんなあ。
 きっと、寂しくて見に来てくれたんやなあ」
感傷にふける僕たち。このむさ苦しい男所帯の中で、
本当によくやってくれた。ありがとう、たまちゃん。

ところがあとで聞いてみると、
「あ、神戸さんが何するか、
 一度見てみたかったんですよ~」。

育成の神戸文也投手は、チームの盛り上げ役。
それが面白かろうが面白くなかろうが、
とりあえずアップ中に
何か一芸を披露してくれるのが日課になっているのです。
たまちゃんはそれを見に来ただけだったのでした。

こうしてたまちゃんは、
僕らの甘酸っぱい気持ちも持ち去っていきました。
後任は「こころん」です。
気軽にこころん、とか呼んでいますが、
浅田真央さんをはじめ、多くのアスリートを支えてきた
ベテランの栄養士さんなのです。

そして今日。わたし、見ちゃったんです。

試合後にウエイトトレーニング場を覗いたら、
なんだか見たことのないシルエットが、
すごい勢いでトレーニングをしている。
もう残っている選手も少ない中で、
誰がやってるんかなーと思いきや、
そこには激しくトレーニングをするこころんの姿が。
アームカールだかリバースカールだか、
あんまりびっくりしたので覚えていないのですが、
20キロのバーにさらなる重しをつけて、
瞬発系の動きを涼しい顔で
繰り返しているではありませんか。

一年目の岡崎大輔選手が、
その横で黙々と頑張っていました。
思わず「負けてんで」と声をかけると、
「大丈夫ですっ! 勝ってますっ!」

選手の栄養状態ばかりか、闘争心をもアップする、
こころんの今後の活躍にご期待ください。

壮



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