噂のひっつみ、
３人前おまちどう。

三國さんと私は、
たぶんひっつみ初体験。

三國さんが長い列に並んでくれていたから、
あっという間に順番が来て。

戦利品の干し柿を
姉に見せる妹。

「これ使ってつくったお菓子、
こんどおねえちゃんにあげるね」

「あ、それは私の大好物なやつ」

ほっこりする。
こういう姉妹は実在する。

私たちが自分用のお買いものに
気持ちを走らせているあいだ、
三國さんは、というと。

「噂のひっつみ」に
かわりに並んでくれていた。

そして、なかしまさんは
「ちょっと自分用のお買いものをしてもいいですか？」
と。

もちろんもちろんどうぞどうぞ！！

気になっていた干し柿の前に座り込み、
柿の種類をお店の方に訊き、
そして、
「たくさん買っていいですか？」と訊き、
いいよいいよ、と返ってきたら、
「ぜんぶください」と
おっしゃってました。

私は寒干大根という、
大根を干したものを買いました。
さつまあげやちくわといっしょに炊くと
おいしいそうです。
ものすごく軽いので、持ち歩いているあいだに
２回、風で飛ばしました。

なかしまさん
「あ、干しりんごがある。
これも、今回つくるお菓子に入れましょうか」

いいですねぇえ。

なかしまさん
「生のりんごより、干してあったほうが、
今回のお菓子には扱いやすいんです」

へぇえー。

なかしまさん
「（お店の人に）干しぐあいは、どんな感じですか？
カラッカラですか？　それとも‥‥」

お店の人
「ちょっとしっとりした感じで干してあるよ」

なかしまさん
「それじゃあ、ひとついただきます」

りんごとクルミ。
材料がそろっていきます。

「ここ、夢のようにかわいいお店だね」
と、足をとめるふたり。

おままごとのお店屋さんごっこのような
たのしい雰囲気が、
そのままお店にあふれています。
ご姉妹、幼い頃におふたりで
ままごとしてたんだろうなぁ。

そして、なかしましほさんは、
朝市に数多くならぶお店のなかでも、
やっぱりお菓子のお店がきになるようす。
おだんご、クッキー、ケーキ。
いちばん気になるのは、
シフォンケーキ。
足をいちいちとめてました。
なかしまさんのシフォンケーキも
食べたい。

東京じゃ見たことのない
お野菜やおかずがいっぱい。

売り切れていた「トゴロ」という山菜を、
お店の方がなかしまさんにひとつ
わけてくれました。

「ほら、こういう山菜だよ」と。
「にがいよ」と。

いろんな種類のりんごが
売られていて、とにかく安いの。
ひと山300円とか。

「なんだかなつかしい、
醤油とつけもののにおいがする」

え？ 私はぜんぜんしない。
姉妹、鼻がいい。

ちなみにおふたりは新潟ご出身です。