忘れられない「1000万分の1日」教えてください。

2024/01/23

火の玉とラーメン

前の職場ではたらいていたころ、
お昼休みにラーメン店に入りました。
ラーメンを注文して
なんとなく窓の外を見ながら待っていたら、
上から火の玉が落ちてきました。
おっ? と思って見ているうちに、
ぼたぼたぼたぼた、次々に火の玉が落ちてきます。
ガラス張りの店の外には次第に人だかりができて、
とうとう消防車もやってきました。

でも、店員さんはラーメンづくりに夢中で
外の騒ぎにはまったく気づいていないようす。
僕もラーメンを頼んでしまった手前、
店を出ていくこともできず、
同じ状況の隣の席のおじさんと
ときおり目を見合わせるばかりでした。

後から知ったのですが、
どうやら、店が入っていたビルの電飾看板が燃えてしまい、
溶けたパーツが火の玉になって落ちてきた状況だったようです。

ちょうど僕の元にラーメンが運ばれてきたとき、
消防士の人が店に駆け込んできて
「何やってんですか、早く逃げてください!」
と叫びました。
結局、ラーメンは食べられませんでした。

(おかむら)



火の玉を見る機会は早々ありません。
火の玉が落ちてきたら、
それなりにびっくりするはずです。
にもかかわらず、
おかむらさんのこの落ち着き具合、他人事感に驚きます。
火の玉の大した事ない感。
となりのおじさんとラーメンを作り続ける店員さんと
おかむらさんを想像すると可笑しすぎる。
まさに1000万分の1日。
落語みたいなこのエピソード、
めちゃくちゃ人に話したくなります。