先日の夜のこと。 ひとけが減ったオフィスに、 ちーいさな音がした。
ケンケンケンケン‥‥
乾いた、高ーい音で
ケンケンケンケン‥‥
なんだろう? あたりを見回すと、 ひとりのおとこが、やや猫背に耳をそばだて 立っていた。 その男の名は 。
たまたま、乾電池と乾電池を 接触させたら、バリのヤモリみたいな トッケー(ゲッコー)の鳴き声に 似ていたそうで、 バリ気分になったんだそうです。 (ふつうは、”たまたま”電池と電池を 接触させないと思う‥‥)
「プラスとプラスですか?」 と質問してみたら、
 「そうね、プラスとプラスだね。 あ! ‥‥マイナスとマイナスのほうが ‥‥似ている!」
ひとけのないオフィスに、
と とわたしの笑い声が ひびきわたり、 トッケーの声は、かき消されたとさ。 |