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2014/08/21 22:14 結局、得意の‥‥

お話をうかがっていて
ハラハラしてきました。
寿司屋さんのバイトとゲーセンの日々は
いつまで続くんですか?

「12月まで」

間に合わないじゃないですか!

「そうなんです。
 これはやばい、もうセンター試験だ!
 そこからもう‥‥」

‥‥どういう勉強法を?

「暗記モードに入りました」

え。

「バイトもゲーセンもやめて、
 お得意の暗記モードに入りました。
 もう、一から暗記していくんです。
 朝から晩まで、ひたすら、書く書く書く。
 ノートからチラシの裏から、
 紙という紙に書いて書いて書いて‥‥。
 数学も国語も英語も、
 とにかく書いて書いて覚えます」

手で書く。

「はい」

記憶で克服できなかったはずの教科も、
それでなんとかなったんでしょうか?

「そうなんですよ、なんとかなった。
 どういうわけか‥‥
 繰り返し書くことによって、
 全体的なロジックみたいなものが
 見えてくるようになったんでしょうかね。
 書き続けたことでわかるようになったんです」

はあー。
結局は同じスタイルで、
つまり「記憶する力」のボリュームを上げて
乗り切った、と。

「そうですね。
 受験勉強は、強引な勉強方法でした。
 だから、たのしくなかったです」

たのしくなかった。

「ええ。
 京大の経済学部に合格しましたが、
 その道のりは、たのしくはなかったです」

2014/08/21 22:04 寿司とゲームの
浪人時代。

ということは浪人中に、
グっと成績をあげたんですね。

「それが、そうではなくて‥‥。
 まず、浪人中はバイトをはじめるんです。
 回転寿司のチェーン店で
 『くら寿司』ってあるんですけど
 そこでずっと寿司を握ってました。
 あと、そのころ、
 ゲーセンでビートマニアが流行るんです。
 DJのゲーム」

ビートマニア‥‥。

「寿司屋の仕事は面白いんです。
 酢飯を上からカポッと入れると、
 ごにょごにょってなって、
 自動で出てくるんですね、シャリが。
 まるいターンテーブルみたいなのの上に
 シャリが出てくる。
 そのシャリをとって、
 皿に乗せ、ネタを乗せ、レーンに置く。
 これが一連の動きです。
 これをめっちゃ高速でやるんですよ。
 そうやっていちにち寿司屋で
 ターンテーブルの練習をしてから、
 バイトが終わったあと、
 ゲーセンに行ってビートマニアをやる。
 浪人時代はそんな毎日でした」

‥‥なにをやってるんですか、なにを。

2014/08/21 21:53 大学受験は‥‥

さて、小中学時代を過ぎまして、
高校時代になりまして、
大学受験もやはり順調で?

「それがぜんぜんダメでした。
 小中学校までは
 イメージ暗記法でいけたんですが、
 高校の勉強になるとまったく違うんで」

ちょっと成績が落ちましたか。

「公立の進学校に入ったんですが、
 入ったときは主席で合格してるんです」

おおー。

「そこがピーク。
 高3のときには
 400人中の300番くらいになりました。
 高2のときに
 バンドをはじめちゃったんですよ。
 文化祭でモテたくて」

モテたくて(笑)。

「ドラムをやってるやつって珍しかったので
 誘われることも多くて。
 バンドやってると、どんどん成績が落ちます」

そこから‥‥どうやって京大合格までに?

「大阪大学を受験しまして、落ちました。
 当然のことです」

あ、では浪人を。

「はい」

2014/08/21 21:42 お母様のおかげ。

どれも100点ということは、オール5?
‥‥あ、でも体育がありますね。

「体育もできたのでオール5ですね」

ほぁーー。
‥‥モテましたでしょう。

「うーーーん‥‥
 まぁ、それなりに(笑)。
 音楽ができるのが強かったと思います。
 ピアノのひける男の子っていう」

勉強ができて体育もできてピアノも弾けて‥‥。
弱点はなかったんですか?

「弱点‥‥‥‥なんだったんだろう‥‥。
 うーーーん‥‥
 ちょっといやらしく聞えるでしょうが、
 すみません、思いつかない(笑)」

ふわー。
勉強が好きじゃないのに、
なぜそんな天才的な子どもになれたんでしょう?
‥‥裕福なご家庭だった、とか?

「いやいや、ごく一般的な家庭です。
 英才教育とか、そういうこともなく。
 3人姉弟でうえふたりが姉で、
 いちばんしたがぼくなんですけど、
 上ふたりにピアノを習わせてて
 その流れでぼくもピアノをやったんです。
 で、9才のときに「ドラムをやってみない?」と
 母親に言われまして。

お母様が「ドラムをやってみない?」と?

