2013/08/22 13:05
質問コーナー1

ではここで、御手洗先生に
読者のみなさんからの質問に
答えていただきましょう。

こんにちは。
いつも楽しく読ませていただいてます。
小2の娘の算数について質問です。
なぜか定規の目盛りが数えられません‥‥
数は数えられるのですが、
例えば3センチを一緒に数えても、
いち、に、さん、と数えているのに、
答えは?と聞くと4センチ?と答えます。

どうすればいいのでしょうか?
(M)


<御手洗先生の答え>
単なる直感ですが、
お子さんが、30歳になっても
3センチを4センチと答えるとは思えません。
きっとどこかで
読めるようになるでしょう。



うん、私も、そう思う!
定規がまだ、めずらしいんですね。
がんばれー。


2013/08/22 13:09
質問コーナー2

現在高1男ですが、数学全般ができません。
学校での授業もしっかり聞き、
ほぼ毎日その日の復習を行い、
テストや模試等の前にもう一度とき直しをして、
なおかつ、そのとき直しで
間違えてしまったところを、
さらにとき直しているのにもかかわらず、
大抵の試験類で半分も点をとれません。

もうここまでくると
私にはセンスが無いのでしょうか?
とも思えてします。

一応文系ですが、
地元の国公立大を超ぼんや〜〜りと目指しているため
数学は必須なのです。
今のところ、全教科、科目で
学力を底上げせねばならないのですが、
そのなかでも、ダントツの点数の悪さなのは
数学です。

なにか、数学に関して
良い勉強法やなどありましたら
ご教授いただきたいと思います。
よろしくお願いいたします。


<御手洗先生の答え>
この情報だけではわかりませんが、
数学のセンスがない、ということはありえます。
というか、誰にでも、必ず
得手不得手はあります。

そのうえで、
自分の目指すことを実現するにはどうするか、
ということに頭を使うほうが
大切かもしれません。

もし私であれば、数学はそこそこにしつつ、
自分が点を上げやすい科目に時間を使うと思います。
決まった時間の中で、同じ時間をかけて勉強し、
20点上がる科目と、
5点しか上がらない科目があったら、
20点上がる科目に時間を使います。

あ、いま気がつきました。
この方は高1なのですね。
(高3かと思って答えてしまいました‥‥すみません)
高1なら、そんなに心配せず、
夏休みを謳歌されたらよいのではないでしょうか。
数学の勉強は、
いまみたいに続けていくうちに、
ほんとに苦手なのか、
たまたまつまづいていただけで、
なにかのきっかけですっとできるようになるのか、
そのうちわかると思います。



私は、苦手な科目のほうが
点数が上がるような気がしてました。
(だってのびしろが、とか思いますよね)
でも、そうじゃないんだ。
得意なほうがのびるんだ!
そりゃそうだ、勉強は果てがないんだもの。
そうだよなー。


2013/08/22 13:16
質問コーナー3

三姉妹の母です。

姉妹それぞれに勉強の悩みはつきないのですが、
今日は次女(小学3年)の悩みについて質問します。

なんせ、集中力が無くて困っています。
仕上げ目安15〜20分のドリル1頁に
1時間〜2時間かかるは毎度のこと。
わからないのでは無く、
ただただすぐに脱線するのです。
夏休みの宿題においては、
日割りの計画を立てさせたものの、
日に日にずれ込みその借金たるや、
首も回らない状態です。

どうしたら、集中力が身につくのでしょうか


<御手洗先生の答え>
それは、ドリルが
おもしろくないからではないでしょうか。
脱線は、しょうがないです。
つまらない仕事をしていたら、大人だって脱線します。
おもしろいものに出会ったら、
きっと集中するでしょう。

そうはいっても集中力は、身についていると
のちのち役に立つので
お嬢さんが思いっきり集中するくらい
夢中になれるものに
(それはもちろん勉強じゃなくても)
出会えるといいですね。



脱線するのは、つまらないからかー。
つまらないものを、やらなきゃいいんだよね。
それか、おもしろく工夫すりゃあいいのかな?


2013/08/22 13:23
質問コーナー4

ほぼにちは。
小2の娘について、ご相談です。
娘は読書とかダンスとか好きすぎて
他のことがみえなくなり、
時間に気をつけて動くとか
先に起こることを予想して行動することが
難しいようです。
せっかくの集中力をおとさずに
先をよむちからをつけるための
アドバイスを下さい
(かりまま)


<御手洗先生の答え>
時間を忘れて没頭できるものがあるのは
すばらしいことですね。
それほど深く本を読むというのは
難しいことですし、
きっとお嬢さんは豊かな世界を
持っているのだと思います。
没頭しているものがあるのに
時間に気をつけて動くとか
先に起こることを予想して動くなんて、
私にもできません。
小2の子どもさんができたらビックリします。

子どもに、時間に気をつけて動いてほしい、
と思うのは、
ときに、大人の都合ではないでしょうか。



没頭している、ということはつまり、
のびている瞬間、ということなんですね。
私も親として、とめないように気をつけよう。


2013/08/22 13:32
御手洗先生
ありがとうございました

御手洗先生、
たくさんのお話を
ありがとうございました。

私自身、子をもつ親として
とても参考になりました。
夏休み、あの子の背中を
ゆるやかに押してやりたいと思います。

「たのしかったです、
 またね〜」

ばいばい〜たまちゃん!

