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「はじめての三脚」のすすめ。
写真雑誌「PHaT PHOTO」
編集長・安藤菜穂子さん

ほぼ日のティーテーブル」は、三脚を使います。
写真が趣味の人でなければたぶん持っていない
このアイテム、三脚の便利さについて、
写真雑誌「PHaT PHOTO(ファットフォト)」
の編集長、安藤菜穂子さんに
お話をうかがってきました。
ちょっと不思議なインタビューです。
だって、そもそもはカメラのための道具なのに、
カメラをのせても便利ですよね?」
という質問をしてきたのですから。
※この記事の取材は2015年におこなったものです。

安藤
(ティーテーブルの実物を見て)
ああーー、これですか‥‥。
ほんとに、三脚を使ってますね(笑)。
────
はい(笑)。
安藤
かわいい。かわいいです。
────
ありがとうございます。
安藤
お話をいただいたときに写真は見てたんですが、
実際に見て、びっくりしました。
‥‥なるほど、ネジで固定してるんですね。
────
はい。
たのしいテーブルができたと思いながら、
実はちょっと不安もあるんです。
それは、三脚のことです。
ふつうの人に、あまり身近ではないですよね。
安藤
ええ。
三脚は、そうかもしれませんね。
────
そこで、ぜひ「PHaT PHOTO」さんに
三脚の便利さを教えていただこうと。

「PHaT PHOTO」さんのご活動は
ずいぶん前に知ったのですが、
「写真好きな人をひとりでも多く」
というコンセプトはいまも変わりなく?
安藤
はい。そうですね
────
そこが今回の私たちの企画にぴったりだと、
勝手ながら思ったのです。
つまり、
「はじめての三脚」をすすめていただくのに
最適な方々ではないかと。
安藤
ありがとうございます。
────
「PHaT PHOTO」さんは雑誌発行だけでなく、
様々なことをされていますよね?
安藤
はい。
写真教室を開いていまして、
生徒さんが約800人いらっしゃいます。
────
すごい。800人。
どういう方々が生徒さんなんですか?
安藤
20代後半から30代の社会人が多くて、
だいたい6割が女性です。
────
初心者さんも?
安藤
もちろん。
だれでも気軽にはじめられる趣味ですから。
────
すばらしいです。
やはり、「はじめての三脚」の先生として
最高だということを確信しました。
安藤
恐縮です(笑)。
三脚にくわしい方は
たくさんいらっしゃると思いますが、
そう言っていただけてうれしいです。
────
たとえば写真教室では、
三脚についてどのようなことを?
安藤
三脚の授業があるわけではないのですが‥‥
そうですね、
簡単なことでいうと、集合写真ですよね。
三脚がないとなかなか難しい。
こういう写真です。
────
はい、はい。
これは三脚がないとたいへんです。
安藤
セルフタイマーで撮る場合も三脚がないと‥‥
────
あー、セルフタイマー。
糸井がセルフタイマーでよく撮るんですが、
あえて三脚を使わないらしくてですね、
毎回すごく苦労しています。

▲すごく苦労して撮ったセルフタイマー写真。傾いている。

安藤
あとは、そうですね、
たとえば夜景の撮影会では
「三脚があったほうがいいよ」と。
こういう夜空に星の写真とか。
────
こ、これは‥‥。
はああー、きれいですねー‥‥。
いやぁ、すごい。

あの‥‥こうしたお写真を、
ほぼ日に掲載してもよろしいでしょうか。
安藤
大丈夫だと思います。
撮った方にお伝えして、ご用意しますね。
────
ありがとうございます。
ぜひ、しっかり見ていただきたいので。

写真提供/鳥澤善久さん

────
‥‥ため息が出ます。

写真提供/鳥澤善久さん

安藤
星の撮影に三脚は必須ですね。
こういう星の写真にも。

写真提供/神島美明さん

────
ああーー。
これが‥‥三脚があれば撮れるんですか。
安藤
撮れます。
────
私にも?
安藤
撮れますよ。
光の軌跡でいうと、
自動車のテールランプが流れている
こういう作品も、写真をはじめたなら
一度は撮ってみたいですよね。

