お弁当売り場から、
釜石線の駅までは、
まあまあ、ある。
まあまあ、あるよ、たぐちゃん。

お弁当運びと、
電車の発車見守りに
明るく別れたのは
よかったものの。

「お弁当をふたつ、くださーい」

とお願いしましたものの、
あたためる時間が８分かかるのだそうです。
ふたつだと、16分。
乗り換え時間は23分。

「ギリギリですね」

ギリギリです。

先に行って待ってるね。

「はい、じゃぼくはお弁当を運びます」

ええっと、
イーハトーヴ金時赤飯弁当、
イーハトーヴ五目おこわ弁当、
銀河鉄道帆立おこわ弁当。

賢治ゆかりの地や！

新花巻駅に着きました。
ここから在来線の釜石線に乗り換えます。

お弁当を買うところが、
今後きっとないので、買おう。

新花巻駅に到着する直前、
窓の外が銀世界になっていることに
驚いた！

メールをいただきました。


冒頭の文章を読みながら、
NHKの「一本の道」という番組を
思い出しました。
この番組も、一日に歩く距離がかなり長いのです。
トレーニングを積み重ねてきたスガノさんなら
大丈夫ですね。
田口くんは、なんの問題もなさそう。
強いていえは、トイレ？
お天気に恵まれますように。
それでは、テキスト中継、
ゆるゆると追いかけます。
（T）

Ｔさん、ありがとうございます。
トイレはね、今日は大丈夫なんです。
明日からが問題です。

ここで田口くんが、
「お金下ろすの忘れた」と言いました。
でも平気です。
あのとき団長からもらった五百円玉を
今日もこうして、肌身放さず持っているから。

「たぐちゃん、どうして
歩くのが好きなの？」


「そうですねぇ、どうしてでしょうね‥‥。
ぼくはもともと、
アウトドアが好きなんですよ。
山に登ったり、キャンプをするのも好き。
でもね、登山やキャンプは、たのしいけど、
ちょっとタイヘンなんですよ。

でも、歩くだけだったら、荷物は財布だけでいい。
そして、ひとりでも行けるんです。

誰かのごはんを作んなきゃいけない、
ってこともないし、
しんどいときも、みんなといっしょだからと
がんばんなきゃいけない、ってこともない。

あとね、登山は頂上までいかないと
なんとなく達成感がないでしょう。
歩くだけなら、自分で決めたところで帰っていいし、
途中で電車やバスに乗ってもいいのです。

だからまぁ、トレイルは
ひとりの気軽さと、
アウトドアのたのしみのセット、ってところかな」

なるほど。
田口くんの「ひとり好き」を
とってもよく知る私としては、
納得の答えです。

ただいま、くりこま高原通過中。

田口くんが、新幹線の隣の席で、
ガムを噛むのをやめて、
本を読みはじめました。

「みちのく潮風トレイル」の
データブックだそうです。
地図と対応していて、
水のありかや、トイレの場所など、
細かいデータが網羅されているのだそうです。

そういう本を、
にやついて、
熱読しています。

なぜ田口くんはそんなに
歩くのが好きなのでしょう。

いま、福島に停車中です。
遠くに雪山がいます。

メールをいただきました。
ありがとうございます。



東北への旅、
お気をつけていってらっしゃい。
そして、お気をつけてお出でください。
健康第一、安全&面白で
よい旅を。
田口くんにもよろしくどうぞ。
（ミウラ）


はい、安全面白で、
がんばります。
いま、隣の席で田口くんは
緊張のあまり、
弁当を食べたと、チョコを食べ、
ガムまで食べています。
口を動かさないと落ち着かないようです。



おはようございます。
スガノさんがメルマガでおっしゃっていた
テキスト中継がはじまるんですね！
のっけから
「心の距離感は、見かけ以上の遠さ」に、
やられました‥‥。更新たのしみです。
（stk）


ありがとうございます。
心の距離はまったく縮まらないまま、
かといって遠くはならないままに、
全日程が終わると思います。
あと、予告のように申しますが、
あすもう１名、
まったく同じような心の距離の同僚が
途中参加する予定です。
ときどきのぞいてください。