社長に学べ!

盆暮れ正月で100倍

安森 あとね、筑波西武にいたときの思い出で
おもしろかったのは、カードを紹介したとき。
糸井 デパートのカードですね。
安森

そう、やっぱりね、大きくて立派な家から
回っていくわけです、セールスマンたちは。

そうすると、人口が30万人だったら、
そうだなぁ‥‥
だいたい300件くらいで止まっちゃう。
糸井 数字にすると、やたらリアルですね。
安森 それ以上は、なかなか難しいんです。
糸井 へぇー‥‥そうなんですか。
安森 でも、あるとき、うちのセールスマンがね、
地元の言葉で表現すると、
「お兄さん、おめえ本家行ったか?」って
聞かれたらしいんですよ。
糸井 本家。
安森

こっちはね、本家も分家もわかんないから、
お金を持ってそうな家から当たってるわけです。

でも、彼らが言うにはね‥‥
まずは本家に行かないとダメらしいのね。
糸井 うん、うん。
安森 そんなこといわれてたってさ、
土地カンもないし、
どれが本家なんだかわかんないでしょう?
糸井 それは、わかんないですね。
安森

「本家」というのは、
「大きな木」を持ってるお宅なんだって。

その集落のランドマークになるような‥‥。
糸井 はぁ‥‥おもしろいですねぇ!
安森 知らないでしょ、そんなの。
糸井 知らない、知らない。
安森

だからね、さっそく、
「大きな木」のある家を訪ねて行って。

遅ればせながら、お店を建てましたと。
つきましては、このようなクレジットカードを
ご紹介させていただいております‥‥ってね、
ご説明差し上げてまわった。
糸井 そしたら?
安森 300件だったカード入会数が、3万に。
糸井 え! 100倍?
安森 盆暮れ正月で、あっと言う間のできごと。
糸井 すごい話ですね。
安森

うん、これはね、びっくりしましたよ。

「本家がゴールドだったら、
 オレんとこもゴールドだよな」とか。

「なに、分家がゴールドなんだったら、
 ウチは‥‥もっと上ないのか」とか。
糸井 なるほどねぇ。
安森 だから、お客さまはどこでも同じなんだけど、
ぼくらの「仕事のやりかた」については、
その土地土地で、やっぱりいろいろあるんです。
糸井 「信頼関係」の築きかたも違ってくるんですね。
安森 そう、でも、いったん信頼を築き上げられたら、
そのあとは、それほどの苦労はない。
糸井 なるほどねぇ‥‥それも
「本家に行かなきゃダメだよ」って一言から。
安森 それがなければ、思いつきもしなかった。
糸井 なにか「消費行動」とかって言って
わかったふりをしちゃいがちですけど‥‥、
それって発想が完全に「都市」だね。
安森 そうそうそう。
糸井 おもしろいなぁ。
安森

だからね、そのときにね、ようやく
あの糸井さんのコピーのことばを、
実感できたんですよ。

「お役に立ちたい。筑波に住みたい」って
こういうことなんだなって。
<続きます!>
2008-08-11-MON
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