「美しくね」

ある会社の保養所でアルバイトをしていた時の
女性上司のひと言。

お客様のお膳にお箸や食器を並べる、
レジのお札の向きを揃える、
トイレの備品を補充する時の並べ方‥‥。

全てにおいて「美しくする」と、
自分も相手も気持ち良く過ごせるし、
それ以上に、仕事のミスも少なくなると。

あれから20年経った今でも
仕事や私生活で役に立っています。

正社員として10年間、
会社受付をさせていただいていたころのこと。

来社されたお客様から

「こちらの会社は、来るのに何年か間があいても、
　廊下を曲がると、知った顔の笑顔の会釈がみえて
　ホッとするよ。
　訪ねるたびに受付さんが変わっている会社ばかりだからね。
　いい話で来るとはかぎらないから、
　まず、知った顔に会えて、ちょっとおちつくんだよ」

というおことばをいただきました。

プロジェクトリーダーになりたての頃。

取引先との現場でトラブルになって
取引先の担当の方がパニック。
つられるように私もあたふた。
その時に取引先の上司の方に言われたのが

「あなたがリーダーなのだから、
　あなたが慌てると
　ここにいるすべての人が慌ててしまう。
　起きたことはリカバリーすればいいのだから、
　まずは落ち着いて」

それ以来、何が起きても
慌てることだけは絶対にしないようになりました。

病院で働いています。
いつも忘れないようにしようと思っているのは、
新人時代に担当の方から言われた言葉。

「あなたいつもちょっと待ってって言うけど、
　あなたにとってのちょっとは
　私にはちょっとじゃないのよ」

今でも言われた瞬間の状況が目に浮かびます。
それ以来「相手の立場に立って」ということが
リアルに感じられるようになりました。
ありがとうございました。

昔一緒に働いていた、女性管理職の言葉。
「自分に恥ずかしいことをしない」

思うような成果が出せなかったり。
辛い立場に立ってしまった時に、
この言葉を思い出します。

人からどう思われようと、
自分で恥ずかしいことをしていなければ大丈夫、
そう思っています。

「ひとつひとつやればいいんじゃない？」です。

私はいろいろなことを同時平行でこなすのが苦手で、
いっぱいいっぱいになってしまうことが多いのですが、
ある日、旦那さんに仕事のことを相談していたとき、
そう言われました。

言われた通り、目の前のこと一つだけに集中すると、
いつの間にかたまっていた仕事が
少しずつ進んでいくのがわかって、
焦っていた気持ちも減っていきました。

仕事中、ときどきこの言葉を自分に言い聞かせては
気持ちを落ち着けています。

失敗をして、お客さまにも迷惑を掛けて
どん底に凹んでいた時のこと。

先輩に
「私って本当にダメなヤツですよねー」
と言ったら、

「そうやって凹むのもいいけどさ、
　何が失敗の原因だったか考えた方がよっぽどいいよ。
　凹むのと反省は違うからね」

と、ビシっと言われました。

確かに凹むだけでは何も生まれない。
失敗を繰り返さないためには
原因を考えることが必要なのだ、と強く思いました。

「人は仕事で成長するっていうけど、
　人は役割で成長するんだ。
　役割をもったとき、仕事に向かう姿勢が変わる。
　そこから成長がはじまるんだ。」

当時26歳のわたしにもズドンときました。
いまでも忘れられません。

先輩に「三日坊主で続きません」と弱音を吐いたら、

「三日坊主を繰り返せ。そのうち続くようになる。」

と言われました。

今でも、本当に支えになっています。

この職について今年で10年になります。

がむしゃらに走ってきましたが、
新人の頃に仕事を教わった先輩の言葉を
目印にしてきました。

「自分が正しい仕事をしていれば、
　相手が誰であっても恐れる必要はない」
「どうすればいいか迷ったときは、
　この仕事が誰のためのものか考えろ」

私の仕事は事務職。
現場に行くことはあまりなく、
事務室の中だけで仕事をしていると、
つい現場のことを忘れそうになることもあります。

「今、現場で頑張っている人に、
　安心して仕事に取り組んでもらうために
　私たちの仕事がある」
このことを忘れないでいたいから、
多分きっと10年後も、
先輩の言葉は私の「北極星」です。