５つの国のことばのタオル、
よっつめはギリシア語です。
インド・ヨーロッパ語族の中で
最も古い言語のひとつで、
東地中海の共通言語としても
3000年にわたり使われてきたことばです。
現在ギリシア語を話すのは約1200万人。
学名などにもよく使われていますし、
ギリシア語由来のことばは、ヨーロッパ諸言語に
ほんとうにたくさんあるんですって。
（それは英単語の12％にものぼるとか。）
表記は「ギリシア文字」。
アルファ、ベータ、ガンマ、デルタから
オメガまで２４の文字があります。
今回ギリシア語のことばを選んでくださったのは、
ギリシア在住の升ノ内朝子さんです。
升ノ内朝子さんのプロフィール
ますのうち・あさこ
1977年生まれ。千葉県出身。
慶應義塾大学哲学科卒業。
セツ・モードセミナー基礎科を修了後渡英、
University of Brightonの
イラストレーション科を卒業。
2005年よりフリーのイラストレーターとして活動開始、
2009年よりギリシアへと拠点を移す。
雑誌や書籍、広告などを中心に国を問わず活躍中。
紙物や文房具も好きで、
自身のイラストを使ったポストカードや
ステーショナリーも数多く制作している。
http://www.asako-masunouchi.com
「ほぼ日」では「Greetings from Greece」を連載。
https://www.1101.com/masunouchi/index.html
では、升ノ内さん、
今回のことばについて教えてください！
ΚΑΛΗ ΣΥΝΕΧΕΙΑ
（カリシネヒア）［よい継続を］
その調子でがんばって下さい、
これからもいい仕事を続けて下さい、
という意味の挨拶言葉です。
ギリシア語には「よい○○○を！」という
相手の幸運を祈る言葉がとにかく多くあります。
「よい一日を！」「よい夏を！」「よい食欲を！」
「よい旅を！」「よい休息を！」などなど。
この「よい継続を！」は近年とかくよく耳にします。
ちょっとフォーマルなニュアンスで、
友達同士でというよりも
ビジネルメールの最後に使われたり、
お店を出る際に店員さんに言われたりします。
相手がどんな状況にあっても使えるので、
あまり知らない人同士の間でも使いやすいようです。
聞き慣れた言葉ではありますが、
前向きな言葉なので選んでみました。
ΣΠΙΤΙ ΜΟΥ ΣΠΙΤΑΚΙ ΜΟΥ,
ΣΠΙΤΟΚΑΛΥΒΑΚΙ ΜΟΥ
（スピティム、スピタキム、スピトカリバキム）［私の家、私の小さな家、
私の小さな小さなおうち。］
我が家が一番、的な意味です。
英語で言うHome sweet homeかな。
旅行や外出後の帰り道なんかによく使うフレーズです。
３段階でどんどん小さくなる家の表現がかわいらしく、
家への深い愛着を感じます。
私自身も家大好き人間ですし、
娘も遠出の帰り道なんかに
この言葉を使ったりするのですが、
娘も同じように
家が安堵の場所と感じてくれているんだなぁと思うと
嬉しくなります。
ΣΠΕΥΔΕ ΒΡΑΔΕΩΣ
（スペヴデ ブラデオス）［ゆっくり急げ。］
物事は丁寧に、適切な速度で行いなさい。
急いでいる時も、慌てず落ち着いて慎重に行動せよ。
という意味です。
ヨーロッパで古くから用いられている格言で、
多くの文人や著名人が座右の銘としてきたと
言われています。私はこの機に知ったのですが、
日々の生活の心がけにもなるいい言葉だと思いました。