「母親はミュージカルとか
 コンサートに行くのがすごく好きで、
 劇団四季とか、
 マドンナやジャネット・ジャクソンの
 コンサートに連れてってくれました。
 そういう意味では、そうですね、
 母親から文化的な影響を受けたんだと思います。
 毎朝、クラシックをかけるんです。
 ビバルディの四季とかを、ぼくの枕元でかけるんですよ。
 で『朝ですよ』と(笑)」

お母様は、何か芸術関係のお仕事を?

「いえ、ごくふつうのニッセイレディです。
 保険のお仕事を」

へええーー、そうなんですかぁ。
すばらしいお母様です。

2014/08/21 21:29 譜面のように覚える。

暗記。
教科書を覚えちゃう‥‥。
授業内容を暗記する‥‥。
そんなことができるものなのですか。

「できたんです、ぼくは。
 なんででしょう‥‥
 それはきっと4才の頃から
 クラシック・ピアノを習っていて、
 絶対音感が身についているからかもしれません。
 いまゲーム音楽の演奏をしているのも、
 とくに練習はしてないんですよ。
 ゲームを繰り返しプレイして
 その音楽をぜんぶ覚えてしまって、
 あとはその覚えてるやつを弾くだけ」

はあー。
勉強もそれと同じ?

「そうです、同じ。
 先生が書いた黒板の板書も、
 教科書の文字列も、
 イメージで覚えちゃうんです。
 とくに歴史。
 それぞれの事象を覚えて、
 それぞれがどうつながっていくかの
 年表をイメージで覚えるんです」

それは、譜面ですね。

「そうですね。
 ですから、自分で言うのもあれですが、
 記憶力がすごく良かったんだと思います。
 英単語や漢字も、どんどん覚えました」

苦手な学科はあったんですか?

「論理的な思考が必要なもの、でしょうか。
 算数までは大丈夫でも、
 数学では苦労しました。
 国語の行間を読むみたいな問題も
 比較的に弱かったです」

2014/08/21 21:06 暗記して100点の
小中学校期

あらためまして、
きょうはよろしくお願いいたします。

「よろしくお願いします。
 勉強の話ですよね」

はい。
‥‥あの、
そちらからこちらは見えている?

「見えています、大丈夫です。
 若干の死角はありますが
 お話をするうえで支障はありません」

‥‥あの、
きょうはかなり暑い日ですが‥‥。

「蒸しますね。
 正直きついです。
 でも大丈夫。
 いきましょう、勉強の話を」

ありがとうございます。
あの‥‥
そもそも勉強はお好きだったんですか?

「いや、受験勉強に関しては、
 好きではなかったですね」

好きではなかった。
とはいえ、京都大学。
ふつうににたどり着ける偏差値の
大学ではないと思います。

「ええ。
 一般的にはそうかもしれません」

成績がいいのはいつごろからですか?

「小学校の高学年くらいですかね。
 ぼくは暗記が得意だったんです。
 受験勉強の前までの勉強は、
 暗記でいけると思います。
 小中レベルだと
 授業中に聞いたことをぜんぶ覚えてて
 とくに家で勉強をしなくても
 教科書をちょっとぱらぱらと読めば
 暗記しちゃいますので。
 それで、テストは100点」

100点。
どの教科も、ですか。

「そうですね。はい」

ひゃー。

2014/08/21 20:50 プロフィールを。

おでんを召しあがっていただいている間に、
サカモト教授のプロフィールを
あらためておさらいさせていただきましょう。

サカモト教授は、
1980年のお生まれで、出身は大阪府。
京都大学の経済学部をご卒業です。
京大です。
国立大学です。

ご職業は、音楽家。
頭にファミコンを乗せて、
そこに挿したソフトのゲーム音楽を
忠実に演奏するスタイルで
YouTubeやニコニコ動画で
人気を集めていらっしゃいます。

「ほぼ日」では、
坂本美雨さんとの「サカモト兄妹ライブ」や、
「ヒャダイン サカモト教授 マザー2ライブ!」や、
こんな企画とか、あんな企画など、
いろいろともう、お世話になっています。

そうそう、ヒャダインさんとは
京大の同級生なんですよね。

あ‥‥目が緑色になった。

さて、サカモト教授、
おでんのほうが落ち着きましたら、
別室にてお話を、よろしくお願いいたします。

2014/08/21 20:40 サカモト教授!

