「ちょっとぉー! ゆーなちゃん! あたし、ひとりで受け止めきれない!」 わたしに話かけるのは、 さんです。 救急箱を物色しながら。
どうしたんですか、りかさん?
「ハリーがね、突然大きい声で 『痛っ!』って言ってさ。 ほらー見てよー」
の方へ目をやると・・・。
たしかに、痛そうだ。
 「あっちの、ゴミ箱に ゴミを捨てようとしてぇ〜‥‥ はぁー痛ーーーーっ。なんでぇ〜‥‥」
なんてこったい。
人気のないフロアに、ハリーの痛そうな声と、 わたしたちの笑い声が、響きます。 はぁ〜びっくりした。 そりゃあ、ひとりで受け止めきれませんわ。 ねぇ、りかさん。
まあ、誰が一番びっくりしたって、
本人でしたけどね。
平和な夕暮れです。 ハリー、お大事に。 |