横尾香央留
Kaoru Yokoo
1979年東京生まれ。
ファッションブランドのアトリエにて
手作業を担当した後、2005年独立。
刺繍やかぎ針編みなどの緻密な手作業による
お直しや、作品制作をおこなっている。

2018年は、東京・銀座の月光荘画材店
ショーケースにて、
『窓の花』展を毎月第2週に開催中。

主な著書
『プレゼント』(雄鶏社)
『お直し とか』(マガジンハウス)
『変体』(between the books)
『プレゼント‐復刻版‐』(イースト・プレス)
『お直し とか カルストゥラ』(青幻舎)

主な個展
「お直しとか」(2011/FOIL gallery)
「変体」(2012/The Cave)
「カコヲカコウ」(2017/LA GALERIE DES NAKAMURA)

ほぼ日のコンテンツ
「お直し とか カルストゥラ編」
「お直し とか」
HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN

手芸家・横尾香央留さんのお仕事のひとつは「お直し」。
衣類のほつれや虫食いを
見えないように隠すのではなく、
かわいく、あえて目立つように直します。

そんな「横尾さんのお直し」が
誰でもかんたんにできる、
ワッペンとブローチをつくりました。

新作はぜんぶで11種。
それぞれの刺しゅうについて、
横尾さんから届いたエッセイを
毎日ひとつずつ、ご紹介します。

キツネ

生まれてすぐ父の転勤が決まり
3歳の終わりまでを札幌で過ごした。
あまり多くの記憶はないが
母にミニスキーを履かされ
“遊んでおいで!”と
無理矢理 外へ出されたものの
寒さに耐えきれず
泣きながら玄関扉を叩いた
ということだけは
なぜかしっかり残っている。

その頃に買ってもらった
木彫りのキツネのブローチが
古い缶の中から出てきた。
大きい方には漢字で
小さい方にはカタカナで
裏にわたしの名前が彫ってある。
それ以降 きつねモチーフを
手にすることはなかったが
35年ぶりに胸元に
新たなキツネがやってきた
立派な尻尾をたずさえて。

*価格はすべて、税込・配送手数料別

ワッペン
¥1,728

ブローチ
¥2,484

2018-03-04-SUN
販売時期
3月15日(木)午前11時から販売を開始いたします。
出荷時期
1~3営業日以内に出荷いたします。