写真提供/清水純一さん

安藤
これは遊園地で撮った作品です。

写真提供/松本友希さん

────
すごい。
安藤
流れる滝も。

写真提供/神島美明さん

安藤
そうそう、花火を撮るときも三脚が必要です。
────
三脚があれば、撮れる。
安藤
撮れます。
────
手持ちで撮ろうとすると?
安藤
超人的な精神力が必要です(笑)。
長時間露光ですから。
星を撮ろうと思ったら、
約30秒、ぜったいに動かずに‥‥
────
無理です(笑)。
安藤
ほかにも、三脚があったほうがいいのは、
マクロ撮影ですね。
三脚がないと撮れないというわけではないですが、
マクロレンズの性質上ピントが合わせにくいので、
あると便利だと思います。

お花の、めしべとおしべを
こんなふうにしっかり写したい場合とか。

写真提供/清水純一さん

────
おおー。
安藤
赤ちゃんのちいさな足とか。

写真提供/清水純一さん

────
すばらしいです‥‥。
安藤
あとは、テーブルフォトでしょうか。
────
テーブルフォト?
安藤
雰囲気のいいレストランとか、
ダウンライトで薄暗いことが多いですよね。
おしゃれな雰囲気を活かしたまま
きれいな料理を撮りたいっていうときに
三脚は便利ですね。
────
なるほどー。
安藤
こういうコンパクトな三脚があるので、
お店の人にことわってから‥‥。
安藤
‥‥あ、そうか。
これだと、
ティーテーブルには小さすぎますよね。
────
どうでしょう。
のせられますけれど。
安藤
この三脚にものせられる?
────
はい。
やってみます(クルクルっとネジにはめる)。
‥‥こんな具合で。
安藤
すごーい。
‥‥そうか、そうですよね。
三脚のネジはぜんぶ共通だから。
────
そうなんです。
「あなたの三脚にのせられますよ」
という商品なんです。
安藤
考えましたねー。
────
でも、この小さなテーブルの場合、
どう使いましょう?
安藤
うーん‥‥ピクニックで!
ほら、シートをしいて芝生に座るときは、
低いテーブルが便利ですよ。
────
ああー! それはナイスです。

ええと‥‥
話を三脚の便利さに戻しまして、
とにかく「手ブレ」での失敗防止に
とても効果があると。
安藤
そうですね。
「三脚は失敗を防ぐ」ということは、
はっきり言えます。
現場では
カメラのモニターで確認しますから
大丈夫だと思うんですよ。
ところが、
おうちに帰ってパソコンに取り込んで、
ガーンとなる。ブレてる。
────
ある、ある! それあります。
安藤
そのがっかりは、
三脚でかなり防げると思います。
────
あと、カワセミを撮ってる人とかは、
カワセミがとまりそうな枝に
ピントを合わせて、三脚で待ってますよね。
安藤
そうですね、
「待つ撮影」にも三脚は向いています。
電車とかも。
────
はいはい、電車。
安藤
風景も、そうです。
「ここに人が来るといい味になるな」
というときは三脚でじっと待ちます。
雑踏を撮るときなんかも。
────
なるほどー。

写真ではないですが、
ムービーにも三脚はそうとう‥‥
安藤
そうですね、使えますね。
いまは一眼レフで映画を撮るくらいですから。
────
‥‥あ。なんだか、
どんどん三脚がほしくなってきました。
安藤
よかったです(笑)。

本格的に写真をやる人じゃないと
使わないんじゃないかと思いがちですけど、
気軽に撮っている人も
三脚はひとつあるといいと思います。
写真のたのしさが広がりますから。
────
安藤さん、きょうはありがとうございました。
安藤
こちらこそ、ありがとうございました。

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