今年で11年目を迎える「ほぼ日手帳2012」。
カバーのラインナップも順調に増えています。
いまある「ほぼ日手帳」のカバーは、
過去につくられたたくさんのカバーの系譜のうえに存在している‥‥。
そんな、ちょっとした歴史をさかのぼって紹介する、
「ほぼ日手帳・カバーの系譜」。
前回の「ほぼ日レッド」篇に引き続き、
今回は、「プリントカバー」と「ファブリックカバー」が
どのように誕生したのか、ご紹介しますね。
キーワードは、「洋服」です。

「プリントカバー」の別名は「フェイクファブリック」。
本物の生地を使っているわけではなく、「フェイク」なのです。
つまり、布の柄をプリントしたカバー。
「プリントカバー」は2007年版から登場しました。
そのときのラインナップは、次の４種類。

2006年版までの「ほぼ日手帳」はずっと無地でした。
しかし、当時のほぼ日手帳担当者たちは
常々、無地のカバーだけでなく、
柄もののカバーもそろえたいと、考えていました。
柄もののカバーがラインナップされれば、
きっと、洋服をえらぶときのみたいに、
もっとワクワクしながらカバーがえらべるはす。
しかし、布や生地については、
あまりにも知識が足りませんでした。
手帳に適する生地、つまり、１年間持ち歩いて、
使い続けても問題のない生地とはどのようなものなのか、
汚れに強い生地は？　価格は？　発色は？
そういったことを一から学ばなくてはならなかったのです、

知識や経験の乏しい状態で、生地をそのまま使うのは難しい。
なら、生地っぽいものはどうだろう？　と発想を転換し、
生まれたのが、布の生地をポリエステルカバーにプリントした
「プリントカバー」だったのです。

そして、模様や生地についての知識を深め、
ついに「フェイクじゃない、
ファブリックカバーをつくろう」と、
本格的に動き始め、形にしたのが2009年版。
全４種類の「ファブリックカバー」が登場しました。
これが、こちらです。

「マキノコレクション」とは、生地を製作してくださった
牧野隆司さんのお名前からいただきました。
牧野さんは、フランスの某有名ブランドから指名を受けて、
かばんや服の生地を製作するエキスパートです。
そんな牧野さんに私たちは出会い、
幸運にもファブリック用の生地をえらんで
いただけることになったのです。
また、「シャーツ」シリーズは、
ボタンダウンによく使われる「オックスフォード」という
素材を手帳カバーに仕上げたものです。
この４種類がラインナップに加わった2009年版において、
ようやく実現したのでした。

今年は、オリジナルとカズンを合わせて、
全54種類のカバーをお届けしています。
そのうち、「プリントカバー」は８種類、
「ファブリックカバー」は26種類のラインナップ。
今では、「ファブリックカバー」は、
いろんな方々とコラボレーションを
させていただくまでに成長しました。

では、「洋服」のキーワードに合わせて、
ファッションデザイナーやテキスタイルメーカーと
コラボレーションしたものを、
ピックアップしていきましょう。
2009年版のマキノコレクションは
上記で紹介しましたので、2010年版からはじめますね。

2010年　リキッドシリーズ

ファッションデザイナー、平武朗さんがデザイン。
ほぼ日では、「Acoustic T」や「SUPERVINTAGE」でも
コラボレーションしました。

2010年　MORIKAGE SHIRTシリーズ

人気のシャツ屋、「モリカゲシャツ」の森蔭大介さんとのコラボレーション。

2010年　マキノコレクション

2011年　〈ミナ ペルホネン〉シリーズ

ファッションブランド〈ミナ ペルホネン〉のデザイナー、皆川明さんとのコラボレーション。英国老舗テキスタイルメーカー「リバティ」の2010年秋冬コレクションのためにデザインした、新作ファブリックを手帳カバーに。

2011年　マキノコレクション

2012年　リバティシリーズ

イギリスの老舗、テキスタイルメーカーのリバティとのコラボレーション。

2012年　〈ミナ ペルホネン〉シリーズ

2012年　マキノコレクション

こうみると、マキノコレクションのカバーは一貫して、
すごく落ち着いていて、大人な感じがよくわかりますね。
リキッドシリーズのカバーはポップで、
MORIKAGE SHIRTはスタンダードなかわいさ。
〈ミナ ペルホネン〉とリバティによって、
華やかさが生まれていますね。

まるで洋服やかばんのような手帳カバー。
まだ手帳を購入していない方は、
春からの新生活のお供に、いかがでしょうか。