──

ファクトリーで最初につくったアクセサリーは？

鈴木

ティアーズっていう、しずくが3粒の。

櫻田

いちばん最初、やはり、ガラスらしい、
シンプルな形をイメージしたデザインが多くて。
今も、とても人気がありますね。
それをちっちゃくしたのが、
今度紹介していただく、
リトルティアーズです。

──

４年間で、バリエーションがふえましたね。

櫻田

開所当時は、初めての試みだったので、
まず、かたちをどんどんどんどん‥‥。
ちょっと言葉が違うかもしれませんが、
まずはいろいろなかたちを世に送りだそう、
そう考えまして。

櫻田

それまでは、ガラスのアクセサリーというと、
作家さんが一人で手づくりされてるものが
多かったんですね。
でもそれでは、人が多数かかわる
大きなビジネスとして成り立つのが難しい。

うちは、作り手さんに
会社としてお仕事を依頼して、
どんどん商品を作ってもらって
広めていくことを目標にしていましたので。
まずは、できるだけ「かたち」にして、
いろんなラインナップから、
お客様に選んでもらおう、
そう考えて、当初、１、２年はかなり、
新しいものを出しましたね。

鈴木

まず出して、反応を見よう、って。
ガラスのアクセサリーが、
手に取っていただけるのか、
「割れる、こわい」って思われないか、
やってみないとわからなかったので。
とにかくたくさん出して。
それが功を奏して、そんなに抵抗なく、
手に取っていただけるってわかりました。
つくるほうは、きっと大変だったと思うんですけど。

藤枝

そうですね。
手加工品なので工場生産のように
１日で大量に生産することはできない
っていうことも。

櫻田

工場で量産するものは、
１日何百個、何千個できますけれど、
ここでは数個から数十個程度しかできないので。
そのぶん大事に、大切にしてもらうように、
という気持ちで。
そういう意味でも、
ファクトリーでつくる手加工の商品は、
アクセサリーでよかったのかな、と思います。

鈴木

いちばん最初は、
「まずは量産のものに、何かをくっつけるのが、
わかりやすいから、やってみよう」
ということだったんです。
それが、こういう
カップアンドソーサーのようなものでした。

鈴木

カップのボディの部分は、量産品なんです。　
そして、水玉がつながったような
かわいいハンドルは、
ここのランプワークで作ってるんです。
手仕事と量産品がミックスしてるような。

──

それはガラスならでは、ですか？

鈴木

耐熱ガラスならでは、ですね。
こういう、くっつけたり、貼りつけたり、っていう
加工ができるのが、
耐熱ガラスという素材の特徴なので。

──

工場でいちど完成したものに、
もう１回、細工したり、
プラスしたりできるのが、耐熱ガラス。

鈴木

そうなんです。
ですけれど、お値段の問題がありまして。
ベースは量産品とはいえ、
手加工が加わっていると、
カップアンドソーサーとしては、
ちょっとしたお値段のものになるので、
なかなか、お客様の手に取っていただけない。
職人さんのお仕事は、
どんどん減っていってしまう。
そこで、アクセサリーはどうだろう、と。

たくさん買っていただければ、
職人さんのお仕事がふえる、
そう考えたところから、
ランプワークファクトリーが
動き出していったんです。

櫻田

ガラスって、
女性の方に好まれることが多いので。
そして、手に取りやすいということ、
あとは、
作りやすいというわけではないんですけれども、
かたちにしやすいという点で、
「じゃあ、まずはアクセサリーを作ってみようか」
ということで、ラインナップが決まっていきました。

──

量産と手加工、
両方を１つの会社で持っているんですね。

櫻田

もちろん、手加工のアクセサリーも
そうなんですけれども、
工場でできた量産のものに、
私たちが付加価値をつけて、
新しいものを作れることが、
ランプワークファクトリーの強みだと思うんです。
ですから、今後はこういうものも
つくっていきたいなという思いがありますね。
量産のものと、手加工のいいところを
うまく組み合わせたもの、っていうのが、
目指すところだと思います。

（おわります。）

2017-12-19 TUE