落とし物の携帯電話を 無事受け取った は その後『ZED』を鑑賞、 感動をおぼえ、そのまま いい気分で帰宅しようとしていました。 すると、おもむろにこう言うのです。
「オレはサイフを無くした気がする」
‥‥‥‥また?
くるりときびすを返して 向かう先は、もちろんクロークです。
果たして、永田のサイフは クロークに、落とし物として 預けられていました。 永田は、用紙に「永田」と名前を記入して、 サイフを受け取りました。
クローク係の女性は、 こうおっしゃったそうです。
「一日にふたつも落とし物をして ふたつとも出てくるのは、 運がいいですね」
よかったね、永田さん。
ちなみに、この 「きびすを返して急いで走る永田」 の写真を撮るために わたくしは、大理石の階段で つんのめって転倒しました。 どっちかというとそっちのほうが 大騒ぎになっていたよ、と あとで冷静に言われたことを 付記いたします。 |