轟木節子がつくる、気持ちのいい服。

「ほぼ日」では、何かとお世話になっている、
スタイリストの轟木節子さん。
スタイリングのお仕事だけでなく、ボーダーシャツや、
ロキャロンのスカートなど、
いろいろなものをいっしょに手がけてきました。
最近では、
轟木さんと「BIWACOTTON」がコラボレーションした、
とっても気持ちのいい服をご紹介しました。

そして今回、轟木さんがつくったのは、
コットンのシャツとスカート、パンツ。
素材となったのは、タイプライタークロスという、
丈夫で軽く、ハリがあって、しなやかさもある、
上質なコットン生地です。

どこかクラシックで、やさしげでもあり、
凛とした雰囲気を感じさせる、
どこから見ても
おしゃれでかっこいいラインナップ。

轟木さんの服づくりのこと、
この服づくりに大きく関わってくださったブランド、
THE FACTORYのことなど、
轟木さんから、お話をききました。

2018年10月18日販売開始
轟木節子さんのプロフィール

Profile

轟木節子【とどろき・せつこ】

スタイリスト。
1972年、熊本生まれ。
ファッション誌、カルチャー誌、広告などで幅広く活躍。
シンプルな中にスパイスの効いた、
独自の空気感が漂うスタイリングが人気。
ナチュラル志向なライフスタイルも注目されている。
近年は、フォトグラファー、文筆家としての活動も。
著作に日々のスタイリングのヒントがつまった
『毎日のナチュラルおしゃれ着こなし手帖』
『毎日のナチュラルおしゃれ着こなし手帖 2』
などがある。

今回は「着ると、凛とした気持ちになれる、
きれいで、気持ちのいい服を。」というの大切に、
たくさん着たくなる、欲しい服をつくりました。

テーマは特にありませんが、
撮影場所を選ぶときも、
私が大好きなイタリアの画家、
ジョルジョ・モランディが
静物画を描いたアトリエの光をイメージしました。
静かな空気感やムードを
着た人がちょっとでも感じられるといいなと‥‥。
けど、みなさん自由に着ていただきたいです!

一枚で着てもきれいなもの、主役になる服というものはあって。
それから、どの角度から見てもきれいなデザインの服とか。
お洋服を着たときって、
朝、出かけるときに全身鏡でチェックをするけれど、
生活をしていると、座っていることがすごく多いです。
人と会って会話をするときも上半身を見て話しますよね。
そして、スタイリングの仕事で、
女優さんのインタビュー記事の撮影のときとか、
アップの写真が多いから、
上半身になにかポイントがあるものを選ぶこともあって。
そんなわけで、立っているときも、座っているときも、
後ろ姿もすてきなデザインにしようと。
それでつくったのが、ディッキーフロントシャツです。
胸元に切り替えのデザインあって、
ボリュームのある袖。手首はきゅっと細く。

ディッキーフロントシャツ

前身頃の切り替えが印象的なデザイン。
背筋がピンと伸びるような、凛とした雰囲気と
優雅な袖が特長です。

16,200円(税込) 白、薄紅藤色、墨黒の3色。

それから、ほかに見かけないデザインのものが、
新鮮でたのしいと思って。
ウイングシャツがそうですね。
もともとTHEFACTORYでつくられていたものを、
アレンジしました。

ウイングシャツ

ふわりとした袖がすてきな、手を広げると翼のようなデザインのシャツ。
インすれば、きれいなシルエットのブラウジング。
アウトなら、フレアがきれいに。
後ろ姿のタックはすっきり見えるポイント。

17,280円(税込) 白、薄紅藤色、墨黒の3色。

THE FACTORYとの出会いは、
雑誌のカフェ取材のページだったんです。

THE FACTORYのデザイナーのシルバさんは、
パン屋さん、ライフスタイルショップ併設のカフェ
「ラ・ヴィア・ラ・カンパーニ」のオーナーでもあって。
そこに並ぶオリジナルのお洋服のブランドが
THE FACTORYだったんです。

ラ・ヴィア・ラ・カンパーニに取材でうかがったときに、
ちらっとお洋服を見て
「なんだ、このすてなお洋服は! 知らなかった!」思って。
その後、ファッション誌の撮影にお借りするようになりました。
「ほぼ日」でも、水沢ダウンや、
Ponte de pie!の撮影のときによくお借りしています。

