前回の「BEGINNING」シリーズ、 そして今回の横尾香央留さんの 「いろんな刺しゅう」シリーズは、 タオルの地色を「ボタニカル・ダイ」 という手法で染めています。
「ボタニカル・ダイ」は、 植物の花、葉、茎、樹皮、果皮などから作った染料で 繊維に色をつける手法です。 もちろん、化学染料がうまれるずっと前から、 人は、天然の染料で糸や布に色をつけてきたのですけれど、 「ボタニカル・ダイ」の新しいところは、 従来の草木染めにくらべて、 鮮やかで複雑な色が出せることと、 そして、その色が、褪せにくいということ。 これは、ほんの少しの化学的な手法を使った、 ハイブリッド的な染め方をしているからなんです。
200くらいの色素がまじって、 ひとつの色をつくる「ボタニカル・ダイ」。 単色でも、独特な奥行きを生み出します。 化学的な染料では、赤なら赤で、一色ですが、 ボタニカル・ダイは、黄色、緑、青、ベージュ‥‥、 いろいろな色が入っていて、それが総合して赤に見える。 そして、自然物に入っている色でありながら、 人の目に見えない色も混じっていることで、 さらに深さや奥行きを生み出しているんです。
このボタニカル・ダイについて、さらにくわしくは、 染めを担当してくださった「シオンテック」の 菱川さん、小川さんに取材した記事があります。
ボタニカル・ダイ、古くてあたらしい染め。
ぜひあわせて、お読みくださいね。 |