小学校の教科書も、
江戸の寺子屋時代のものから並んでます。
その仕分けのしかたは、
なんと書体別です。
さすがデザイン事務所。

浄瑠璃の読み手さんが、
文字が大きいほうが読みやすいということで、
だんだん文字が大きくなっていく。
昔の本の試行錯誤と自由さを感じます。
昔の本、おもしろいなあ。

「そしてですね、こちら。
こちらの棚はすべて
八犬伝となっております。
江戸時代の版画本からございます。
通称「しらみ本」というんですよ。
文字が活字じゃないせいで、
しらみみたいに見えるからね」

絵も入ってます。
かわいいし、貴重。
100巻以上どうやって集めたんですか。

「古本屋さんで、一冊ずつ」

ひーーー。

「あと、みなさんがそこを
振り返った両面は、
夏目漱石の坊ちゃんです。

つまり、坊ちゃんひとつの題材で、
ここ100年の文字組の歴史が
すべてわかる、というしくみに
なっております」

たしかにです、
すごい資料だ！

「ここの本棚、この面と
ぐるっとまわった面、
ぜーんぶがピノキオなんです」

ひぃーーー！！

「たとえばねー、これ、
ピノキオ」

ピノキオ。

前回の引っ越しの際も
ダンボール900箱だったという
コズフィッシュさんの蔵書、
不要なものなんてないんじゃないでしょうか。

「うーん、そうかもー」

例えばどんなものがありますか？

「どうしよう、来週だと思ってたから、
まだ出す本を決めてない」

いいんですいいんです！

東京でもっとも本があるであろう
個人事務所、
コズフィッシュさんに来ました。

祖父江慎さんです！

ピンポーン。こんにちはー。

「あれ、来週じゃなかったでしたっけ？」

今週ですよ、今日です、今日。