ドワーフさんの「たのしんで、やる」ものづくり。

みなさん、もう見ていただけましたでしょうか。
ほぼ日手帳「day-free(デイフリー)」に入っている
かわいいおばけのパラパラマンガ。
このマンガとムービーを作ってくれたのが、
「どーもくん」や「こまねこ」などの作品で知られる
アニメーション制作会社のドワーフさんです。
今回はじめていっしょにお仕事をしながら
ドワーフさんの「たのしんで、やる」パワーを
びしびしと感じた手帳チーム。
人の目にとまるキャラクターやアニメーションが
日々どのように生まれているのかを見せてもらいに、
西東京・秋津にある撮影スタジオにおじゃましました。

もくじ
もくじ
  • 1:1日5秒の世界。
  • 2:どーもくん。
  • 3:ぎらついた目で。
 
 
プロフィール
プロフィール
 

1:1日5秒の世界。

ほぼ日
おはようございます。
今日はよろしくお願いします。
合田
はるばる秋津まで、ようこそ。
ちょうどいま、ここのスタジオで
day-freeのムービーの撮影をしているところです。
ほぼ日
わあ。撮影現場が見られるなんて、うれしいです。
合田
いま撮っているのは、あたまの、
day-freeをひらくシーンです。
表紙やページをぱらぱらっとめくって
方眼ページが出るまでを
8カットに割ってコマ撮りしています。

手前が合田さん、右奥が制作担当の平松さん、左奥が撮影・編集担当の杉木さん。

ほぼ日
手帳をちょっとずつ
ひらいて、止めて‥‥って
ほんとうにていねいに
撮っていくんですね。
見るときはほんの一瞬なのに。
合田
そうですね。
1秒間のアニメーションを作るのに
だいたい12コマが必要なんです。
ほぼ日
ページのめくれる角度とか、
こまかいところまで計算していて、すごい。
糸を使って吊ったりしながら撮るなんて
考えもしなかったです。

手帳を少しずつ開いては止め、コマ撮りしていきます。
こうして撮影した8枚の静止写真をつなげると、手帳がひらくアニメーションになります。

合田
ここでは、ペラペラっと軽やかに
めくれる感じを出したいなと。
ただ、あまり動画の秒数を長くするのもよくないので、
何コマぐらいでひらくのが妥当かを
撮影前に何回か試してみました。
ほぼ日
それで、8コマがちょうどよかったんですね。
めくれ方がスムーズすぎちゃうと
実写と近くなってしまうでしょうし。
映像では、すこしずつカタカタと動くことで、
手帳が生きているみたいに見えるのが、
おもしろいです。
合田
動かないものが動くのって、
やっぱりおもしろいことですよね。
ぼくらがやっているのは、
どのへんがいちばんかわいいのか、
みたいなことを考えるっていう感じですね。
ほぼ日
ちょっとした角度やタイミングのとり方に
センスが問われるのでしょうね。
それにしても、たった1コマのために
これだけじっくり時間をかけて
撮影しているということは‥‥
合田
はい。1日朝から晩まで作業しても、
5秒ぶんしか撮れない、という世界です(笑)。
ほぼ日
1日で、5秒!
合田
たくさんのキャラクターが出てくる場合は
1日1秒も撮れないこともありますが‥‥。
ですので、『リラックマとカオルさん』みたいな
長めの作品を撮影するときは
このスタジオを仕切って、同時に10班を動かします。
10班が動けば、だいたい1日50秒撮れる(笑)。
ほぼ日
ひえー。

1階と2階が撮影スタジオ。黒い幕で仕切りにし、自由にスペースを調整できるようになっています。

ほぼ日
この、ほぼ日手帳をめくるしかけみたいなものも
手作りなんですか。
合田
そうですね。
もともとあった道具を改造して
ほぼ日手帳をめくりながら
撮影しやすいものにしました。
紙の下に、すけて見えないように
工夫したりしましたね。
ほぼ日
はじめて見ました、
手帳をめくるための道具(笑)。
合田
スタジオのとなりに美術室があって、
撮影用のちょっとした小物とかは
ここで作っているんですよ。
撮影が終わったら、ご案内しますね。
ほぼ日
うれしいです。ぜひお願いします!

(インタビューは、明日につづきます)

 

ドワーフさん、おじゃまします!

撮影の合間、合田さんに
ドワーフのスタジオ内を案内してもらいました。

入り口では、どーもくんがお出迎え。

壁には、世界で活躍するアニメーターやイラストレーターの作品が。
まんなかは『THE DAM KEEPER』を作った堤大介さんのイラストレーション。

コンドウアキさんからのメッセージも!

2階建ての社屋。1階と2階の両方にスタジオスペースがあり、
撮影の規模に応じて仕切りかたを変えながら使っています。

どこで何の撮影が行われているかは、このホワイトボードで共有します。

こちらは美術室。ここで撮影小物などを手作りしているそうです。

美術室内のデスク。アニメーション作品作りでは、撮影自体はもちろんのこと、
撮影に入るまでの制作やセッティングのほうが時間がかかるそうです。

アニメーション作品で使うために作ったミニチュアのお菓子。

おいしそうなおせんべいも。「食べかけ」のものもありました。

「どーもくん」に登場するうさじいの、部屋の壁にかかっている絵まで!
もちろん、ひとつひとつが合田さんの手描きです。

デスクワークのスペース。ドワーフでは、アニメーター、プロデューサー、制作、
撮影、進行管理の担当など現在は20人ぐらいのみなさんが働いているそうです。

企画のミーティングをしたり、お昼ごはんを食べたり、作業をしたりと
自由に使えるフリースペース。

フリースペースのはじっこに、なぜかDJブースも!

キッチンスペース。大勢のスタッフが集まる撮影期間は、
ここでみんなでご飯を食べるそうです。たのしそう!

月間ノート手帳「day-free」発売記念ムービー
監督・キャラクターデザイン・アニメーター
合田経郎
プロデューサー
松本紀子
文字
駒﨑友海
撮影・編集
杉木完
音楽
いいのまさし
制作
平松桃