風が通り抜ける

ビーチサンダルをペタペタいわせながら歩く、
海までの道。
浜辺で食べる母のおにぎり。
うそみたいにきれいな色した、
かき氷のシロップ。
離れで過ごす、子どもだけの時間。
春が過ぎて、梅雨が来て。
季節が進むと思い出すのは、
父が育った海辺の家で過ごした記憶。
大きな畳の部屋に、
叔母が家族分のふとんを用意してくれて、
そこでみんなでごろごろと寝る。
暑いと言っても、
今ほどではなく、
戸を開けはなっていれば眠れる、そんな時代。
蚊帳に囲まれていると、
なんだかわくわくしてうれしかった。
そうだ、今思えば、
「風が通り抜ける」ということを意識したのは、
あの頃が最初だったのかもしれないなぁ。
今週のweeksdaysは、
Le pivotのツイルワイドシャツ。
袖口や襟元から風が入っては抜ける、
風通しのいいシャツなんです。
伊藤まさこ
2025-07-04-FRI