Grocery Gemellivo ジェメリーボ おいしいものまわりの店

Gemellivoの
「ビスコッティ」のこと。

「ああ、あの、すごく硬いお菓子!」
イタリア菓子のビスコッティ(biscotti)について
そんなふうに思う人も多いことでしょう。
たしかに、イタリアのビスコッティは、
おいしいけれど硬い、というのが一般的なイメージ。
なにしろ「ビス(もう一度)」と「コッティ(焼く)」が
由来の二度焼きのお菓子です。
かたまりで焼いて、切ってからもう一度焼き上げるゆえに、
水分がとんで、かちこちに硬くなるんですね。
(だから、エスプレッソに浸して
食べる人も多いんですって。)

でも、Gemellivoのビスコッティはちがいます。
「サクサク、ほろほろ、すぐ噛める」、
カリカリだけれどふしぎとやわらかな印象のある
ビスコッティなんです。
イタリア料理に詳しいお客さまが
竹内健さんのレストラン「Vicino」で
このビスコッティを食べて、
意外な食感とおいしさに驚いたことも
いちどや二度ではないといいます。
なかには「グラノーラを固めたみたいだね」
というかたもいらっしゃるそう。
なるほど。たしかにそんな印象も!

はじまりは「Vicino」から

竹内健さんのレストラン「Vicino」で
コースの最後のお茶菓子として出していた
このビスコッティ。
稔さんとともにGemellivoを立ち上げた当初から、
すこしだけ販売を行なっていた
「かくれた人気商品」でした。

健さんは、イタリアの文化のひとつとしての
硬いビスコッティはもちろん素敵だけれど、
日本に暮らす自分たちにとってのビスコッティを
あらためて考えてもいいんじゃないか、と思ったそう。
それで健さんと、パティシエールの粕谷祐姫さん、
そして健さんの双子の兄・稔さんが協力、
自分たちの思うおいしい方向で、
もっと食感がたのしく、子どもも食べやすい
そんなビスコッティを考えました。

味は3種類です。


Roasted nuts & Dried Fruit
(ローストナッツ&ドライフルーツ)

Gemellivoでさいしょにうまれたビスコッティです。
ナッツの量と大きさを調整することで
たのしい粒々感、カリカリ感のある生地になっています。
粒のばらつきを出すため、アーモンド、カシューナッツ、
マカダミアナッツ、そしてヘーゼルナッツを、
包丁を使って、手作業でザクザク刻み、
すばやく生地と合わせてから二度焼き。
油は、香りと製法の異なる2種類のごま油をミックス、
くせのない香ばしさをうんでいます。
サルタナレーズンとオレンジピールは
いちど茹でて柔らかくし、シロップに浸け、
それを生地と合わせて焼きました。
全体の糖度を調整することで
硬くなりすぎないように仕上げています。
このRoasted nuts & Dried Fruitが、
ほかのふたつの味のベースになっています。
ちなみに、ドライフルーツが入っているので、
ほかのふたつよりも、ほんのすこし、甘みがつよめです。


Coffee & Coconuts
(コーヒー&ココナッツ)

細かく砕いたコーヒー豆とともに、
ココナッツを加えたCoffee & Coconuts。
ちょっと大人っぽい印象のビスコッティです。
コーヒー豆は、細かさをいろいろと実験し、
焼いた時に香りが一番引き立つように、
中煎りに焙煎し、粗めに挽いたものを使用。
直接生地に練り込むことで、
食べたときにコーヒーの「ちょうどいい香り」が
鼻に抜けていくのが、このビスコッティの個性です。
このココナッツ、いちど砂糖水と、
粉糖をまぶしてコーティングをし、
低温で焼いたものを生地に混ぜて焼いています。
火の入り加減を調整することで、
食感のよさを出しているんですって。
カフェオレやミルクティーなどマイルドな飲み物との
相性が、とてもいいんですよ。
ナッツ類は、包丁を使って、手作業で刻んでいるので、
粒に大小があって、
それがたのしい食感につながっています。


Darjeeling & Vanilla
(ダージリン&バニラ)

ダージリン紅茶の茶葉とバニラビーンズを加えた
Darjeeling & Vanilla。
一般的に、こういうお菓子には
アールグレイを使うことも多いのですけれど、
それではすこし強すぎる印象に。
そこでダージリンで試作をしてみると、
紅茶の香りの中に甘みが感じられるのが印象的で、
この茶葉を採用することになりました。
バニラは「二度使い」。
バニラビーンズを加えて焼きあげた生地に、
乾燥させて細かくした自家製のバニラパウダーを
ほんのちょっとふりかけています。
口に入れたときの最初のホワッとした印象だけでなく、
食べ進めるなかでもバニラの香りがのこります。
そのなかにダージリンのいい香りが合わさり、
手刻みでまぜた粒のばらばらなナッツとあいまって、
とてもゆたかなイメージがうまれています。
紅茶やミルクといっしょに、
もちろんほかのいろいろな飲みものとも
合わせてみてください。

2023-09-15-FRI

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