相手の話を聞くだけで、
その場の空気を明るくしてしまう人がいます。
『安住紳一郎の日曜天国』名アシスタントの
中澤有美子アナウンサーです。
「聞く」は「話す」の影に隠れがちですが、
「聞く人」が生み出している価値や効果は計り知れません。
もしかしたら、経済や誰かの人生まで支えているかも?
そんな「聞く」の力を信じて突き進む中澤さんが、
「上手に聞きたい!」という人へ、
ご著書
『口下手で、大丈夫
~2.4秒に1回頷く、最強傾聴力~』をもとに
傾聴のヒントをたくさんくださいました。
聞き手としての悩みを中澤さんに相談したのは、
ほぼ日の玉木、安木、松本です。
- 玉木
-
中澤さんの本『口下手で、大丈夫』の冒頭にも、
「おはようございます。中澤有美子です」
という一言がありました。
我々リスナーとしては、聞き馴染みがある
印象的なフレーズですが、
毎週の生放送で同じフレーズを言うなかで、
「期待されている」と気負ってしまったり、
自然に言えなくなったりしたことは、
これまでありましたか?
- 中澤
- いやぁーー、
あまり考えたことがなかったです。
- 玉木
- すごい。自然体なんですね。
- 中澤
-
そうですね。
花粉症で鼻が詰まっていたり、
風邪をひいちゃったり、
前日に子どもの応援で
声が枯れちゃったり‥‥
いろいろなコンディションがあるなかでも、
「きょうも同じ声を出したいな」という
思いでやっています。
- 玉木
- お家でフレーズを練習されることも
あるのでしょうか。
- 中澤
-
その日の声の出方は、
家を出る前にひととおり確認しています。
「きょうは低めだな」とか、
「さ行が弱いな」とか、そういったことを
わかった上で、調整します。
よく、歌手のみなさんが
「昔のヒット曲を歌ってください」と
お願いされたときに、
昔のままで歌ってくださると、私は本当に
「ありがとうございます」と思うんです。
昔と同じように歌ってくれるということが、
なんだかとても
価値のあることのように思えて。
なので、私も20年間ラジオに出ていて
いろいろ変化はありますけど、
「おはようございます。中澤有美子です」
は、これからもずっと同じ感じで
いけたらいいなーと思っています。
- 玉木
- 長くひとつの番組を
大事にされてきたなかで、
番組内でのどんな変化を感じますか。
- 中澤
-
前はちょっと躊躇して
言えなかったようなことも
口に出せるようになったり。
年を重ねて、ちょっと自意識過剰な部分が
削れてきたり‥‥ふふふ。
いろんな変化がありながらも、
毎週考えられるだけのサービスを考える、
その繰り返しですね。
- 玉木
-
中澤さんも『日曜天国』自体も、
放送のなかで、
感情をどこまで出すかということについて、
指針を持ち続けているような
気がするんです。
感動したときに涙を我慢して
進行を続けることも、
ひとつのプロフェッショナルかも
しれないですが、『日曜天国』は、
スタジオの安住さんと中澤さんが
本当に感動しているときに涙を流したり、
視聴者と同じような感情で振る舞うことが
たくさんある番組だなと感じて。
- 中澤
- そうですね。
- 玉木
- 出てしまう感情は、コントロールしない
ものなのでしょうか。
それとも、ある一線は超えないように
されているのでしょうか。
- 中澤
-
基本的には、安住さんも私も、
自由に感情を出すようにしていると
思います。
ただ、片方の感情が
止まらなくなってしまったときは、
もう片方がスッと冷めて進行に集中します。
だから、いざとなったら
スッと冷めることのできる自分も
残してはいるのかもしれません。
- 玉木
- 一度、ご家族からのお手紙を
安住さんが読もうとされて、
感動して読めなくなってしまったとき、
中澤さんがサッと代わって、
代読されたことがありましたよね。
私はその放送がなんだか忘れられなくて。
- 中澤
- ありがとうございます。
- 玉木
- 放送の内容に感動したのはもちろんですが、
中澤さんの「いまいちばん
やらなきゃいけないことは、
このお便りをリスナーのみなさんに
届けることだ」という意思を感じたんです。
- 中澤
- いちおう、「The show must go on.」なので。
最後まで、岸辺まで泳ぎ着かなければいけないから、
読めるほうが読むということで、
代読させていただきました。
すごく笑っていても、泣いていても、
提供読みのときはスッとしている
つもりなので、その意味では
冷たい人間なのかもしれません(笑)。
- 玉木
-
どこかにスイッチをお持ちなんですね。
社員ながら、ほぼ日がちょっと普通の会社と
違うかもしれない、いいなと思うのは、
ミーティング中に爆笑が起こったり、
仕事中に本気で感動して
泣いている人がいたりするところなんです。
塩梅を見ながら、
感情を出していけたほうが、
じつはそれぞれの人のキャラクターが
わかるんじゃないかと思ったりします。
- 中澤
- ほんとにそうだと思います。
大人が、日常のなかで、
感情を振り切って出せる場は
なかなかないので、
そのような場はとても求められていると
思います。
- 玉木
-
大事なときは「スッ」となれるよう、
自分の役割を忘れないようにしながらも、
感情を出していけたらと思います。
きょうはありがとうございました。
この本からも、きょうのお話からも、
口下手な人や、
どうやったらうまく
相手の話を聞けるんだろうと
悩んでいる人へのヒントをたくさん
受け取りました。
- 中澤
- いやあ、ほんとにとつとつと
お話してしまって、すみません(笑)。
- 安木
- とんでもないです。
お話しされる言葉が
そのまま文章になりそうなほど
美しかったです。
- 中澤
- えー、本当ですか。
私は、アウトプットが本当に苦手なので、
これからの課題だなと思ってます。
- 松本
- えーーっ。
- 玉木
- いやいやいや、そうは思いませんでした。
- 中澤
- うれしいです。
ではでは、ありがとうございました。
(中澤さんとお別れして‥‥)
- 松本
- いやー、よかった。
ほんとに、お話が聞けてよかったです。
- 安木
- もう、明日からというか、
いまから使える「聞き方」を
たくさん教えていただきましたね。
- 松本
- メモじゃ足りないと思って、
手に書きました。
「自分から先に笑う」ということを
絶対忘れないように、「ほほえみ」って。
▲思わず手にメモした「ほほえみ」
(終わります。
お読みいただき、ありがとうございました。
中澤さんの傾聴術、試してみてください!)
2026-09-28-MON
(C) HOBONICHI