ほぼ日刊イトイ新聞

諸君、緊急企画である。
ある日、私はこんな話を耳にしたのだ。
ほぼ日乗組員の「ちょう」が
かねてからの夢だった
ウィンブルドン選手権の観戦に行くらしい。
そう、テニスの四大国際大会のひとつ、
歴史あるあの「ウィンブルドン」である。
しかも、試合のチケットは現地調達。
ウィンブルドンの古式ゆかしい様式にのっとり
「寝袋持参で前夜から並ぶ」
という方法で入手する予定らしい。
むろん、完全にプライベートな話である。
しかし、この話は、あまりにもおもしろい。
そんなことを会社の同僚が実行するとは
思わなかったので、私はビックリした!
あ、申し遅れた。私というのは
ほぼ日乗組員の永田です。

そんなわけで、急遽ページを立ち上げた。
仕事ではないから、ちょうは原稿を書かない。
むしろ、書いてはならぬと言った。
(仕事になっちゃうからね)
ただ、並んでいるとき、ヒマ潰しに
写真でも送っておくれ、とお願いした。
それをときどきこのページにあげて
「ウィンブルドンの列に並ぶ同僚」を
おもしろがってみたい。
ていうか、ウィンブルドンで並ぶ様子って
実際、どんな感じか見てみたい。

というわけで、かなり見切り発車だが、
こんなページを立ち上げてみた。
行き当たりばったり上等とはこのことである。
果たして、ちょうは、ウィンブルドンの
チケットを入手して観戦できるのか?
乞うご期待! 否!
あまりご期待してはならぬ。

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2014/06/26 19:06
すごい!

おそらく、これが、
観戦前の最後のレポートでしょう。
ちょうの手元に、
ついにセンターコートのチケットが!
それが、なんと‥‥。


「永田さん、みなさん、
 センターコートの座席指定チケットがとれました。
 席!! 大変なことになってます!!
 キュー仲間とひとしきり喜びを噛み締めました。

 当日でも十分入れるのに
 なんでキャンプするんだろと思ってたのですが、
 ようやく理解しました。
 席数の500ずつ以内に入れば席は取れる。
 朝起きたらすぐに入れてもらえる。しかもこの席。
 
 ウインブルドンの運営や仕組みは
 本当に素晴らしいです。
 公平で気持ちがいいです。

 では本当にしばらく失礼します。
 すみません、満喫して来ます。
 まずは18番コートから!」

あああ、すっごいですね。
単に、よい席であるというだけでなく、
願って、行動を起こした人に対して、
ちゃんと見合った結果が用意されている。
長い伝統のなかで整えられていくのか、
こういうシステムだから続くのか。

そして、ちょうさんの、
文字と文字のあいだから
よろこびかこぼれ落ちてきそうな
このレポート。
読んでいて、気持ちがいい。
同僚ですが、どうもありがとう、と言います。
それにしても、すっごい席だね、ほんと。

 


 
2014/06/26 18:31
入場!


「開門は10:30なのですが
 もう入場です!
 私の理解が正しければ
 選手の練習を見にいけるそうです。
 本当かな。
 さあ、最終日。充電が本当にわずか。
 ここでレポート途切れそうです。
 堪能して来ます!」

いってらっしゃい!
なにもかも忘れて
たのしんでらっしゃい!

 



 
2014/06/26 17:44
整列?

あとはいよいよ、入るばかり?


「リストバンドを手にして
 セキュリティが開くのをまっていると、突然
 『センターコートは右側に二列で並ぶように!』
 とスチュワードさんの声が。
 先ほどのエディさんはじめ
 No1コートのみなさんが、先に進みます。
 『No1のみなさん、真ん中二列に!』
 と誘導するスチュワードさんに続いて
 No2コートのみなさんが右側に入場。
 三つのコートはこうやって分かれていくんですね。
 ウインブルドンのキューは
 本当によく整理されています。
 それを見事に誘導するスチュワードさん、
 ちゃんとそれに従うキューワーたち。
 とても気持ちがいいです。」

わあ、いよいよですねー。
もう写真は届かないと思ったよ。
それにしても、
期待に胸をふくらませながら
わらわらと集まった人たちが、
威厳のある声にリードされて
いくつかのグループに分かれていく様子が
なにかに似てるなと思ったら、あれだ、
ハリーポッターの組み分け帽子!
「グリフィンドーーーール!!」
「シャラポワーー!!」

 




 
2014/06/26 16:42
センターコート、ゲット!

おおお、ついに!
みなさん、ちょうがやりました!


