2021年のMiknitsも、まだまだ旅の途中。
ヨーロッパで出会ったニットから学んだ編みものキットや、
身軽に繰り出せる編み地柄のサコッシュ、
foodmoodのなかしましほさんや
mitosayaさんと一緒に作ったMiknits缶。
外の空気をたっぷり吸い込んだ、
編みもの時間が楽しくなるMiknits 2021を
ひと足お先にお見せします。

すっごくかわいくて、美味しいおやつを
ありがとうございました!
編み地に合わせてうさぎ型のクッキーが入っていたり、
うさぎが駆け回る野原のいちごが主役になっていたり、
とっても特別なものになりました。
よろこんでいただけてよかったです。
編み地とリンクしたおやつにしましょう、と
提案くださったのはなかしまさんでした。
これまで姉(三國万里子)と一緒に
おやつをつくる機会は何度かあったのですが、
「クッキー缶」としてサイズも量もあるものを
つくるのは初めてのことでした。
せっかくですし、缶にプリントされる編み地と
連動するおやつにしたいと思ったんです。
編み地をスタンプしようかと考えたのですが、
うさぎがお花畑にいる図案を見てすぐに、
これは素直にうさぎにしよう、と思いました。

foodmoodさんで動物をかたどったクッキーは
めずらしいですか?
丸とか三角とか、
ごくシンプルな型でつくることが多いです。
イベントなどで時々特別な型をつくることがありますが、
正直、耳が折れないか、が一番心配でした。
うさぎの耳が飛び出していますもんね。
店舗で手渡しではなく
宅急便でお送りするので、
そういう細かいところも大切です。
あとは、焼きムラも心配でした。
複雑な型になればなるほど、
焼き色の偏りが出てしまうので。
でも、こういう機会がないとチャレンジできないので、
やってみて、うまくいったのでよかったです。
しっかり食べ応えのあるうさぎで、
色も形も完璧でしたよね。
うちのスタッフの熟練した技も光っていて、
わたしは勝手に「人間真空マシーン」と
呼んでいるんですけど(笑)、
クッキーを袋に詰める際にとても上手に
中の空気を抜くんですよ。
そうすると、割れないように固定されて。
長く働くようになるとそういう技術も磨かれるんです。
おやつBOXを開けたときに
「わーっ!」とうれしくなるには、
そんな魔法がかけられていたんですね。
開けたときにきれいに見えるかどうかは、
ものすごく気にしています。
そこでテンションが上がるじゃないですか。
おいしいことはもちろんだけれど、
開けたときの驚きやうれしさも大事だと
私たちはよく話しています。
味は、定番のピーナッツバターです。

いくらでも食べられるくらい、
飽きのこない味ですよね。
ありがとうございます。
粒々の食感があると表情が崩れてしまうので、
今回はピーナツバターのペーストのみを
入れています。
すこし小ぶりなうさぎで、枚数を多めに入れたので、
編みもののおともにぴったりだと思います。
いちごとカカオニブのグラノーラは、
今回のためにつくってくださった新作です。
うさぎが駆け回る野原に実をつける、
「いちご」でおやつをつくってほしいとお願いしました。

「いちご」って難しい素材で、
焼くと味が飛んでしまうんですよ。
なので、実はfoodmoodで扱ったことがなかったんです。
ですが、せっかく挑戦するならば、
いちごを主役にしたい。
ドライのものをグラノーラにするのが、
一番おいしいかなと思って
全国各地からたくさん取り寄せて試しました。
見つけたのが、青森のいちご農家さんのもの。
正直、こんなにきれいでおいしいドライのいちごって
なかなかないんです。
小粒ですけどしっかりと甘酸っぱさがあって、
酸味や風味が凝縮されているので、
グラノーラのアクセントになっていると思います。
難しいことにもチャレンジしていただいたんですね。
とってもありがたいです。
うさぎの型もそうですけど、
こういう機会があると新しいことに
チャレンジできるのでうれしいんです。
実は、「缶」にクッキーを詰めるのが
初めてだったんですよ。
たしかにいつも、
紙の箱のクッキーボックスですよね。
素敵な箱をつくる方々との出会いがあって、
15年くらい変えずにずっとやってきました。
ただ、缶入りクッキーというのは、
おやつ屋にとって一つのあこがれではあるんです。
外国のお土産のクッキーみたいなものを、
ずっとつくりたくて。
だけど、なかなかいいものに出会えなかったので、
今回のお話をいただいてついに、
私たちも缶デビューを果たせました。
梱包の仕方や密閉など、
いろいろ勉強になりました。
個人的には、
いちごとカカオの組み合わせが美味しかったです。
いちごとチョコレートって合うんですよね。
あの、六花亭のドライいちごにホワイトチョコが
かかったものも美味しいじゃないですか?
美味しいですね、大好きです。
時期的にふつうのチョコレートだと溶けやすいので、
カカオニブという、カカオの風味や食感が詰まった、
foodmoodも昔から好きな素材を使いました。
チョコレートは砂糖が混じっているぶん、
甘さを感じてしまうことが多かったのですが、
カカオニブは大人な風味だと思いました。
ほろ苦さもあってすっきりした甘さで。
バランスがいいんですよね。
個人的にも大好きなので、
積極的に使っている素材です。
グラノーラは牛乳をかけて食べるものを
イメージしていましたが、
foodmoodさんのグラノーラはおやつのように、
つまんで食べても満足できますよね。
おやつとしてのグラノーラなので、
そのまま食べて楽しんでいただきたいです。
あとは、乳製品とも相性はいいので、
アイスクリームや牛乳と絡めて
食べていただくのはおすすめです。
残った細かいかけらはそんな風に食べてもらえると、
最後の最後まで楽しんでいただけます。
甘いおやつとは味わいがことなる、
しょっぱい系のおやつとして
定番の青のりとカシューナッツのクラッカーも
入れていただきました。

3つクッキーを入れるとしたら、
1つは塩っけのあるものを入れたいんです。
カシューナッツの粉末とたっぷりの青のりは
おつまみとしても好評で、
わたしも小腹が減った時によく食べます。
「パンを1枚食べるのも多いな」という時に、
ちょうどいいんです。
シンプルな味なので、
こちらもいくらでも食べられます。
食べてもそんなに感情がわさわさしない、
邪魔されない食べものが好きなんです。
穏やかなままでいられるというか、
そういう感じがしますよね。
おやつを食べるときにも、
気分があるじゃないですか。
いちごのグラノーラがメリハリのある味で、
青のりは穏やかなまま食べられる。
ピーナッツバターはうさぎの形で楽しく
クッキーらしさを一番感じられると思います。
そんな風に、一つの缶の中で、
盛り上がったり穏やかだったり、
気分の波が生まれるといいなと思ってつくっています。
一つのクッキー缶に、
それだけの物語を詰めてくださったんですね。
自分もクッキー缶をもらうなら、
いろんな種類や食感のものを食べたいので、
そんな気持ちを反映させました。
なので、一気に3種類食べるのもいいのですが、
できたらご自分の好きなお皿に
3種類をすこしずつ盛り合わせて、
順番に食べるのが楽しいと思います。

わあ、それはぜひやりたいです!
うさぎ型のピーナッツバタークッキー、
いちごとカカオニブのグラノーラ、
青のりとカシューナッツのクラッカー、
それぞれ並べてじっくり味わいたいです。
楽しそうですよね。
私がつくるクッキーは、
紅茶やほうじ茶、番茶もよく合うので、
編みもの道具と水分はたっぷり用意して
食べてもらえたらと思います。
(つづきます。)