前の会社の、社長の奥様から言われたひとこと。

「ひとに何か言うときは、
　10割言ってはだめ。
　６割か７割か８割か、
　とにかく10割
　自分の言いたいことを言ってはだめ。
　相手が自分の意見を言うためのすきまが
　なくなるでしょ？
　どんなに正しいと思っている意見でも、
　頼みでも、
　相手が返せるようにしないとだめなのよ」

「大丈夫、大丈夫」

ドジで怖がりだった新入社員の私は
数えきれないほどの失敗をやらかしましたが、
先輩から叱られたことは一度もなく、
ずっと「大丈夫だから」と言われ続けました。

あれから20年、たいがいのミスや事件は
まわりに多大なご迷惑をかけたとしても
何とかなるもんなんだ、と
実体験で知った私も
「大丈夫」と後輩に言う人になりました。

尊敬する上司が入社したときに
「俺はこの会社の社長になりたい」
と思ったそうです。

入社して
そういう風に思えるってカッコいい！

そうか、
私もそういう風に考えていいんだ！

「そうだ、それでいいんだ」

雑談しているときに見せられた資料を
「おもしろいですね」と言ったものの、
そのまま返却。

後日、ミーティングで
その資料を活用できるのではないかと
思いつき、
「営業で使ってもよろしいですか」
とうかがったときの、上司の返答です。

「なんとかなる」

「本当にやりたいなら、
　できるまでやればいいんだよ」

以前勤めていた会社の上司が
言っていた言葉です。

昨年、５年かかって
某国家試験に合格しました。

40代になってからの挑戦でした。

正直、先が見えず、
苦しいなぁ‥‥と思うことも、
こどもたちから
「お母さん、また落ちちゃったの‥‥」と
さみしそうに言われ、
辛い時期もありましたが、
もうやめようと思ったことは
不思議に一度もないのです。

それは、上の上司の言葉が
常に励ましてくれていたから。

もうお会いすることはないけれど、
深く深く感謝しています。

とにかく、厳しい上司でした。

同じグループ内でも、
いちばん身近に仕事をしていたせいか、
仕事のすべてを教わってました。

ひとり残業が続く私に
彼が言った言葉は
「仕事してほめられるのは小学生までだ。
　ここは学校じゃねぇ」

‥‥厳しかったですねぇ。

時間をかければ何とか終わるという
私の甘えた考えを、バッサリ切りました。
でも、
ストンと納得をした記憶があります。

それから、仕事の仕方を
自分なりに、考え、変えた覚えがあります。

やむなく退職した今でも、
何となく連絡しあってる唯一の上司です。

「やるしかない」

はたらきはじめてすぐのころ、
上司が電話口で
なにげなく口にした言葉です。

それ以来、
気が進まない仕事に取り掛かる前に
ふと思い出します。

「すぐ返事するな！
　いったん懐におさめてボールを投げろ」
ですかね。

なかなか実行できない。

「自分がいちばんヒマだと思え」

そうすれば、電話にも出るし、
誰かやってくれないかな〜っていう
他力本願の気持ちが芽生えない。