「なんとこの時間でセキュリティの前まで来ました。
 そして、リストバンドを持ったスチュワードさんが!
 前から順番に希望のコートを聞いて、
 リストバンドを巻いてくれます。
 念願のセンターコートです。
 みんなで喜びの記念撮影をしました。

 ナダル、フェデラーと続く
 センターコートを続々と指定する中、
 何とno1コートを指定する強者が。

 台湾のエディさん、
 今日No1コートでプレーする
 シャラポワの大ファンで、
 昨日からどっちを選ぶか
 悩んでいらっしゃいました。
 シャラポワへの想いを貫いた男前です。」

うわ、なんだよ、その連帯感。
そして、エディさんもかっこいいぞ。
ぜんぜん知らない人だけど、
あんた、男だよ、エディ。

関係ないけど、シャラポワが
ショットを打つときの独特のシャウトは
キツネの鳴き声みたいに聞こえませんか。
いや、キツネの鳴き声を
実際に聞いたことはないんだけど。
「ケーーーン!」

そしてちょうさん、あとはどうぞ
ウィンブルドンに没頭してください。
よかったねー、おめでとう!

 


 
2014/06/26 16:19
キューがもう動く。

もうしばらくそこで待機かなと思ったら。


「なんともうエントランスに向かいます。
 早い!
 この場所もさよならです。
 まずはセンターコートのチケットを取って
 18番コートに向かいます。
 どこまでレポートできるかわからないですが
 充電とwifiのある限りお知らせします。」

おおー、いよいよ!
レポートは無理しなくていいぞー。
もう、十分におもしろかったから。

 





 
2014/06/26 15:40
グッモーニン!

もう、純粋に、体験記としておもしろい。
みなさん、
朝のウィンブルドンの行列は
こういう感じなんですよ。


「朝6時になりました。
 スチュワードさん、
 本当に起こしに来てくれました。
 が、ほとんどみなさん起床済み。
 テント会場内には軽食が買える売店があって、
 コーヒーや紅茶、マフィンなどに
 また別のキューが出来ています。
 お茶を買ってもとの位置にもどろうとしたら
 何とお料理している
 つわものもいらっしゃいました。
 快く写真を撮らせてくださいました。
 まだまだ上には上がいます。」

はーー、そうなんですねぇ。
キューの朝ごはん用の売場にキューが。
おもしろいなあ。
ちょうさん、ばたばたしているなかに、
レポートをありがとうー。

 



 
2014/06/26 15:03
起床。

ちょうさんが起きたぞー。


「おはようございます。
 ただいま5:30。
 まもなくスチュワードさんが
 起こしに来てくれる時間ですが
 早めに目が覚めました。
 興奮で眠れないかも、
 といいつつしっかり寝ました。
 この場所もあと数時間。
 移動までゆっくり片付けなどはじめます。」

すばらしい朝ですね。
よい一日を!

 


 
2014/06/26 14:11
さらに読者メール

もうちょっと紹介しましょうかね。
たくさんのメール、ありがとうございます!


「ちょうさんからのレポートも
 皆さんのメールも
 ここ数日とても楽しみに拝見してます。
 この企画のおかげで、
 毎年テレビ観戦しているウィンブルドン、
 今年は少しまた違った気持ちで
 観戦させてもらっています。

 わたしもフェデラーの大ファンです。
 去年は友人がちょうさんと同じように
 並んで観戦をしていました。
 並ぶのはとってもきつそうだと
 思っていたのですが
 ちょうさんのレポートみていると
 なんだかとても楽しそうで
 永田さんと同じく、うらやましくて
 しかたなくなっています。
 夜食もって今すぐとんでいきたい!

 フェデラーファンならみんな、
 一度でいいから芝での彼のプレーを
 生でみてみたい、という
 夢を持っていると思います。
 ちょうさんはいよいよもうすぐ!
 その夢をかなえるんですね。

 今夜はWOWOWで錦織くんと
 フェデラーの試合を放送してくれるので
 フェデラーのプレーとちょうさんの観戦ぷりを
 テレビ観戦するのが楽しみです!

 ちなみに一度生観戦をすると、
 『一度でいいから!』とおもっていたはずが
 『またみたい! もう一度みたい!』と
 欲望は果てしなくなっていきます。
 次回のちょうさんの観戦記も
 こっそり期待してお待ちしております。
 (のい)」


「突然入院になってしまって超ヒマということもあり、
 ドキドキしながら更新を楽しみにみています。
 すごいなあ、フェデラー、ナダル、
 錦織選手の試合を一日で観れちゃうのか。
 しかも憧れのウインブルドンセンターコートで!
 病院では地上波しかみられませんが、
 こっそり夜中にテレビ観戦したいと思います。
 ちょうさんおめでとう!
 しっかり休んで楽しんでくださいね!
 (みずき)」


「ちょうさんのウィンブルドン、
 楽しく拝見しています。

 りかさんが見つけた錦織圭選手観戦中の
 ちょうさんの写真に、なんと
 ロンドン留学中の甥っ子も写っていました。
 サッカー青年なのに、
 まさかこの時期テニスに行ってるとは。

 錦織選手とのツーショット写真を送って来たので、
 まさかと思いテレビ画面の写真を見返したら、
 映り込んでいました。
 やっぱり、がんばって並んだそうです。
 ますます楽しくなりました。
 (りろりろりん)。」


「この企画いいですね。
 趙さんすてきです!
 『やりたいことはどうやったら
 出来るかを考えるべき』
 本当にそうですね。
 でもテントで並んで入るなんて衝撃‥‥。

 ラグビー好きの我々夫婦にも目標があります。
 『2015年のラグビーワールドカップ
  (イギリス)を見に行く」
 『ニュージーランドで
  オールブラックスの試合を見る』です!!

