りんご探検隊

ええっと、
先生の見本をみると、
こういう、ごつごつした、
年季の入った人みたいな、
表情のりんごが最高。

カトウ先生のレクチャーを受けて、
探検隊、みなさまに届けるりんごを
これから収穫します！
わくわくが最高潮。

芯の先がみどり色になっているのが、
採れたてりんごの印。

わぁ、ここがみどり色になっているのは、
はじめて見た！

スッと、りんごがとれる。
真剣に、採り方を学びます。

「りんごをもぐときはね、
枝に大事な花芽がある場合があるから、
けっして回さない。

枝とりんごの芯のつなぎ目のところを
ゆっくり折ると、
スッと離れるから、こう」

「吟壌は、ざらざらしたりんごが、
うまいのか‥‥！」

「これ、こういうやつ。
さわってみて。
ぶつぶつ、ざらざらしたやつね。

ふつうはみなさん、
つるつるして赤いのが
おいしそうって思うでしょう？
完熟したやつは、そうじゃないんだ。
この、ざらっとした皮が、
風雨に耐えて、あまさをたくわえたあかしです」

「どういうりんごがいいかっていうとさ」

地色が黄色いやつですよね？

「いや、そういうレベルじゃないんだ、
全部完熟してるから」

そっか、そっか。

「完熟りんごでいえば、ですよ」

「ただね、こういう、
片方が灼けちゃってるのはだめなんだよ。
灼けたところに蜜が入らないんだ」

灼けてるとおいしそうに見えるのに。

「先生、どんなりんごを
採ればいいですか？」

「全部」

「え？」

「全部おいしいから」