おばあちゃんのクローゼット。

GRANDMA MAMA DAUGHTER デザイナー 宇和川 恵美子さん

予告01

〈O2〉がデビューして以来、
毎シーズン好評をいただいている「ロータスシリーズ」。
なめらかな着心地と、ひと目でわかる品の良さが魅力で、
リピーターになってくださる方がふえています。
京都に本店を持つ人気ブランド、
グランマ ママ ドーターの宇和川恵美子さんと
意見をだしあいながら、
いっしょにつくるこのシリーズ、
秋冬に活躍する「Vライトプルオーバー」
「ロングスリーブTシャツ」にくわえ、
ことしの秋は、新作の「ハイネックシャツ」も登場します。

これまでも幾度かコンテンツに登場していただいた
宇和川さんですが、ふと、思いました。
私たち、あんがい、宇和川さんのことを知らないなあ‥‥。
いつもどんな場所で、どんなふうに、ものづくりをしているの?
ものづくりの原点は、いったいなに?
宇和川さんのことをもっと知りたい!

そこで、京都のアトリエにうかがって、
あかるい光が差し込むなかで、お話をききました。

宇和川 恵美子(うわがわ えみこ)

セレクトショップの店長、バイヤーを皮切りに、
海外ブランド向け素材の企画・プロデュース、
アパレルブランド製品の企画・生産などの業務を経て、
2010年、
自身のブランド GRANDMA MAMA DAUGHTER を設立。
祖母から母へ、娘へと受け継がれていく
洋服作りをコンセプトに、
ユーザー目線を反映したゆきとどいた製品づくりで
人気を博している。

「いつか着たいな」という思い。

──
宇和川さんとは、〈O2〉がスタートしてから
4回、一緒にお仕事をさせていただきました。
これまでのインタビューでは、デザインしていただいた
商品にまつわるお話を中心にお聞きしきましたが、
宇和川さんのものづくりの原点は
どういったところにあるんだろうと
知りたい気もちがふくらんで、
今日はうかがいました。
宇和川
ありがとうございます。
わざわざ京都まで足をはこんでくださって!
──
先日TOBICHI京都でイベントをおこなったとき、
宇和川さんのお母様もいらしてくださって、
とてもおしゃれで品のある方だなあと‥‥。
それで、ハッとしました。
おふたりが並んだ姿が、まさに宇和川さんのブランド名の
「グランマ ママ ドーター」をあらわしているようで。
宇和川
似ていましたか?(笑)
──
似ているけれど、
おふたりそれぞれ凛としたスタイルがあって、
すてきに見えました。
洋服が好きになったのはおかあさまからの影響も?
宇和川
そうですね。
小さいころから母や祖母のクローゼットを開けては
「いつか着たいな」とあこがれの目でながめていました。
大人になってようやく着られるようになってから
母と祖母が持っていた服をもらって着ていたんです。
──
そんなふうに思える「おしゃれの先輩」が
家族にいたなんて、なんて幸せな!
しかもそのことは、
「グランマ ママ ドーター」の
三代で着られる服というコンセプトに
つながっていくように思えます。
宇和川
そうなんです。
ある日、うちの社長から「その服どこの?」と聞かれて、
「おばあちゃんのおさがりです」って答えたら、
「ものをだいじにして、また何十年か経って
着てもらえる服はしあわせだよね」って
言ってもらいました。
ブランドを立ち上げたとき、
どんな名前にしようかと考えているなかで、
そのことを思い出して、
そんなふうに長くかわいがってもらえる服を
つくりたいと思って、
「グランマ ママ ドーター」と名前をつけたんです。
──
そうだったんですね! 
ちなみに、そのとき宇和川さんが着ていたのは、
おばあさまの、どんな服だったんでしょう?
宇和川
金茶色のスエードのコートです。
祖母が自分のサイズで仕立ててつくったものでした。
ていねいな手仕事を感じるつくりで、
ボタンも革なのにくるみボタンでかわいいんです。
──
おばあさまがたいせつに着て、
きれいにとっておいてくださったから、
時を経ても着ることができたんですね。
宇和川
はい。いまもたいせつにしています。
──
祖母から孫へ、洋服を‥‥。
グランマ ママ ドーターの服は、
どこかなつかしくて、でもあたらしさもあって、
世代を超えて受け継がれていくだろう
普遍性があるように思えるんですが、
それは宇和川さんのそんな原体験から
生まれているのかもしれないですね。
宇和川
そう言っていただけるとうれしいですね。

「いっしょに考える」というスタイル。

──
早いうちから、
洋服のデザイナーになろうと思っていたんですか?
宇和川
いいえ、洋服関係の仕事には
つきたいと思っていたんですが、
加藤(※)が、
小さいお店をはじめるから
人を探しているというのを人づてに聞いて。

※加藤博さん。宇和川さんの夫で、
メンズブランド「カトー」の創設デザイナー。
(現在は退任)
──
人づてに。直接じゃなかったんですね。
宇和川
そうなんです(笑)。それで、
お店をイチからつくるのもおもしろそうだなと思って
参加することにしたのがはじまりです。
でも最初からデザイナーというわけじゃ、
なかったんですよ。
小さなお店で、接客から仕入れ、
加藤の仕事の手伝いまでいろいろとやっていましたね。
──
デザインは、いつから?
宇和川
加藤は、海外からの依頼で
服のデザインをしていたことと並行して、
カトーのブランドでジーンズをつくっていたんです。
デザインは、そこからですね。
──
メンズウェアからだったんですね。
宇和川
はい。そのうち、
レディスもあったらいいね、という話があがって、
それをすべて任されることになりました。
でも当時、洋服に関する知識はあまりなかったので、
働きながら覚えていった感じです。
──
つまり、ブランドを立ち上げるところから、
デザインをすること、生産管理をすること、
もしかしたらお店の経営や、
接客まで、経験のあるなしにかかわらず、
すべてやられたということですか?!
宇和川
そうですね。
‥‥あ! 加藤が海外で
日本の生地をプレゼンテーションする
お手つだいもしていました。
まず日本の生地の産地に行って、
次のシーズンに出したい生地を選んでブックにまとめて、
海外のお客さまのところへ提案しにいくという仕事でした。
あれはすごくおもしろかった。
お話ししていたらどんどん思い出してきました(笑)。
──
なんて忙しい‥‥。
それは、きっと、生地にもくわしくなりますね。
宇和川
はい。好きなことなので興味があって、
もっと知りたいって思えたから
すんなり知識を吸収できたように思います。
──
これまで宇和川さんとTシャツやタンクトップをつくる際、
いろいろなお願いを聞き入れてくださいましたが、
今回のハイネックもこちらからの要望を
すっと受け入れてくださったり、
宇和川さんからの提案もあったりと試行錯誤したのち、
さいごはみんなが納得するかたちにできあがりました。
宇和川
チームでつくった感じがありましたよね。
──
それがすごくたのもしく、心づよいなって。
宇和川
いえいえ、こちらこそです。
──
「デザイナー」という職業のかたは、
まず自分がつくりたいものを
追い求めて具現化するっていう
勝手なイメージがあったんですが、
宇和川さんはいっしょに考えながらつくってくださいます。
宇和川
できあがりがすてきであることがいちばんの目的なので、
より良いものをつくるためには、
みなさんが「こうしたい」という意見をくみとって
まとめていくやり方がいいと思っています。
根底には自分が「やりたい」と思う
デザインの種があるんですが、
着地点はどこなんだろうと
みんなで探しながらつくることが好きなんです。
──
「やりたい」と思うアイデアは
どこから生まれてくるんですか?
宇和川
なんでしょうね。
じぶんでもよくわからないんですが、
日がな一日考えごとしているような感じで、
家で洗い物をしているときとかに、
なにげなく思いつきます。
机にすわって「やってやろう」
と意気込んで考えるよりは、
ふとひらめいているような気がします。
街で見かけたあの人が着ていたあの服の色が
すてきだったなあ、
って思ったことがヒントになったりして。
──
アイデアを「無理して出す」ということではないんですね。
宇和川
いまは、そうですね。以前は
「勉強しないといけない、
引き出しを増やしていかないと」
って切迫感がありましたが、
今は自分を追い込まずに
ふっとアイデアがわいてくるのを待つ、
そんな感じです。

京都にいる、ということ。

──
宇和川さんがつくる服にある
「なつかしさとあたらしさ」は、
お聞きしたような生い立ちや環境もあると思うのですが、
京都という土地柄も関係しているのかなって。
伝統や格式をだいじにされているという意味で。
宇和川
そうかもしれませんね。
都会の真ん中にいるわけではないからでしょうか、
流行の最先端を追いかけてはいないし、
つねにあたらしいものを取り入れようという
感覚はあまりないです。
ふだんこういうのんびりした場所にいるので、
たまに東京に行くのも新鮮ですし、
旅行先でいろんな情報が入ってくるのがすごくたのしくて。
そういうところで刺激を受けたことを持ち帰って
服づくりに生かしているんだと思います。
──
デザインしていただいている〈O2〉のシリーズの
「定番」というお題に対しても、
いつもいいボールを返してくださっています。
宇和川
定番ってすごくむずかしい。
ずっと着つづけてもらいたいと思いながらも、
ふつうすぎるとつまらないし、
でもちょっとキュンとくるポイントを入れたい。
──
その押し引きのバランスが絶妙だなって思います。
そこになぜ気づくことができるのでしょう。
宇和川
これまでいろんな経験をさせてもらって、
いろんな失敗もしましたし、うまくいったこともあります。
たくさんの場数をふんで得た経験値があるから
気づかせてくれるのかもしれません。
──
経験が糧になっている。
宇和川
メンズの服づくりを経験したことも大きいと思います。
ステッチの幅ひとつでフォルムが変わるとか、
厚手の生地を縫うには何番手の糸がいいとか、
レディスの服をつくるときにふつうなら手をかけない
マニアックな部分や意匠を学ばせてもらったと思います。
──
知らなくておおざっぱにつくるのと、
男女の服づくりのちがいをわかったうえで
つくったものとでは、
見え方がきっとちがってくるんでしょうね。
だから、宇和川さんの服には女性らしさもあるけど、
きりりとしたシャープなつよさもある。
宇和川
その経験は今でも役に立っていると思います。
でも、それは終わった過去ではなく、
まだまだ経験しているさなかですけどね。
──
そんなふうに言える宇和川さんが、
これからもどんな服を見せてくださるのか
たのしみにしています。
きょうはありがとうございました!
宇和川
こちらこそ、ありがとうございました。

(おわりです)

レディスVライトプルオーバー
各¥10,010(税込・配送手数料別)

カジュアルすぎて垢抜けないイメージのスウェットを、
女性が着たくなる、かわいいアイテムにチューニング。
秋冬の着こなしをたのしくしてくれる新色2色が仲間入りです。

ロータス レディス
ハイネックシャツ
各¥7,700(税込・配送手数料別)

一枚でもアウターとしても成り立つハイネックシャツ。
裾にかけてやや広がるAラインのシルエットや、
ほどよく首に寄りそうフィット感、女性らしく見える袖丈など、
何度も試作をかさね、できあがりました。

ロータス レディス
ロングTシャツ
各¥7,150(税込・配送手数料別)

まるでブラウスのような感覚で着られる、
女性のためのロンTです。
「ロータス」の上品な素材感と抜群の肌ざわりは、
秋冬のインナーとしても、おすすめです。

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