 世間はサッカーワールドカップ一色ですが、
 実はいま、ラグビー日本代表が
 史上最強と言われているのです。
 先週土曜日には、初の代表戦10連勝を達成し、
 ランキングは全102チーム中過去最高の10位に!!

 すみません、熱く語ってしまいました。
 では、趙さんレポート、がんばってください!
 (ルリ子)」

すべてご紹介できず、すみません。
ちょうも、帰って来てから
すべて読むと思います。
ありがとうございます!

ちなみに今回のかわいらしいイラストは
キティちゃんが大好きな
わかたが描きました。
どことなくサンリオっぽい仕上がりです。

 


 
2014/06/26 13:53
メール紹介

たくさんメールが届いています。
何通か、紹介しましょう。

「わー、びっくりな企画が。
 昨年行きました!! 並びました!
 夫の出張について行った時期が
 たまたまウィンブルドンで、
 なーんの情報もないままに
 なんとなく夕方四時ごろ電車で向かったら、
 広大な広場の大行列に出くわして、
 そりゃあもうびっくりしました。

 受け取った整理券番号は12000番台。
 今日中に試合が見られるのだろうか?
 という疑問が浮かぶ中、後ろにどんどん伸びる行列。
 仕事帰りの人が並ぶんです。
 すでに色々な試合は始まっているけど、
 早く帰る人たちの券を、
 再度売ってくれるシステムなんだと理解して、
 のんびり芝生で待ちます。
 天気がよくて、空が青くて芝生は緑で、
 周りの人たちもお祭り気分で、
 もうなんだかフワフワした気持ちで、
 待ってる時間にわくわくが止まりませんでした。

 数時間後、ようやく敷地内に入ったものの、
 広くて、なにをどうしていいのかわからないまま、
 敷地の奥のチケット売り場まで行くと、
 ここでセンターコートの
 チケットが買えるとのことで、
 また少しならんで、
 あとはセンターコートにまっしぐら。
 ジョコビッチとトミーハースの試合でした。

 試合はすでに終盤で、
 わずか20分ほどの観戦でしたが、
 センターコートの真ん中、夢のような席で
 息を飲むような時間をすごしたこと、
 今でも忘れられない思い出で
 (豆腐)」


「在英中1980年代、
 高校生のときに母と1度並びました。
 朝からかれこれ、8時間。
 大好きなジミーコナーズの試合をみたいがために、
 ひたすら座って待ちました。
 インターネットもない時代。
 母と雑談してストロベリー&クリームを
 夢見てひたすら待機。
 なんちゃって電光掲示板にコナーズの試合経過、
 やがて結果が流れてきた光景は
 今でも記憶に刻まれておりますよ。儚い夢でした。
 でも当時無名だったEdbergのダブルス試合には
 間に合ったのを憶えています。

 思えばあらゆる「並ぶ」ことに対する
 忍耐を培ったのはこの日の経験からですね。
 スキなことにわくわくしながら待つって、
 いいですよね。
 (うさぎ犬。)」


「永田様
 錦織選手がマイケル・チャンを
 コーチとして迎えたように
 ベッカーはジョコビッチのコーチを務めています。
 フェデラーはエドバーグ、
 往年の名選手をコーチとしたトッププロは
 みんな更に力を伸ばしています。

 その先駆けだったマレーとレンドルは、
 つい数か月前に急にコンビを解消し、
 大きなニュースとなりました。
 ウィンブルドンが迫った今月始めに、
 トップの女子選手だった
 モレスモと組むことを発表したマレーが
 どんなプレーを見せるのか、注目されています。
 (さんそに)」

たくさんのメール、ありがとうございます!
ぜんぶ紹介できなくてすみません。

なお、今回の落書き‥‥いえ、イラストは、
とみたが「ネット際のボレー」を
テーマにして描いたもののようです‥‥
が、幼児がベランダでザル持って
遊んでるようにしか見えません。

 




 
2014/06/26 11:19
消灯。

ああ、日が暮れていく。
ほんとにここで一晩過ごすんだなあ。
がんばれ、ちょうさん。
そして、やっぱりうらやましい。


「テント生活も消灯の時間になりました。
 さっきまでおしゃべりなど
 盛り上がっていた人たちも、
 とっても静かになりました。

 私ももう寝ます。
 夜はとても寒いのですが、
 テントセット大変快適です!
 ではまた明日。
 最後の日、楽しみです!」

何通もメールをいただいています。
「私もがんばらなくては!」という
決意の声も多い。
いやあ、不思議な中継になりました。

寝られるかな、ちょうさん。

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