司会者役で糸井重里が 「あまちゃん」に出演!

こんにちは、です。

今年の4月、フランスはパリから日本に来ていた
「my little paris」という会社の
ファニー・ペショダ社長と
イラスト担当の九重加奈子さんが、
「ほぼ日」に遊びに来てくださいました。

そもそものきっかけは、「my little paris」で活躍する
加奈子さんが、メールをくださったのでした。
そこにはこうありました。

「パリ在住のイラストレーターのKanakoと申します。
 いつも楽しく読ませていただいています。

 パリで5年前に、2人のフランス人姉妹、
 1人のフランス人ウェブマスター、
 そして日本人イラストレーターの私で、
 『マイリトルパリ』、というメールマガジンを
 発足しました。

 パリジェンヌによるパリジェンヌのための情報サイトで、
 買い物、おいしいもの情報から、
 日常をぽっと明るくするアイディアなどを
 週3回発信しています。
 一度に記事は一つだけ。
 手描きイラストが添えられています。

 登録者数もどんどん増え、
 5周年を迎えた今は100万人を超え、
 従業員は50名ほどになりました。
 http://www.mylittleparis.com

 つねにみんなを楽しませ、びっくりさせることに
 心を砕き続けている社長(姉妹の姉)は、
 弱冠35歳の美女です。
 どんなに忙しくなっても、最初の頃と変わらない熱意、
 探究心、私たちへの心配りを忘れない、
 たくさんの人の人生を変え続けている人です。」


そして、「ほぼ日」読者だった加奈子さんは、
社長のアイデアを次々実現していくこと、
読者もスタッフも同時に楽しみ、
社内イベントも多く、遊び心を忘れないことから、
ずっと「ほぼ日」に似ているな、と思っていたそうです。

たしかに、100万以上という数字
(ほぼ日は毎日のページビューが140万くらいです。)、
50人程度という従業員数といったところも、似ています。

そして4月初め、ファニー社長と、
日本へ来る予定になっていたその機会に、
「ほぼ日」へいらしてくださったのでした。


△4月はお互いのサイトを紹介し合いしました。(※)

「my little paris」は、そもそも社長のファニーさんが、
知り合いの何十人かに、おしゃれやおいしいもの、
楽しいイベントなどのパリのレア情報を
メールで送ることからはじまって、
いまでは男性版、リヨン版、ウェディング版‥‥と増え、
アプリの開発や動画の発信もしているそうです。

さらに人気があるのは、「my little box」という、
毎月1回、オリジナルグッズやおすすめのコスメグッズが
たくさん入って届くというもの。

見せていただいたのですが、
毎月のテーマごとに「ホリディ」「ギーク(オタク)」
「サンシャイン」などのテーマにそって作られ、
冊子まで毎回オリジナル。

今月はどんなものが届くかなあと
楽しみになる、自分へのプレゼントです。






△上はすべて、これまでの「my little box」(※)


△パンフレットも、カードも、毎回製作されている。(※)

それにしても、こんなにたくさんのグッズや、
毎回のニュースレターなどに、
ぜんぶイラストが添えられており、
それをこの日本人女性、
加奈子さんが一人で描いているのです。

Kanakoこと九重加奈子さんは、
2005年にパリに行き、イラストの仕事をしながら
パリ暮らしを始めました。
しかし3年目、生活も大変だしこれからどうしよう?
と迷っている時に、
現在の「my little paris」の編集長である
アマンディーヌ・ペショダさんと知り合い、
「my little paris」に参加することになったのでした。

その後、「my little paris」の規模が拡大するに連れ、
加奈子さんは社長や編集長の期待にこたえ、
仕事を「my little paris」一本にして、
深く関わるようになったそうです。


△左からファニー社長、アマンディーヌ編集長、加奈子さん(※)

さてその「my little paris」社は、
パリのモンマルトル近く、
窓からサクレクール寺院が見える場所にあります。


△窓から見えるサクレクール寺院。モンマルトルは、
 映画『アメリ』の舞台としても人気です。


さすが、会社の中も、とてもすてき!

「ほぼ日」とまた似ていることに、
キッチンがあり、給食があったり、イベントの時には
シェフが来て腕をふるってくれるそうです。


△「my little paris」社内。あちこちに加奈子さんの絵があります。


△ミーティングルームもかわいい。


△ここも、仕事をする場所。ライトが机がステキ。


△もとカルーセル(回転木馬)の工場だった場所は、
 真ん中に大きな吹き抜けがあって、広々しています。



△わいわい騒いでいると、スタッフが集まってくるところも
 「ほぼ日」といっしょ。



△社長のファニーさんの部屋。つまり、社長室!


△「ほぼ日」と同じく、キッチンがご自慢。

スタッフの多くは女性で、
とても楽しそう。パリっ子たちも、
この会社で働きたいという希望者が、いっぱいいるとか。

さてそれから数か月、なんと今パリ中に、
この加奈子さんのイラストが、展示されているのです。

パリ市と「my little paris」がコラボした企画
「les parisiens」で、
50種類のイラストが1000枚、パリの街角を飾っています。

そこで、加奈子さんにいろいろとうかがってみました。

ほぼ日 野外展示会、
日本でもニュースになっていました。
おめでとうございます!

