はちみつ探検隊 塩野米松さんに会う、の巻。 1万年以上前から人が食べていて、いまも変わらない食べかたで親しんでいるもの、それは、はちみつです。ある日、わたしたちはひと瓶の、花のかおりあふれるはちみつに出会いました。それは作家の塩野米松さんからいただいたものでした。日本の花と蜂がもたらすめぐみをもらう旅。はちみつ探検隊、一歩ずつ進みます。 はちみつ探検隊 塩野米松さんに会う、の巻。 1万年以上前から人が食べていて、いまも変わらない食べかたで親しんでいるもの、それは、はちみつです。ある日、わたしたちはひと瓶の、花のかおりあふれるはちみつに出会いました。それは作家の塩野米松さんからいただいたものでした。日本の花と蜂がもたらすめぐみをもらう旅。はちみつ探検隊、一歩ずつ進みます。
塩野米松さん、1947年、秋田県生まれ。作家。/はちみつ探検隊ほぼ日乗組員3人、S 蜂が好き、O 花が好き、T 酒が好き
第1回 はちみつをてみやげに。
探検隊S
塩野さん、こんにちは。
塩野
こんにちは、角館にようこそ。
探検隊O
川があって、桜並木があって、
武家屋敷があって、
角館はとてもいいところですね。
探検隊T
塩野さんのおうちもすてきです。
今日はありがとうございます。
塩野
で、君たちは、
はちみつのことを聞きにきたんでしょ?
探検隊S
はい。
糸井重里が、塩野さんからいただいたはちみつが
とてもおいしかったと言っていて‥‥。
塩野
あれは、あんづえおじいちゃんのはちみつです。
探検隊O
あんづえ?
塩野
あんづえという名字のおじいちゃん。
養蜂家です。
あれは、ここ角館のソメイヨシノから
採れたはちみつです。
探検隊T
へえぇぇ。
塩野
ぼくはいつも友達の家に行くとき、自慢げに、
「角館の桜のはちみつだよ」なんていって持ってくの。
みんな喜ぶからね。
同じように、糸井さんのところに遊びにいくときにも、
おみやげに持ってった。

糸井さんはいつもご自分でヨーグルトを
作ってらっしゃるでしょ? 
ぼくがはちみつを渡すと、
「自分のヨーグルトに入れて、いただきます」と
おっしゃいました。
彼は、桜のはちみつについて、
ほんとうによく知っていた。
お堀の近くのビルや銀座で養蜂している人たちがいて、
皇居の桜のはちみつがおいしいということも話してた。
桜のはちみつ、ブームになってるみたいだね。
探検隊S
桜のはちみつは、手に入りにくいくらいですね。
糸井はかなり前からはちみつが好きで、
ニュージーランドのマヌカハニーなども
よく食べていました。
もともとバラ科の花が好きなので、
桜のはちみつも好物のようです。
塩野
ああ、どんぴしゃりだったんだ。
そのとき糸井さんと
「ソメイヨシノですか」
「そうです。角館で採るおじいちゃんがいるんですよ」
というようなことを話しました。
それで、帰って、めしあがったんでしょうね。
探検隊O
はい。
塩野
で、おいしかったんだね。
探検隊T
はい。
塩野
ぼくのとこにもメールが来た。
それで、そのはちみつは
どのくらいありますか、って話になった。
あんづえのおじいちゃんは、
大きい会社にも毎年納品してるらしいけど、
自分のとこ用と、
近所の人が買いにきたときに
分けられるくらいは残してる。
そこから、ほぼ日にも分けてもらえないか、
という話になって。
探検隊S
そして、私たちが身を乗り出しました。
塩野
おじいちゃんには、いちおう
「ほぼ日という、こういう人たちがいるんだけど、
扱ってもらっていいかな?」
という話をしています。
「そうしようかな」という返事をもらってるから、
あとは直接、君たちが行って、話をしてきてね。
探検隊O
はい、わかりました。
探検隊S
うーん‥‥やっぱり塩野さんのてみやげが
発端だったんですね。
塩野
でもさ、興味って、そういうことじゃん。
どこかに何かがないとはじまらない。
それから、そうだ、
そのはちみつを渡したあと、
もうひとつ糸井さんと話をしたの。
つまり、その場で
はちみつ談義になっちゃったんだけど、
日本みつばちの話になったんだよ。
探検隊T
日本みつばち‥‥。
(探検隊、つづきます)
おしえてBEEKEEPER!
蜂はどうやって、
はちみつをつくるの?
はちみつは巣で暮らす働き蜂の主食です。
原料は花の蜜。
みつばちが花を訪れて集めた花蜜は、
蜂の「蜜胃」にたくわえられ、
巣で待っている蜂に渡されます。
蜂が体内で分泌する酵素の働きで
蜜の成分は変わっていきます。
また、羽で風を送って水分を飛ばすことで、
蜜は徐々に濃縮され、おいしく変化します。
みつばちは巣の六角形の部屋に蜜をためていきます。
それをしぼって濾したものが「はちみつ」です。
(こたえ:藤原養蜂場 藤原誠太さん)
2017-10-30-MON