フレフレシリーズやエア・スウェッツなどで 〈O2〉がお世話になっている デザイナーの浅川智子さん。 ことし発売のテーラードメリノシャツでも お力添えいただきましたが、 浅川さんが手がける 「Nikki ESSENTIAL PIECES (ニッキ エッセンシャル ピーシーズ)」のお洋服も、 やっぱりすてきなのです。
シンプルでありながらも、凛としたモダンさが漂い、 身に纏っているだけで上品にうつる。 ことしの春夏も、そんな洋服とともに過ごしたくて、 昨年につづき オリジナルアイテムをふたつセレクトさせてもらいました。 羽のように軽いチェック柄のサマージャケットと、 ビジネスシーンでも使えるアシンメトリーワンピース。 浅川さんご本人にうかがった デザインの工夫や素材のお話とともに、ご紹介します。
浅川 智子(あさかわ さとこ)
文化服装学院アパレルデザイン科卒業後 大手アパレルなどを経て、2015年、 セレクトショップBLOOM&BRANCHの プライベートレーベルPhlannelの ウィメンズ企画として参画。 2023年、ブランドの終了と同時に、 Phlannelの続きとして小金毛織㈱の協力のもと、 ユニセックスブランド、 Nikki ESSENTIAL PIECESを立ち上げる。 自身のブランドの傍ら、 フリーランスデザイナーとしても活動中。
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─ 今季の新作もなにからなにまですてきで、 たのしくセレクトさせてもらいました。 このふたつのアイテムは 一緒に着てもきっとエレガントですよね。
浅川 ありがとうございます。 私はいつも、“日常に寄り添う”をコンセプトに 服づくりをしていますが、 今季のコレクションはそれにプラスして、 避暑地で過ごす夏もテーマに添えてみました。
─ バケーション気分がはいっているのですね。
浅川 毎年毎年、夏が暑すぎるので、 なにもせずにゆっくり過ごす妄想を投影したんです。 たとえば、建築家のアイリーン・グレイが 南仏の海辺に建てたサマーハウスみたいな場所で。
─ ル・コルビジェに嫉妬された女性ですよね。 たしかに、ああいうモダンなところで この涼しげなお洋服を着ている姿が想像できます。
浅川 このサマージャケットにつかっている涼しげな生地は、 ここ最近になって私も使うようになりました。 毎夏、とにかく猛暑だから、 世の中的にも、薄い生地感の服をもとめる風潮にありますし。
─ 羽織っていないくらい軽くて、 透け感があってシャリっとした、涼しげな生地ですね。 自然なシワがあるので、きちんとしたジャケットなのに どこかラフな雰囲気もあってすてきです。
浅川 シルク90%、コットン10%の生地です。 もともと自然なシワが入っていて、 ラフに扱ってもだらしなく見えない生地なので、 くるっとバッグに入れて持ち歩いて、 冷房が強いときや、ちょっときちんとした場面で さっと羽織る、という使い方もできると思います。
─ たしかに、バッグからさっと出して そのまま羽織ってもサマになりそうです。
浅川 少し繊細な生地ではあるのですが、 ネットに入れていただければ ご自宅でもお洗濯していただけます。 夏のジャケットですし、 家で洗えるようにしたかったので、 なるべく型崩れしない範囲のパターンにしています。
─ ジャケットだけど堅苦しくはなく、 カジュアルに着こなせるのがいいですよね。
浅川 Tシャツのうえから着てもなじむように、 シャツに近いデザインを目指しましたから。 クラシックジャケットのルールを わざと外しながらつくってみました。
─ デザイン面のお話、 ぜひひとつひとつ聞かせてください。
浅川 まず衿は、かしこまった印象になりすぎず、 スタイリングになじむように、主張しすぎない やや細めのすっきりした衿幅に調整しています。 ただ、テーラードの形であることには変わりないので、 お仕事でも着られるきちんと感は残しています。
─ 土台はあくまでテーラードジャケットだから、 品行方正な佇まいになるのですね。
浅川 そうなんです。 あとは、袖山を低くして腕を動かしやすくし、 袖口は開けずに そのままロールアップできる仕様にしました。
─ 生地がしなやかなので、 てきとうにクルクル巻くだけでもニュアンスがでます。
浅川 オーセンティックな印象はおさえたかったので、 抜け感をだすためにボタンはひとつに。 フラップポケットや箱ポケットではなく、 シンプルなサイドシームポケットにしています。
─ 目立たないけど、しっかりポケットつき! ハンカチなどを持ち歩くのにありがたいです。
浅川 わたしはパスケースを持ち歩くので、 洋服づくりにおいてポケットは必須です。 それから、メンズウェアの縫製工場ではなく あえてウィメンズウェアの縫製工場にお願いしたのも、 やわらかい印象に仕上がったポイントです。
─ 工場を変えた。 それで、どこまで変わるものなのでしょう?
浅川 メンズの縫製工場の場合は、芯使いなど 立体的でかっちりした表情になりやすいのです。
─ なるほど。
浅川 それはそれでかっこいいのですが、 今回は気軽にバッグに入れて、 旅行にも持っていけるようなラフな一着にしたかったので、 やわらかくて優しい風合いになる ウィメンズウェアの縫製工場にお願いしました。 あと、こういう薄い生地は、 ウィメンズウェアの工場のほうが 縫い慣れていて、得意なんです。 メンズ工場によっては、取り扱えないところもあります。
─ 工場の選定にまで気を配ってつくられていることを聞くと、 このジャケットの奥深さがみえてきた気がします。
浅川 メンズの縫製に長けてる方がみたら、 違和感があるかもしれませんが、 今回は意図的にそういう空気感をだしています。 メンズのパターンからグレーディングして ウィメンズサイズに落とし込んでいますが、 境界線をあいまいにした中性的なデザインなので、 男女ともに着ていただけますよ。
─ 大柄で素朴な色味のチェックなので、 どんな方にも似合いますしね。 サイズ感はどうですか?
