ゴールドウインの畑野さん、秋冬のMXPを語る 手と手を近づけたときの、 自然なあたたかさがつづきます。

株式会社ゴールドウイン 畑野 健一さん

宇宙飛行士のための下着がもとになった強力な消臭機能と、
シンプルかつうつくしいシルエットで評判の「MXP」。
秋冬バージョンはさらに保温機能がプラスされ、
着ているあいだ、ずっと自然なあたたかさがつづきます。
MXP事業を統括する、株式会社ゴールドウインの
畑野健一さんにくわしいお話をうかがいました。

畑野 健一(はたの けんいち)

「ellesse」ブランドの営業職や企画開発を経て、
自社ブランド「MXP」のブランド立ち上げを担当、
商品の企画開発を中心に携わる。
現在は「THE NORTH FACE」ブランドの
KIDS事業を担当しながら「MXP」の企画を兼務している。

「吸湿発熱」だと、あたたかさがつづかない

今回紹介させていいただく
「LUXCELL WARM(リュクセルウォーム)」は、
秋冬用のMXPのひとつで、
マキシフレッシュの消臭機能を持った、
うすくてあたたかいアンダーウェアのシリーズです。
ひとくちに「あたたかい」といっても、
よくあるあったか系インナーとはメカニズムがちがいます。

多くの防寒系のインナーで採用されているのは、
「吸湿発熱」のしくみです。
人は冬の時期でも、
1日あたりで2リットル近い水蒸気を放出していて、
これを繊維が吸ったときに出る熱量で、
だいたい3℃くらい上昇します。
それであたたかさを感じるんですね。
ただ、繊維がいったん水を含んでしまうと
発熱が止まってしまいます。
反応がはじまっておよそ5分で、発熱がゼロになります。
ですから、着た直後はあたたかいのですが、
あたたかさがつづかないんです。

人が発する遠赤外線で「保温」する

このリュクセルウォームシリーズのアイテムでは、
「光電子サーマスタットマキシフレッシュ」という
特殊な糸を使っていて、このあたたかさの仕組みは、
人から出ている遠赤外線を利用しています。
実は、人のからだは遠赤外線を発していて、
それがすぐにわかる方法があります。
手と手を、ふれるかふれないかの距離に近づけて
しばらくそのままにしてみてください。
じんわりあたたかくなるでしょう?
これが、人が発している遠赤外線です。
遠赤外線が「光電子(こうでんし)」という
セラミックを粒子状にしたものに当たって反射するときに、
より熱量を多く返すというのがおおまかなメカニズムです。
光が鏡に当たって反射する原理を
イメージしてもらうといいんですが、
遠赤外線の波長が、粒子に当たると
振り幅を大きくして熱を輻射します。

ふつうの防寒用のカットソーと大きくちがうのは、
人が発している遠赤外線を、鏡のように反射して返すので、
時間が経過しても効果がなくなるということはありません。
1℃から2℃くらいあたたかい状態が、ずっとつづきます。
ぼくたちはこれを「発熱」ではなく「保温」と呼んでます。

お風呂あがりのポカポカがつづく

たとえば、電気ストーブの前で
手をかざしているところを想像してください。
近くにいるときはすごくあたたかいんですが、
ほんの数メートル離れただけで、急に寒くなりますよね。
これが吸湿発熱の特徴です。
つぎに、お風呂に入ったところを想像してみてください。
しっかり湯船につかってから上がったときって、
しばらくポカポカしているので、
そんなに厚着しなくてもだいじょうぶですよね。
これが光電子のメカニズムです。
血流がよくなって、体温が高い状態を維持してくれます。

実はこのリュクセルウォームでは、
ちょっとよくばりなことをしていて、
生地に吸湿発熱効果のあるアクリルも入れています。
着た瞬間にあたたかく感じられて、
そのあとずっと保温もできるという、
いいとこどりをしています。

あたたかいうえに、汗をかいてもにおわない

光電子には水分を分解する機能もあって、
蒸れた状態でも汗になりにくいんですが、
もちろんマキシフレッシュの効果があるので、
汗のにおいをしっかり消臭してくれます。
夏場はだれでもにおいに敏感になりますが、
冬になると、あまり気を使わなくなりませんか?
でも、アウターが機能的に進化しているし、
暖房がきいている場所も多いので、
寒い時期でも意外と汗をかきます。
そういうシーンでも、リュクセルウォームは
役立ってくれると思います。

アンダーウェアとしての着ごこちも考えて、
肌ざわりのいいレーヨンを使っているので、
さらりとしたやわらかなタッチです。
うすくてもしっかりあたたかく、
肌ざわりもいいというのが特長です。

(おわりです)

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