ほぼ日の塾から生まれたコンテンツ。
このコンテンツは、「ほぼ日の塾 実践編」で塾生の方が課題としてつくったコンテンツをデザインし直したものです。
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旅を終えて。

就活は、楽しかった。

面接で
「就活が楽しいんです」
と言った時、まだ一つも内定を
もらっていなかったから、
「就活は、楽しい。」は
就活で成功をおさめた者の
美化された思い出の感想ではない。

就活をしている最中も楽しかったし、
終えた今も、楽しかったな、と思っている。

だけど、ある意味当然だけど、
すべて楽しかったわけではない。

大変なこと、つらいこともまあまああった。

自分に長所なんてあるのか、
自分に内定を出してくれる会社なんてあるのかと、
自己分析をしながら卑屈になってしまったこと。

(でも、自分がどんな人間で、どんな企業に入って
どんな仕事がしたいか、くらいはわかっていないと
就活は楽しめないな、と思う。)

3月になった途端、スケジュール帳が
就活の予定でびっしりになってしまったこと。
(オレンジで書いてあるのが就活の予定)

関東だけど、首都圏路線図には載っていない
微妙なところに住んでいるので、
毎日、それなりに早い時間に、
それなりに高い交通費を出して
都内に出なければならなかったこと。

志望度が高かった会社から
一番最初の書類選考で祈られたこと。

60分間、3人の面接官から
ピクリとも笑われずに面接したこと。‥‥
 
そんなことを思い出すと、
もう就活なんてやりたくないな。とも思う。
でも、やらない方が良かったとは
まったく思わない。
楽しかったから。 
 
楽しかったのは、楽しめたのは、
いずれ終わるとわかっていたから、というのも
あると思う。

「就活」は、
いずれ終える時が来る、
人生のうちのほんの少しの時間の中で、
自分がこれから何をして生きていくかを考え、
たくさんの人とたくさん話をしながら、
自分の理想を探す旅だった。
新しい自分に出会えた。
就活をしなかったら、出会えなかった自分に。
 
旅は、いつまでも続くものじゃないから楽しい。

いつか日常に戻る日が来るのがわかっているから、
旅を全力で楽しもうと思う。

平凡な日常があるから、旅はもっと楽しくなる。

ガイドブックなんか読んで、
準備をしてから行くと、より楽しい。
でも、行き当たりばったりで、思いがけず
とっても嬉しい出来事に遭遇したりもする。

就活も、それと同じだった。

就活という旅を終えた今の感想。
「楽しかった。
でもちょっと、旅にしては長くて
疲れちゃったなあ。
しばらく、家でぼーっとしていたいなあ。
でも、日常生活に戻らなくちゃなあ‥‥」

そう、日常に戻らなくては。
 
大学卒業後、15年間住み慣れた関東を
離れることにしたわたしは、
まずは冬の提出に向けて、
卒業論文に取り組まなくてはならない。

ちょっと一呼吸おいて、
就活で探した自分の理想を現実にするために、
また、日常に戻っていく。

(おわります)
2016-09-13-TUE