Kanako
ありがとうございます!
ほぼ日 以前会社にいらしてくださった時に、
たくさんの絵を描いて、
毎日、全速力で走っている馬に
引きずられているみたい、
っておっしゃっていましたが。

Kanako
はい、社長がほんとうに、
フランス人ではめずらしいくらい、
働き者で誠実で、ひたすらそれに応えていたら、
こんなことになってしまったという感じです。
ほぼ日 今回は描き下ろしなのですか?

Kanako
半々くらいです。
ほぼ日 タイトルが「les parisiens(パリの人)」ですね。
どういった内容ですか。

Kanako
主に、「パリジャンあるある」です。
パリ市とのコラボで、
パリ市庁の人とも一緒に
いろいろアイデアを出し合いました。
ほぼ日 「パリじゃんあるある」!
フランス人にとっても、おもしろいんでしょうか。

Kanako
みたいです!
特に評判が良かったのは、地下鉄の中で、
まだabbesse駅(中心部から遠い)なのに、
「もうChatelet(パリ中心部)。すぐつくよ」
なんて、携帯電話で話している絵。
それから、
レストランでいろいろ注文しときながら、
最後に「時間ないんで、
12分で食事終えたいんですが」と言ってる人。


ほぼ日 わたしは「パリこれ!」を担当しているので
とのまりこさんからもよくうかがうのですが、
フランス人のみなさん、
やっぱり気持ちいいくらい自己中なんですね(笑)。

Kanako
楽しいことが好きみたいです。
今回のコラボについては、
ドラノエ市長から
とても嬉しいお手紙ををいただきました!
ほぼ日 私も見に行きたかったなあ。
その気持もあって、
今回、写真のプロのとのまりこさんに
たくさん撮影してきてもらったんですが、
パリの街と加奈子さんの絵が合っていて、
すてきでしたー!

Kanako
うれしいです。
でも「my little paris」のスタッフのみんなで
一枚の絵を作るため
ほんとうにたくさん仕事をしているので、
私の名前だけ表に出るのは
具合が悪く感じることもあります‥‥。

ほんとうにここまで、
ただひたすらに社長の1000本ノックを
打ち返してきただけ、という感じです。
ほぼ日 そうですか‥‥。
ちなみに1000本ノックは、受け取るもので
打ち返すものではないんですが。

Kanako
あれっ。

でも、社長に受けたい、
期待に応えたいというのが、そもそもなので。
でも、好きみたいです。
地味に打ち返すのが。
ほぼ日 なるほど‥‥。
いい問いに、自分なりの答えを返す。
へなちょこ玉じゃあ、
打ち返しても、
ホームランにならないですしね。

Kanako
これまでイラストレーターという仕事で
経験したことのなかった、
チームワークというものだけが
生み出せるものがあるということが学べて、
とても楽しいです。
ほぼ日 仕事はチームですると、より力が出せたり、
どんどん転がって大きくなったりしますから。

さらに、加奈子さん、
「my little paris」の
「my little box」が日本でも展開
するそうですね。

ますます忙しくなられるんだなということも
ありますが‥‥、
海外の展開は、日本がはじめてなんですね。
なぜ日本だったんでしょう。

Kanako
ファニーが日本好きだということがあります。
前から日本には目を向けていて。
季節ごとに贈りものをしあう習慣とか
かわいい雑貨好きなところとか。
フランスとも細かな共通点を
見いだしていたようです。

日本人のブロガーの方たちをパリに招待した時に、
とても評判が良かったこともあって。
日本でできたらなー、と思っていたようです。
ほぼ日 小冊子も毎回作っていて、
入れている化粧品の説明の紙や、
布バッグも毎回オリジナルで、
手間がすごいかかっていますね。

Kanako
日本で展開とか、ビジネスだけ考えたら
やらないかもしれません。
でも、そこからフィードバックを得て、
どうしたらもっと良くなるか考えるということ、
好奇心ありきの、ファニーらしいです。
ほぼ日 これ、秋からということはもうすぐですね。

Kanako
日本語のサイトもオープンしました。
パリ好きにはたまらない、
パリがぎゅっと詰まった感じになっています。
ほぼ日 わかります!!
「my little paris」のページを見ていると、
あのパリの空気を思い出します。
ぽわわん、としてしまいます。

加奈子さんはこれからも
全力で突っ走る感じだと思いますが‥‥。

Kanako
今まで、嬉しいびっくりがなにもない日が
一週間と続かない5年間でした。
どうなっちゃうの~って、ドキドキします。
ほぼ日 楽しそう~。

もし、これからパリに住みたい、
という人がいたら、なんてアドバイスしますか?

Kanako
どうしてもやりたかったら、
人間、どうしても
やってしまうものなのだと思います。
私はガッツも根性もないんです。
ただ、行かないで将来後悔するコワさの方が、
実際に行くコワさより
ずっとコワかったんです‥‥。
ほぼ日 へー‥‥。
加奈子さんの思う、自分のいいところは?

Kanako
欠点でもあると思うのですが、
しつこいところ。
それから、
もしかしたら、鈍感なところかもしれない。
アラサーでパリに意味もなく来たのは、
鈍感パワー以外のなにものでもないかと。
ほぼ日 今では、鈍感パワーばんざい、ですね。

Kanako
鈍感パワー、ばんざーい!(笑)


加奈子さん、ありがとうございました。

パリの野外展示会「les parisiens(レ・パリジャン)」
9月3日までです。
目抜き通りのシャンゼリゼにももちろんありますので、
パリに旅行するなど、
機会のある方は、ぜひ見に行ってくださいね。



(終わり)
               写真:とのまりこ(※印以外。)
2013-08-27-TUE