THE FACTORYの服は、
ヨーロッパ ヴィンテージの良さを知っている方が
つくっている服だな、と。
ヨーロッパ ヴィンテージの「味」がありつつ、
デザインに新鮮さもあるところがいいんです。

それから、ものすごく細かいタックづかいもよくされていて。
「縫製屋さん泣かせ」だろうな、と想像しちゃう
凝ったディテールのある服って、魅力的なんですよね。

ロングスカート

まるでドレスのような長さ。女性らしく、魅力的なスカートです。
ボリュームはたっぷりですが、しなやかな布で
見た目も、着心地も、とても軽やかです。

16,200円(税込) 白、薄紅藤色、墨黒の3色。

素材の選び方も自由でおもしろいんです。
たとえばSilvaバッグは、
フランスのヴィンテージのベッドリネン生地を使って、
まるでレザーのボストン型の
ボーリングバッグのようなつくりをされています。
この持ち手も縫製工場さん泣かせですねえ。

Silvaバッグ

オーソドックスな革バッグにありそうなデザインが、
フランスのヴィンテージのベッドリネンでつくられると、
こんなに新鮮で、おしゃれなアイテムに。

17,159円(税込)

THE FACTORYは、
ヴィンテージのワークウェアを再現した服も
時々作られていますが、
仕事着ルーツの中に、
シュッとしたエレガントな美しさがあって。
ハイファッション的なフォルムの服にも、
ワークウェアがソースになっているからか、
少しだけ牧歌的なやわらかさがあります。
だから親しみがもてて、ふだんの装いになじむんですね。
そういうバランスがすてきだなと思っていて。

シャツジャケット

シャツのような、ジャケットのような。
長めのカフス、後ろのベンツなどのディテールが、
とてもスタイリッシュなロングシャツです。

24,840円(税込) 白、墨黒の2色。

「ほぼ日」さんから、お洋服をつくりましょう、
とお声がけいただいたときに、
ぜひTHEFACTORYさんとつくりたいと思いました。
お願いしたら、シルバさんに快諾いただけて、実現しました。
すごくうれしかったです。

今回、担当してくださったTHE FACTORYの原さんとは
好きな服の感じがすごく似ていて。
2人とも、ディテールにちょっとしたポイントがあって、
マニッシュな仕上がりのシュッとした服が好きで、
ヨーロッパのヴィンテージの服や軍モノのディテールも好き。
服づくりのときも、たのしかったですね。

ワイドパンツ

前から見ると、巻きスカートのような
たっぷりと幅のある、ワイドパンツ。
ウエストの後ろ側はゴム仕立てで動きやすいパンツです。

24,840円(税込) 露草色のみ。

今回、ワイドパンツ以外のすべてのアイテムは
タイプライタークロスをつかいました。
「凛とする」をかなえてくれるきれいな生地です。
ぱりっとしたはりのあるコットンで、
名前の由来はタイプライターの文字が打てるくらいに
高密度で織られているから、という説があります。
綿の繊維が密に織り込まれているので
保温性もあって、じょうぶ。
そして、このタイプライタークロスは、
THE FACTORYのオリジナル生地で、
縦糸と横糸の番手を変えてあって、
ぱりっとしているけれど、 着やすいんです。
自然なシワも味ですし、
もちろんアイロンをかけて、きりっと着てもOKですよ。

タイプライターって元々は
上質なメンズのシャツ生地として使われることが多かったので、
季節を問わず着てだいじょうぶです。
昔と違って、秋冬シーズンは薄手は着てはダメとか、
濃色を着なくちゃってことはないと思うんです。
コットンや白も、ニットや厚手のウール混のタイツと合わせて
すてきなコーディネートができます。
ワイドパンツはどんなトップスと合わせも、
モダンな印象に着こなせるブルー、1色勝負にしました。

素材やディテールにこだわってつくっていたら、
どこから見てもすてきで、
着ると、シュッと気持ちが盛りあがる服ができました。

轟木節子さんとTHE FACTORYがコラボした服は
10月18日(木)午前11時から販売開始です。

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© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN