Miknits JOURNEY 三國万里子さんの編みもののお店、はじまります。

2021年のMiknitsも、まだまだ旅の途中。
ヨーロッパで出会ったニットから学んだ編みものキットや、
身軽に繰り出せる編み地柄のサコッシュ、
foodmoodのなかしましほさんや
mitosayaさんと一緒に作ったMiknits缶。
外の空気をたっぷり吸い込んだ、
編みもの時間が楽しくなるMiknits 2021を
ひと足お先にお見せします。

03

身軽に、いつでもどこでも行けるように。
MiknitsTO GO, サコッシュ, 編みものグッズのお話

この一冊で作品が編みはじめられるように、
オリジナルアラン糸と編み図と編み針がセットになった
「Miknits TO GO」が今年も登場です。
そのほか、サコッシュや編み針ケースなど
Miknitsオリジナルアイテムも充実しています!

「どこでも、誰でも、気軽に編みものを楽しんでほしい」
という思いで昨年はじまった「Miknits TO GO」ですが、
今年も2種類のキットができました。
no.3では「木の葉のタム・オシャンター」、
no.4では「オーロラミトン」を編んでいただけます。

「タム・オシャンター」は、
スコットランドで古くから愛されている
帽子の名称なんですよね。

ベレー帽のような形が特徴で、
かぶりやすくデザインしました。

私が編みもののキャリアをスタートさせたとき、
ベレー帽を山ほど編んで、展示会で販売したんです。
大きなサイズだとクラシックなベレー帽になるのですが、
すこし直径を小さくして、小ぶりな形にすると、
さりげなくかぶることができます。
キャップとベレー帽の中間のような、
いろんなスタイルに合わせやすいものです。

帽子全体が、
ひし形のようなシャープな形が
スタイリッシュです。

これは、帽子を平らにして、
アイロンで潰しているんですよ。
そうすると帽子に角ができるんです。

柄のモチーフはなんですか?

柄は、葉っぱです。
トップに向かって編んでいくうちに
葉っぱ柄が収れんして、
魔法のように消えていくのが編む醍醐味。
柄の繰り返しを覚えたあたりで、
減らし目というクライマックスがやってきます。

想像するだけで楽しいですね。

楽しいですよ。
なので編み終わると、
「もう一つ編んでみるか」という
気分になると思うんです。

おまけの編み図は、
ごくシンプルなメリヤス編みのタム・オシャンター。
もしベレー帽を編んだことがなく、
複雑な柄に不安を感じる方は、
手慣らしにこちらから始めるのもおすすめです。

クリスマスプレゼントにもいいですよね。
今回はベーシックな色と、
ほぼ日ストア限定色も用意しました。
三國さんならどんな風に着こなしますか?

意外といろんなスタイルに合うと思います。
私なら、白いシャツ、オーバーオールに
ツイードのジャケットで帽子をかぶります。

ボーイッシュで素敵ですね!
ジャケットでかっこいい感じにしても、
もこもこした重ね着に合わせて
かわいらしいコーディネートにしてもよさそうです。

気負わずに、どんどんかぶってほしいです。

オーロラミトンのデザインは、
どんなイメージでしょうか?

オーロラの下を鳥が羽ばたくようなシーンを
イメージしてデザインしました。
私の作品に「niigata」というマフラーがあるのですが、
系統としては同じ、風景を編み込んだミトンです。

絵本の挿絵のような、
ちょっと懐かしい感じがして素敵だと思いました。

ありがとうございます。
減らし目を模様の中に組み込み、
オーロラが空に昇って消えていくように、
丸い指先の形を作りました。

単純な柄が使われているのと、
目数が少ないので、
編み込みが初めての方にもおすすめです。

配色も、風景がよく映えるものを選んだので、
できあがったときによろこんでいただけると思います。
こちらも、おまけの編み図が豪華で、
カメの編みぐるみを編んでいただけるんですよね。

Miknitsのうさぎ缶で
うさぎの編みぐるみを作ったので、こちらはカメ。
昔、カメを飼っていたことがあって、
個人的にも好きな動物なんです。

あとは、付属する冊子の特別企画として、
奄美大島に暮らす
画家のミロコマチコさんのもとへ伺いました。
新しいアトリエを案内いただいたり、
お気に入りのスポットを巡ったり、
おふたりの対談を収録したりと、
充実の内容になっています。
no.3とno.4で違う内容になので、
ぜひこちらも読んでいただきたいです。

写真:近藤哲

昨年に続き、
旅のアイデアをたっぷり詰めこんでいるMiknits。
その象徴となるアイテムとして、
三國さんデザインの編み地柄をプリントした
オリジナルのサコッシュができました。
デザインは、どんなイメージですか?

タム・オシャンターの葉っぱ柄も、
birdieの木の実もそうですけど、
今年は植物柄に夢中なんです。
こちらも、葉っぱをデザインしました。

森の奥にひっそりとある湖に葉っぱが落ちて、
凍った湖畔に閉じ込められているような、
そんな冬の景色をイメージしています。

幻想的で素敵です。
三國さんの故郷、新潟の景色を思い出します。

年の暮れにかけて、
身の縮まるような寒い季節を私も思い出しました。

秋の葉っぱの豊かで複雑な色を使いながら、
黒がベースなので合わせやすいバッグです。

内ポケットをつけたり、サイズを調整したり、
使いやすさも考えたので、
携帯とミニ財布と文庫を入れてお出かけしたり、
簡単な編みものグッズをつめて公園に出かけたり、
旅ができるようになったら、飛行機や移動に使ったり、
いろんなシーンで活躍すると思います。

次は、定番となってきた
Miknitsオリジナルの編み針ケースです。
Miknits Vintage Pattern Worksのために
山本祐布子さんに描いていただいたPlants柄を、
バッグブランドTEMBEAさんに仕立ててもらいました。

今までにないフェミニンなケースになりましたね。
スタートしたときは、
質実剛健な感じを目指したじゃないですか。
だけど、フェミニンなケースも
また違う良さがあると改めて知りました。

内側の色がカーキやネイビーなど
大人っぽいいい色なので、
そのバランスもおさまりよくできました。

TEMBEAさんにつくっていただいているので、
モノとして安心感がありますよね。
私は輪針を編みものケースに入れているですけど、
みんなはどうやって使っているんですか?

ここに全部の編み針道具を収納して、
部屋のどこでも編めるようにしています。
最近は、ピクニックバッグに編み針ケースと毛糸を入れて、
公園で編むのも楽しそうだと計画しています。
ほかの乗組員だと、
大切なヴィンテージのカトラリーを入れていたり、
文房具や画材を収納している人もいたり、
自由に使ってもらっています。

最後は、オリジナル毛糸の新色のお話です。
これまでピンク色は
キッドモヘアのベビーピンクだけでしたが、
Miknitsアランでも、ようやく作ることができました。

フューシャピンクもライトピンクも、
いい香りがするような、きれいな色になりました。
「ラベンダー」も上品な合わせやすい色で、
今年はかわいらしい新色が揃いました。

新色の「えんじ」と合わせた
uneuneのピンクのグラデーションは、
とびきりかわいらしいと思いました。
ですが、ふんわりとしたスカートともよく合う、
大人っぽい色だと思います。
また、待望の300g巻きがデビューします。

ウェアなど腰を据えて編む方は、
断然こちらの方がおすすめです。

キットを編み終えて、
もっと編みたくなった方は
昨年出版された「ザ・ベスト・オブ・ミクニッツ」
300g巻きを用意したら、
充実した冬を越せそうです。

(つづきます。)

2021-08-20-FRI
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スタイリング|岡尾美代子
撮影|清水奈緒(イメージ写真)、
沖田悟(商品写真)
ヘアメイク|茅根裕己(Cirque)
モデル|ALASKA(身長・175cm)(TOKYO REBELS, Inc.)
モデル着用クレジット