浅川 〈O2〉であつかうサイズ2は、 女性が着たらほんのりオーバーサイズ。 小柄の男性が着たらちょうどいいサイズ感。 それこそ男性でしたら、 ほかのジャケットの下に重ねて、 柄をのぞかせる着こなしもお洒落だと思います。
─ 腰に巻くだけでもアクセントになりますし、 いろんなコーディネートでたのしめそうですね! さて、つぎは、 ワンピースの話にうつりましょう。
浅川 はい。個人的に大好きなワンピースを ことしも変わらずつくりました。 一枚で完結するのが楽ちんですからね。
─ エア・スウェッツや夏のスキッパーロングドレスなど、 これまでにも浅川さんには〈O2〉のワンピースを 手がけていただいてきましたよね。 浅川さんのワンピースは ダボッとなりすぎずに品があるうえ、 とても楽な着心地でいつも感動しています。
浅川 ありがとうございます。 昔から立体的なものや クチュールっぽいものに惹かれるので、 今回はアシンメトリーでデザインしてみました。 つかっている糸のおかげで、 普段のアイテムに比べると きれいめな一着になっています。
─ たしかに佇まいが可憐でうつくしい。 どんな糸なのでしょう。
浅川 フィンクスコットン100%です。
─ いかにも品がよさそうな響き。
浅川 世界三大綿のひとつで、 貴重なエジプト綿の中でも とくに品質のいいものなんです。 繊維が長いので、光沢とぬめりとツヤ感があって、 高級なシャツに使われるような上質な生地です。
─ そんな贅沢な素材をえらばれた理由って?
浅川 私自身、取引先に訪問することが多くて、 相手にしっかりとした印象を与えつつも 自分自身は心地よく着られる一着がほしかったのです。 ならば、まずは上質な生地を、と思って。
─ ブラックの色合いもシックで、 大人の女性らしい印象も漂っていますね。
浅川 フィンクスコットンだと、 ふつうのブラックでもネイビーに似たやわらかさがでます。 漆黒にはならないので、 ブラックが苦手という方にも着ていただけるかと。
─ アシンメトリーのデザインについてはいかがですか。
浅川 紐の結び方次第で、 いろんな着こなしをたのしめるようにしました。 片側でキュッと結ぶのがいちばんスタンダードですが、 ぐるりと腰を一周して、 ウエストを強めにしぼることもできます。
─ より女性らしいシルエットになりますね。 横から見るとメリハリがついて、またすてき。
浅川 紐をなくして、 Aラインのワンピースにすることもできますよ。 紐の付け根のすぐ隣に ホールが空いているので、 そこに入れて内側から引っ張るだけ。
─ ゆったり着るのが好きな人は この着方がよさそうですね。
浅川 分量感も調整しているので、 ドーンとのっぺりした印象になる心配もありません。
─ Vネックだから、 全体的な表情もキリッとしていますよね。
浅川 モダンでシャープな印象ですよね。 とはいえ、深くはしすぎず、 かがんでもインナーなどが見えにくい絶妙な開き具合です。
─ 背中もVネックになっていて後ろ姿までうつくしいです。
浅川 モデルさんが着用されているのはサンプルなのですが、 実際の商品では背面にファスナーがつくので、 脱ぎ着もしやすいようになります。
─ 袖の開き具合も絶妙で、 いいかんじの抜け感。
浅川 このワンピースは脇のラインを まっすぐきれいに見せたかったので、 袖の開き具合も バランスを見ながら調整しています。
─ 丈感はどうですか?
浅川 サイズ0は150cm台の方、 サイズ1は160cm前半の方にちょうどいいですね。 フルレングスになるので、 コンサバに寄りすぎず、大人っぽい印象になります。
─ ディテールについて知れば知るほど、 先ほどおっしゃっていた、 「相手にしっかりとした印象を与えつつも 自分自身は心地よく着られる一着」が 体現されていることが実感できますね。
浅川 フレンチスリーブのワンピースって、 コンサバティブに偏りがちなのですが、 OLさんのような方はもちろん、 そうでない方にも着ていただける フレンチドレスになったらいいなと思っています。
─ まさにそういう一着です。 あと、浅川さんのお洋服で いつも「秀逸だなあ」と思わされるのは、 二の腕まわりの見え方。 隠すのではなくほどよく見えるスタイル。
浅川 二の腕って中途半端に隠すと、 角度によっては実際よりも太く見えるなんてこともあるので。 でも、冬中隠れていた腕を急に出すのは勇気がいりますよね。 だから、私は、 家のなかでノースリーブを着るようにしたり、 寒いうちからちょっとずつ慣れさせています(笑)。
─ このアイテムは発売が4月頭なので、 今から二の腕を鍛えて、 真夏には1枚で着られるように 引き締めていこうと思います!
Nikki ESSENTIAL PIECES
Summer Weight Over Jacket
¥48,400(税込)
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Check
Nikki ESSENTIAL PIECES
Finx Weather Cloth Asymmetry Dress
¥46,200(税込)
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Black