‥‥このように、次の打ち合わせに
出かけられた御手洗先生でしたが、
この後2度、
充電ケーブルと、
大切なメモ帳を取りに
この部屋に戻ってこられました。

このような方でも、
東大現役合格、ダブらず卒業、社長就任、
されています。

そんでまた、すごくおもしろい人であります。

またおしゃべりしたいです。

勉強の夏2013、
御手洗先生の巻、おしまいです。

ありがとうございました!!

次の先生へ、バトーーンタァーッチ!


2013/08/22 13:58
東京藝術大学卒業
加納ちひろ先生登場。

さてさて勉強サイド、
続いての登場は加納ちひろ先生です。
「ほぼ日」のなかの人です。
ちーちゃんこと、ちひろ先生はふだん、
デザインまわりのお仕事をしています。
主にといっしょに、
その右腕となり、
黙々と着々と、
仕事を進めていくがんばりやさん。

あと、特徴としては、
しゃべりかたが面白いです。
低いトーンの妙なムードではなします。
クレヨンしんちゃん的と言えば
わかりやすいかもしれません。

そんな、ふしぎなしゃべり方ですが
東京藝大をきちんと4年で卒業しています。
国立大学で狭き門。
センター試験も受けてきたわけで。

ちょっと特殊なパターンかもしれませんが
芸大受験をしてきた人の「勉強」を
うかがってみましょう。

ちひろ先生、よろしくお願いします。


2013/08/22 14:06
よろしくお願いします。

ちーちゃん‥‥
じゃなくてちひろ先生、よろしくお願いします。

「‥‥録音してる」

あ、それはメモがわりです。
気にしないでください。

「‥‥私のしゃべり方を録音して
 あとでみんなでモノマネするんですね」

え? いやいや、
モノマネはこれからもするけれど、
これはただのメモですよ。
‥‥モノマネ、よくされるの?

「子どものころはよくされました。
 大人になってからはそんなでもないです。
 でもこの会社の人はみんな子どもみたいなので
 また急にモノマネされるようになりました」

悪気はないのです、ごめんなさい。

さて、モノマネのことはさておき、
勉強の話を、はじめましょう。


2013/08/22 14:19
頭、わるいです。

東京藝術大学は国立大学です。
やっぱり、勉強はできたんですよね?

「勉強、してないんです。
 頭、よくないんですよ。
 頭、わるいです」

‥‥いや、とはいえ、でも、
センター試験がありますよね。

「東京藝大は
 あまりセンター試験を重視してないんです。
 もっと重視しなさいと
 国から怒られるくらい。
 昔はとくにそうだったみたいです。
 いまはそうでもないらしいですが」

ということは、実技重視。

「そう、ですね」

センター試験は何教科でした?

「わたしはデザイン科で、
 3教科でした。
 国語、英語、生物。
 年によっては総合理科を
 選択したこともありました。
 わたし4浪したので」

そうですか、4浪。
東京藝大では、ふつうのこと?

「最近では、1浪とか2浪とか、
 そのくらいみたいですが。
 そうですね、
 浪人は、ふつうだと思います」


2013/08/22 14:29
むかしは勉強できた?

うーーん。
でもやっぱり、それなりに、
勉強ができていたから入れたと思うんですが‥‥
小学校のころは、勉強どうでした?

「得意でした。
 小学校のときはべつに勉強してなかったけど
 得意でした。
 かんたんだったから。
 それが中学になって
 『算数』が『数学』になって、
 あやしくなってきました。
 『証明』とか。
 だましだましやってたんですけど、
 高校生になって
 はっきり偏りがでました。
 国語の成績が学年で一桁、
 数学が下から2番め、
 英語はまんなかへん。
 国語は好んで本を読むほうだったので
 自然と勉強になってたんだと思います」

国語はトップクラス。
なるほどー。


2013/08/22 14:48
東京藝大の試験って?

センター試験の他の試験は
東京藝大の場合、どんな内容なんですか?

「一次試験がデッサンで、
 二次試験では色彩構成と立体構成
 というのがあります。
 わたしは、現役と一浪のとき、
 最初の2回は一次で落ちました。
 デッサンで終わり。
 『あ、もう受験終わっちゃった。
  おそろしい』
 と思いました」

二次にはどのくらいの人が進めるんですか?

「そこで五分の一になります」

そんなに絞られる‥‥
デッサン力は大事なんですね。

「東京藝大の場合はそうです。
 ほかの芸大ではデッサンをやらないところも
 あるようで。
 ですから大学によります」

二次試験の内容を教えてください。

「まず、色彩構成は
 いろいろなモチーフ、
 野菜、魚、ビンとか。
 それをB3の画面内に構成して
 絵を描きます。
 これを6時間くらいで
 やらなきゃいけない。
 予備校ではずっと、
 その試験時間を繰り返して
 練習してきました。

 立体構成は、
 わたし、最後のときが
 紙工作だったんですよ。
 ほとんどの年が粘土で構成するんです。
 めずらしくその年は紙工作でした。
 紙が出てきて
 グダグダになってた人もいました。
 わたしは4浪で、紙も繰り返してたし
 個人的に好きだったので
 そこで動じなかったから
 なんとかなりました。
 植物というテーマを与えられて、
 蓮の花をつくりました」

そして、合格。

「はい」

おめでとうございました。

「はい(笑)」

うれしかったでしょう。

「そうですね。5回めだから」


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