素材そのものが「かわいい!」 くるんと丸まったディテールの 強撚ウェーブヤーンに、 ニットワンピースとプルオーバーが新登場。

tsuki.s デザイナー 末永津喜子さん パタンナー 小澤花樹さん

予告06

じょうぶで使いやすくて飽きなくて、
きちんと上品だけれどリラックスできる。
いちど試着するとそのかたちのきれいさに
おどろく方もおおい、「tsuki.s(ツキドットエス)」。
ブランドの真骨頂ともいえる「強撚ウェーブヤーンニット」を
つかった冬の新作が、今年も届きました。
手仕事の雰囲気をのこしたレディスのニットワンピースと
男女兼用でつかえるニットプルオーバーの2型です。
この「強撚ウェーブヤーンニット」は、
10年以上着ても毛玉ができなかったというひともいるくらい
丈夫な素材なんですよ。
デザイナー末永さんとパタンナー小澤さんにうかがった
ものづくりについての詳しいお話、ぜひお読みくださいね。

末永 津喜子(すえなが つきこ)

糸会社にて編物講師、ニットテキストのデザインを経て、
大手アパレルのニットデザイナーとなる。
2011年に自身のブランド tsuki.s を立ち上げ
現在にいたる。

小澤 花樹(おざわ はなき)

美術大学で版画を学んだ後、
アンティーク着物の販売やアパレルでの経験を経て、
tsuki.sの立ちあがりを共に手伝い、現在にいたる。

――
「冬のtsuki.sといったらこれ!」っていうくらい
ファンも多い生地「強撚ウェーブヤーンニット」で、
今年はあたらしくワンピースとプルオーバーが登場します。
末永
この素材はいろいろなことをためしても
かわいくなってくれて、
tsuki.sではずっとつかっている素材になります。
――
昨年、同じ糸をつかったニット
販売させていただきましたが、
たくさん着ても毛玉はまったくできないし、
シャリっとした独特のタッチで、
「これほんとにウール?」とおどろくほどの肌ざわりです。
末永
それを今回は天竺編みでつくってみました。
――
まず、ワンピースからうかがってもいいですか。

▲tsuki.s レディス
強撚ニットワンピース

末永
この強撚糸は、はしを編みっぱなしにしても
クルクルっとなってかわいいので、
これでワンピースをつくってみたいって
思ったのがはじまりです。
――
くるんと丸まっているのが、とってもかわいい。
末永
ふつうはリブをつけたり、
バインダーにしたりといろいろあるんですが、
クルクルをひとつのデザインにしちゃおうと。
――
なんか素朴なふんいきで、
親しみがあっていいんですよね。
小澤
へんに柄を入れたりしたくても
じゅうぶんに陰影がついて表情があるから
編地の表現力だけで勝負できるんですよね。
――
首のところもクルクルっとしていますが、
なぜかへたらず立っているのがふしぎ。
末永
首にそうように根元あたりの編み目の強さを
段階的に調節しているんですよ。
――
へぇー! 
末永
そこだけつよめに編んでいるんです。
ボディと同じような編み目でいくと
ブカブカになったりするので、
編み機のダイヤルをきつめにしているというのはありますね。
――
身ごろと首で、編み目の強さを変えているんですね。
末永
すそのところもそうなんですよ。
身ごろと同じゲージですそまで編んでいくと
すごい波打っちゃうんですけど、
すその手前で2、3段編み目をきつくしています。
――
わぁ、よく見ると編み目が細かくなっている。
仕事がていねいでこまやかです‥‥!
末永
細かい指示にいつも応えてくださる
工場さんのおかげです。
――
そうなんですね。
末永
今回のニットのように、編み目のゲージを
途中で変えるのは難しいです。
このニットは手動式横編機という
編み機をつかって量産しているので、
こういう調整が可能なんです。
やっぱり人の目で見て、
機械が編むとしても、調整を手作業でやっているから、
こまかいところまでいきとどくんだと思います。
――
アナログ的であるからこそ
親しみやすさにつながるんですね。
小澤
かたちは肩をちょっと落としてドロップショルダーに。
身幅もゆったりとったので体の線をひろわず、
リラックスしたここちで
着ていただけるんじゃないかと思います。
――
サイドにスリットが入っているのも
かわいらしさに女性らしさがくわわっていて、
外着としての印象も高まるポイントです。
末永
ワンピースの下にパンツをはいたり、
ベルトでウエストマークしてみたり、
いろんな着かたをたのしんでいただけそうです。
――
色もtsuki.sらしいニュアンスのある、
思わず「いい色」って言ってしまうような
3色をご用意いただきました。
末永
スモーキーなピンクは大人の方が着られるようなピンクに。
――
ピンクでこんな色も出せるんですね。
ピンクと聞くとしりごみしそうですが、
これなら抵抗なく着られそう。
末永
淡くくすんだブルーはちょっとはかなげに。
そして、わたしがだいすきな焦げ茶色の濃いビター。
男っぽい色ですが、落ちついていて、
ちょっとかしこそうにも見えたりして。
――
ほんと、どれもきれいな色ですよね。
末永
わたしもはやく着てみたいですね。

▲tsuki.s ユニセックス
強撚ニットプルオーバー

――
こちらも、くるんと丸まったディテールが
ポイントのプルオーバー。
男性でも女性でも着ていただける
ユニセックスなデザインです。
末永
毎シーズンこの「強撚ウェーブヤーン」をつかって
セーターをつくっているんですが、
あたらしさをくわえるなら、
ふつうの機械ではできないことをしようと思って、
“くるん”をこちらにも取りいれました。
――
首もと、そしてすその真ん中らへんが
クルクルっとなっていますね。
末永
ふつうそこもリブをつくりそうなところなんですが、
このまま編んでいったらどうだろうと思ってやってみたら、
首もとがふんわりした感じになってうまくいきましたね。
――
リブだけだとスウェットっぽくも見えて
ちょっとスポーティな印象がつよまりますもんね。
末永
そうそう。
ぎゃくに編みっぱなしだけでもゆるすぎてしまうので、
肩のヨークの部分をリブ編みにして。
小澤
リブがあると伸縮性もよくなるので、
着やすくて動きやすくもなります。
末永
最初はメンズだけで考えていたんですけどね。
できてみたら女性でも着られるような抜けた感じもあって、
男女関係なく着られると思います。
パートナーと共有したりもできそう。
――
リブの男らしさ、編みっぱなしの女らしさ、
どちらもあわせもったようなたたずまい。
末永
いがいとこのあいまいな感じが出せて、
いいバランスに落とせたかなって思います。
小澤
いまの時代に合わせたような
強撚ニットのあたらしいかたちです。
末永
しぜんな伸縮性でぎゅんと伸びてくれるので、
体格のいい方でも
締めつけるといった感じはないと思います。
――
色はワンピースと同じなのが
ブルーグレーとビターで、
ナッツがワンピースにはないカラー。
ナッツというひびきだけで
どんな色か想像するのもたのしい!
末永
名前を考えるの、いがいと時間かかるんですよー。
小澤
食べ物の色からとることが多いですよね。
末永
ビスケットとか、トマトレッドとかね。
――
すてきです!
食べ物のイメージでふわっとその色が想像できて、
選ぶときの気分も上がりますね。

(おわりです)

tsuki.sレディス
強撚ニットワンピース
各¥42,900(税込)

tsuki.sユニセックス
強撚ニットプルオーバー
各¥38,500(税込)

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