父の田舎は自然の豊富な山の中でした。
人が集まるような観光地でもなく、
それはそれは豊かな田舎でした。
わたしの大きい従兄弟(本家の次男さん)が、
生前に、田舎を訪れていたものの
ひましてた小学生のわたしを、
きっと見かねたのでしょう、
バイクに乗っけてくれました。
山の中を両側がせり上がった崖になっている、
ちょっと印象的な谷の小道を通って、
池に連れて行ってくれました。
大人になり、そのことを父に話すと、
話した翌日、
その崖の小道の絵を描いて
持ってきたのです。
父が言うには、子どものころ、
ここで妖精に遭ったというのです。
友だちと遊んだ帰り道、
その崖の森の中から、
口の中が真っ黒な妖精が出てきました。
「お前が持っている、
その宝箱をよこしたら、
一生大きな病にならずにしてやる」
といったそうです。
そして、少年父は、
その妖精に宝箱をあげたそうです。
たしかに、
妖精だか妖怪だかが出そうな場所でした。
父は、脳梗塞と脳塞栓で長患いのあと、
他界いたしました。
脳梗塞は大きな病にはならないのかと、
姉と、しばし悩みました。
(わい子)
人が集まるような観光地でもなく、
それはそれは豊かな田舎でした。
わたしの大きい従兄弟(本家の次男さん)が、
生前に、田舎を訪れていたものの
ひましてた小学生のわたしを、
きっと見かねたのでしょう、
バイクに乗っけてくれました。
山の中を両側がせり上がった崖になっている、
ちょっと印象的な谷の小道を通って、
池に連れて行ってくれました。
大人になり、そのことを父に話すと、
話した翌日、
その崖の小道の絵を描いて
持ってきたのです。
父が言うには、子どものころ、
ここで妖精に遭ったというのです。
友だちと遊んだ帰り道、
その崖の森の中から、
口の中が真っ黒な妖精が出てきました。
「お前が持っている、
その宝箱をよこしたら、
一生大きな病にならずにしてやる」
といったそうです。
そして、少年父は、
その妖精に宝箱をあげたそうです。
たしかに、
妖精だか妖怪だかが出そうな場所でした。
父は、脳梗塞と脳塞栓で長患いのあと、
他界いたしました。
脳梗塞は大きな病にはならないのかと、
姉と、しばし悩みました。
(わい子)
2025-05-02-FRI