本日最後の先生はこちら、
「ほぼ日」ではすっかりおなじみの、
サカモト教授です。
(サカモト教授先生というのはおかしいので、
 『サカモト教授』という尊敬の表現で
 いかせていただきますね)

あ、教授、
まずはおでんをお召し上がりですね。
了解です、どうぞどうぞ。
あ、教授、
たまごがお好きなご様子で。
じゃっかん、食べにくそうではありますが、
器用にお箸をお使いになられ、
教授はおでんを口にはこんでおられます。
あ、教授、
目が光るのですね。
すばらしい。

2014/08/21 20:32 やる気がでないときは

「もう一問、いけますよ」

ほんとですか?
先生ありがとうございます!
というわけで、ラストにもう一問!
ーーーーーーーーーーー
もう夏休みも終わりなのに
宿題が全く手につきません…。
今回の宿題は1万字のレポートがあったりと
かなり大変なはずなのですが
まだやる気が出ません。
どうしたら勉強に対するやる気が出ますか?
ゲームの夏を送っているアヤより
ーーーーーーーーーーーー

「アヤさんの気持ち、わかりますよ。
 僕も基本的にやる気はないんです。
 ただ、僕は何をするのも、
 絶対にいやなことはやりたくないと
 思っているので、この場合は
 1万字のレポートのなかに
 いかに楽しみをみつけるかが鍵かなと。
 題材を多少は選べると思いますので、
 少しでも興味のあることを
 混ぜてみてはいかがでしょう。
 それが無理なら、ご褒美をつけるとか。
 頭のすみっこに、
 『やらなくちゃいけないこと』が
 あるだけで、気持ちよく
 遊べないですよね。
 アヤさんの夏休みは、
 いつまででしょうか。31日までかな?
 まだきっと数日ありますよね。
 さっさとやっちまって、遊んでください!!」

アヤさん、
がんばって、さっと終わらせて、
残りの夏休み、遊んでください!

さて、そんな
文武両道・最強市民ランナーの
松本先生は8月31日に
真夏の北海道で行われる
北海道マラソンに出場予定だそうです。
実業団の選手がずらりと揃う中、
会社員である松本先生は
会社の有給を取得しての参加です!
BSフジで中継もされるそうなので、
ぜひ、みなさんも応援してくださいね。

というわけで、終了です!
いやー、
最強市民ランナー・松本先生、
ほんとうにすごい方でした。

ここで言うようなことでもないですが
高校時代、遊びほうけて
同学年398人中397位を
3年間キープしていた私としては
雲の上の仙人と話していたような気分です。
学問に、王道なし!

松本先生、今日はおつきあいいただき
ありがとうございました!
最後はゲームで楽しんでくださいね。
(先生はきっと、ゲームも強いんだろうなぁ)

2014/08/21 20:11 自分から何かに興味を持つには?

松本先生に、もう一問。
ーーーーーーーー
<おたより>
大人になってからの勉強についてです。
子供の頃は「勉強しなさい」って言われて、
仕方なく、してました。
大人になると、
それを言ってもらえないんですよね。
なので、自分から決めて
勉強したいのですが、
時間ないし〜
お金かかるし〜
やっても意味ないかも〜
と思ってなかなか手が出ません。
勉強に限らず、新しい仕事に対しても、
年々体が動かなくなっています。
何か良い方法があれば、教えてください。
momo
ーーーーーーーーーーーーー

いかがでしょうか。松本先生。
「勉強しなさい」と言われて育ち、
大人になって
誰にも言ってもらえない
環境におかれたとき、
自分から何かをやるのが難しい。
こういう方、けっこう多い気がします。

「うーーん、難しいですね。
 何も興味が持てないんですね。
 僕、思ったんですけど、億劫で
 なかなか手が出ないのであれば
 まず『口』から出してみてはいかがでしょう」

口?

「はい。momoさんのお友達や
 仲間が何かやろうとしているとします。
 そのとき
 『いいな、やりたいな〜』
 『私も行こっかな〜』と
 とりあえず口に出すんです。
 そうすると、行こうよ、と誘われます。
 誰かが興味を持っていることに
 とりあえず便乗してみるというのは
 なかなかいいと思いますよ」

なるほどー!

つづけて、が言います。

「あと、この方、時間がない、
 お金がかかる、と書かれてますよね。
 そんな方にはランニングもおすすめです。
 自分の空いた時間に
 一人でできますし、お金もかかりません。
 仲間もできます。痩せます。
 走るのはいいことずくめです。
 ね、松本さん!」

「なんでもランニングを勧めちゃう(笑)。
 でも、本当におすすめです。
 今僕がお手伝いしている、
 マラソンランナー藤原新を
 サポートする団体アラタプロジェクトでも、
 みんなで走っているんですけど、
 練習会に出るだけでもたのしいですよ。
 走るのが苦手とか、
 敷居が高いという方もいますけど、
 全然大丈夫ですので、よろしければぜひ!」

なるほど。ランニング。
たしかに走っている方って
表情とか、いきいきしてますよね。
momoさん、いかがでしょうか。