驟雨を予感させる 怪しい雲行きの夏の午後、 山口工務店が動き出した。 カッティングシートを カットする例のマシーンが唸りをあげる。
なんでも、
からの仕事を 受注したらしい。
 「いまね〜、 のれん作ってるんですよ〜。」
 「有り難うございます。 セッティングがはじまったら、 お声掛けください。 お手伝いしますから。」
 「これ使うの、明日ですか?」
 「はい、明日です。 しかも中継です。」
ところで、明日を前に 山下哲45歳は、 五十肩を発症したようです。
 「そうです。 セッティングがはじまったところで、 腕があがらないし、 重いものは持てません。 お手伝いというのは、 応援のことです。」
<つづく> |