愛して止まない、理想のリップバーム。

TALK

HOBONICHI

2009年、原宿で誕生したフレグランスレーベル
「retaW(リトゥ)」。
草場妙子さんが15年以上、愛用しているのが
2種類のリップバームです。
テクスチャー、デザイン、香り‥‥
全てが理想だと語るこのアイテムは
どのように作られたのか。
そして、retaWで作られている香りが
どれもアイコニックで印象に残るのはどうしてか。
ブランド担当のキーフさんに、
草場さんがインタビューしました。

タイトル写真川村恵理

キーフ 咲(キーフ・さき)

retaW セールス&PR コミュニケーション。 編集・PR業を経て、株式会社blenderに入社。 東京青山発のフレグランスレーベルretaWにて、 街のカルチャーや、世代・性別を越えて生まれる “いま“の空気感を香りへ落とし込むことを 大切にしている。 最近は、哲学や思想にまつわる本を 読み漁ることにハマっている。

retaW /リトゥ

2009年、東京で設立されたライフスタイル&フレグランスブランド。ブランド名は英語の「Water(ウォーター)」を逆さまにしたもので、「水」のようにピュアで心地よい香り体験を届けたいという想いが込められています。独自のフィロソフィーに基づいた独創的な調香が魅力です。

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03 光も影も、香りの中に

草場 お店のしつらえも、すごく素敵ですよね。
まずショーケースが、
冷蔵庫というか、えっと‥‥。

キーフ 合っています(笑)。
冷蔵はされていないですけど、
私たちも「冷蔵庫」と呼んでいます。

草場 ああ、よかった。
このビジュアルがとても印象的ですよね。
普通お店の作りだと、
真ん中に什器が置いてあったり
商品が並んでいることが多いと思うんですけど、
retaWの店舗は壁面のショーケースだけという
潔い見せ方が圧巻です。
シンプルな見せ方だけど、
空間の使い方が贅沢で
いつもかっこいいなぁと思って見ています。

キーフ お店という場所は
初めてお客様に商品に触れていただく機会、
つまり、retaWでは香りを体験いただくわけですけれど、
普通のお店の作り方だと
どうしてもお店が主体の場になってしまうんです。
お客さまの好みをスタッフが伺って、
提案したものをいくつか試していただいて、
それを受け取ってもらう、
みたいな感じですね。
でも、retaWの商品は
「自分のために自分で選んでもらいたい」
という意図から、
お店に足を踏み入れたお客さまが
自分でショーケースから商品を取り出せる
という作り方にしたんです。

草場 なるほど。
コンビニみたいに?

キーフ まさにコンビニですね。
細かいことですけど、ショーケースのドアは
業務用冷蔵庫並みに重いので(笑)、
自分で開けて、商品を取り出して、レジに持っていく、
という行為がより濃く体験してもらえると思います。
コンビニほどカジュアルではないかも知れないですが、
そんな風に気軽に香りを買ってもらいたいという想いで
この形になっています。

草場 自分が主体になれるお店、
すごくいいですね。

キーフ ショーケースに商品が整然と並ぶ美しさも
日本のブランドらしいので、
海外から来られるお客さまも多いですが、
たのしんでいただけているかなと思います。

草場 私にとってreraWは、
すごく “東京らしさ” を感じるブランドです。
私は熊本に生まれ育って
今は東京に住んでいる時間の方が長くなったんですけど、
いつまで経っても変わらずに持っている
東京への憧れというものがあって。
それが香りとして、ブランドとして、
目に見える形であるとしたら、
私にとってそれがまさにretaWなんです。
「私が思う東京はこれだ」って。
なぜそう思うのか、
言葉では説明できないんですけど‥‥。

キーフ わかる気がします。
商品のネーミングもあるかもしれないですね。
練り香水じゃなくて、「ソリッドパフューム」とか。
「ソリッド」という形状を
あえてネーミングに入れているんですけど、
外国の方からすると、間違ってはいないけど
こういう英語の使い方はしないみたいです。
「カータグ」も、ペーパーフレグランスではなく、
車につけるものとして提案する。
用途を狭めているんですけど、
シチュエーションがより分かりやすいところが、
東京っぽさを感じるポイントのひとつでしょうか。

草場 たしかに、そうかもしれません。
私がretaWのアイテムで好きなものの中には
デニムやスニーカー専用のスプレーもあるんですけど、
ファッションとつながってるというところも、
東京や原宿、裏原を連想します。

キーフ そうですね。
東京にはとんかつ屋や寿司屋など、
たくさんの「専門店」がありますけど、
他の国や地域ではちょっと珍しいですよね。
retaWのフレグランスも、
デニム用、車用、スニーカー用というのが
限定的でユニークだし、
東京らしいかもしれません。

草場 どのアイテムの香りにも
retaWらしさを感じるんですが、
どのように作られているんでしょうか。

キーフ 使うときの情景を思い浮かべながら、
チームで香りのイメージを共有していくことが多いです。
例えば、バリ島のホテルからの依頼で
ディフューザーを作った際は、
「バリの山の奥にある静かな寺院で
夕暮れの霧が出てくる時間帯、
気持ちがやわらいで
昔のことを思い出したりしているとき」
といった景色と空気の動きを香りに表しました。

草場 ああ、素敵です。
かなり具体的な情景を描かれるんですね。

キーフ そうです。
そこから香りの要素をピックアップしていきます。
山奥の青々とした緑の香りに、
寺院の古い床の匂いのエッセンスも少し入れたり。
どの場面にも光と影、
良いものと悪いものがあるので、
香りを作るときにも、良い方だけではなく
両方の要素をいいバランスで取り入れています。

草場 そうか。
陰の要素がないと、
きっと引っかかりのない、
すぐに忘れてしまう香りになるのかもしれないですけど、
それが入ることによって
記憶に残る香りに仕上がるんですかね。

キーフ そう思います。
誰でも日常の中に
楽しい時もあれば心が疲れる時もあって、
香りとしてどちらの面も持ち合わせていることで
どんなときにも寄り添える、
retaWらしさになっているのかもしれませんね。
香りを作るときにチームの中で、
「これは苦手な人がいるかもね」といった会話は
一度も出たことがないんです。
全員が好きな香りを作ろうと思ったら作れるけど、
それはきっと奥行きのない
サラッとしたものになってしまう。
ターゲットを絞ってるわけではないですが、
苦手な人がいるのは想定内で、
受け取ってくれる人のことだけを考えて
作っているブランドかなと思います。

草場 かっこいい!
考え方や表現の仕方が、
どこかアーティストっぽいですよね。

キーフ たしかに、そんな側面はあるかもしれません。

草場 私がretaWをずっと憧れの目で見ている理由が、
やっとわかった気がします。
これからも愛用しますね。
どうもありがとうございました!

キーフ こちらこそありがとうございます。
また遊びにきてください!

MY FAVORITE retaW キーフ咲さん愛用アイテム !