「聞く人」が、世界を優しく支えてる。 「聞く人」が、世界を優しく支えてる。
相手の話を聞くだけで、
その場の空気を明るくしてしまう人がいます。
『安住紳一郎の日曜天国』名アシスタントの
中澤有美子アナウンサーです。

「聞く」は「話す」の影に隠れがちですが、
「聞く人」が生み出している価値や効果は計り知れません。
もしかしたら、経済や誰かの人生まで支えているかも? 
そんな「聞く」の力を信じて突き進む中澤さんが、
「上手に聞きたい!」という人へ、
ご著書『口下手で、大丈夫  
~2.4秒に1回頷く、最強傾聴力~』
をもとに
傾聴のヒントをたくさんくださいました。

聞き手としての悩みを中澤さんに相談したのは、
ほぼ日の玉木、安木、松本です。
第7回 笑い泣きながら最後まで泳ぐ
玉木
中澤さんの本『口下手で、大丈夫』の冒頭にも、
「おはようございます。中澤有美子です」
という一言がありました。
我々リスナーとしては、聞き馴染みがある
印象的なフレーズですが、
毎週の生放送で同じフレーズを言うなかで、
「期待されている」と気負ってしまったり、
自然に言えなくなったりしたことは、
これまでありましたか? 
中澤
いやぁーー、
あまり考えたことがなかったです。
玉木
すごい。自然体なんですね。
中澤
そうですね。
花粉症で鼻が詰まっていたり、
風邪をひいちゃったり、
前日に子どもの応援で
声が枯れちゃったり‥‥
いろいろなコンディションがあるなかでも、
「きょうも同じ声を出したいな」という
思いでやっています。
玉木
お家でフレーズを練習されることも
あるのでしょうか。
中澤
その日の声の出方は、
家を出る前にひととおり確認しています。
「きょうは低めだな」とか、
「さ行が弱いな」とか、そういったことを
わかった上で、調整します。
よく、歌手のみなさんが
「昔のヒット曲を歌ってください」と
お願いされたときに、
昔のままで歌ってくださると、私は本当に
「ありがとうございます」と思うんです。
昔と同じように歌ってくれるということが、
なんだかとても
価値のあることのように思えて。
なので、私も20年間ラジオに出ていて
いろいろ変化はありますけど、
「おはようございます。中澤有美子です」
は、これからもずっと同じ感じで
いけたらいいなーと思っています。
写真
玉木
長くひとつの番組を
大事にされてきたなかで、
番組内でのどんな変化を感じますか。
中澤
前はちょっと躊躇して
言えなかったようなことも
口に出せるようになったり。
年を重ねて、ちょっと自意識過剰な部分が
削れてきたり‥‥ふふふ。
いろんな変化がありながらも、
毎週考えられるだけのサービスを考える、
その繰り返しですね。
玉木
中澤さんも『日曜天国』自体も、
放送のなかで、
感情をどこまで出すかということについて、
指針を持ち続けているような
気がするんです。
感動したときに涙を我慢して
進行を続けることも、
ひとつのプロフェッショナルかも
しれないですが、『日曜天国』は、
スタジオの安住さんと中澤さんが
本当に感動しているときに涙を流したり、
視聴者と同じような感情で振る舞うことが
たくさんある番組だなと感じて。
中澤
そうですね。
玉木
出てしまう感情は、コントロールしない
ものなのでしょうか。
それとも、ある一線は超えないように
されているのでしょうか。
中澤
基本的には、安住さんも私も、
自由に感情を出すようにしていると
思います。
ただ、片方の感情が
止まらなくなってしまったときは、
もう片方がスッと冷めて進行に集中します。
だから、いざとなったら
スッと冷めることのできる自分も
残してはいるのかもしれません。
玉木
一度、ご家族からのお手紙を
安住さんが読もうとされて、
感動して読めなくなってしまったとき、
中澤さんがサッと代わって、
代読されたことがありましたよね。
私はその放送がなんだか忘れられなくて。
中澤
ありがとうございます。
玉木
放送の内容に感動したのはもちろんですが、
中澤さんの「いまいちばん
やらなきゃいけないことは、
このお便りをリスナーのみなさんに
届けることだ」という意思を感じたんです。
中澤
いちおう、「The show must go on.」なので。
最後まで、岸辺まで泳ぎ着かなければいけないから、
読めるほうが読むということで、
代読させていただきました。
すごく笑っていても、泣いていても、
提供読みのときはスッとしている
つもりなので、その意味では
冷たい人間なのかもしれません(笑)。
写真
玉木
どこかにスイッチをお持ちなんですね。
社員ながら、ほぼ日がちょっと普通の会社と
違うかもしれない、いいなと思うのは、
ミーティング中に爆笑が起こったり、
仕事中に本気で感動して
泣いている人がいたりするところなんです。
塩梅を見ながら、
感情を出していけたほうが、
じつはそれぞれの人のキャラクターが
わかるんじゃないかと思ったりします。
中澤
ほんとにそうだと思います。
大人が、日常のなかで、
感情を振り切って出せる場は
なかなかないので、
そのような場はとても求められていると
思います。
玉木
大事なときは「スッ」となれるよう、
自分の役割を忘れないようにしながらも、
感情を出していけたらと思います。
きょうはありがとうございました。
この本からも、きょうのお話からも、
口下手な人や、
どうやったらうまく
相手の話を聞けるんだろうと
悩んでいる人へのヒントをたくさん
受け取りました。
中澤
いやあ、ほんとにとつとつと
お話してしまって、すみません(笑)。
安木
とんでもないです。
お話しされる言葉が
そのまま文章になりそうなほど
美しかったです。
中澤
えー、本当ですか。
私は、アウトプットが本当に苦手なので、
これからの課題だなと思ってます。
松本
えーーっ。
玉木
いやいやいや、そうは思いませんでした。
中澤
うれしいです。
ではでは、ありがとうございました。




(中澤さんとお別れして‥‥)
写真
松本
いやー、よかった。
ほんとに、お話が聞けてよかったです。
安木
もう、明日からというか、
いまから使える「聞き方」を
たくさん教えていただきましたね。
松本
メモじゃ足りないと思って、
手に書きました。
「自分から先に笑う」ということを
絶対忘れないように、「ほほえみ」って。
写真
▲思わず手にメモした「ほほえみ」
(終わります。
お読みいただき、ありがとうございました。
中澤さんの傾聴術、試してみてください!)
2026-09-28-MON