REPORT

やさしいタオルのチームが、
やさしいタオルのライバルを
つくりました。

伊藤まさこさんと「ほぼ日」がつくる、
「weeksdays」のための、あたらしいタオル。
ん──? 「ほぼ日」には「やさしいタオル」があるよ?
それとはちがうの?
そうなんです、このタオル、
つくっているメンバーも、工場も、綿という素材も、
「やさしいタオル」と同じ! ‥‥なのですけれど、
まったくちがうタイプのものを考えたのでした。
そのいきさつ、ちがい、個性を、ご紹介します。

伊藤まさこさんと「ほぼ日」の
おつきあいのはじまりは、
「やさしいタオル」からでした。

2010年の秋、タオルのリニューアルを終え、
さあいよいよ発売だ! というタイミングで、
写真のスタイリングをしていただいたのと同時に、
ほんとうにほしいタオルのはなし。」という座談会に、
大橋歩さんといっしょに出席いただいたのでした。

このときの伊藤さんの意見は、
「ごわごわのタオルがほしい」というもの。
「やさしい」を身上とするタオルをつくってきた
「ほぼ日」としては、たいへんおどろきつつも、
そうだよなあ、そういうタオルが好きな気持ちはわかる、
でもぼくらはこっちに行きます! と考えたのでした。

いまも伊藤さんには
「やさしいタオル」のスタイリングをお願いしていますが、
この8年のあいだに、伊藤さんといっしょに、
「やさしいタオル」をベースにした
いろいろな製品をつくってきています。
白一色のタオルや、麻を混紡したタオル、
それからタオルケットなど、
いずれも、基本的には「やさしいタオル」の特徴である、
片面パイル、片面ガーゼという組成を変えずにきています。

▲伊藤さんと「ほぼ日」がつくった「&」というシリーズの、白い「やさしいタオル」。伊藤さんは温泉に行く時や家に赤ちゃんが遊びに来た時の肌がけとして使っているそうですよ。

そんななか、今回「weeksdays」で、
伊藤まさこさんとつくることになったタオル。

これ、じつは「やさしいタオル」とは、
まったくちがうタオルなのです。

●今治の藤高さんの力を借りて。

「やさしいタオル」をつくっている
愛媛県今治市のタオルメーカー
「藤高」(ふじたか)さん。
創業100年になるという老舗で、
タオルの生産売上高は国内1位の大手です。
‥‥大手なんですけれど、
「やさしいタオル」をいっしょにつくっていて思うのは、
藤高さんのものづくりには、
中心には「人」がいる、ということ。

▲藤高の現社長である、藤高豊文さん。

▲タオルの開発は、技術担当のみなさんといっしょに考え、つくっています。今治の藤高本社にて。

糸の開発から染め、織り、プリント、
そのデザインを立ち上げる段階から、
サンプルをつくり、生産管理をし、
納品されるまでのあいだ、
また、納品されたあとのケアまで、
ずっと「人」とつくっている感覚があるのですね。

▲素材は原糸から考えます。

▲本社工場のようす。機械生産ですが、やっぱり人が重要!

藤高さんからしてみたら、
「ほぼ日」はおそらく小さな取組先。
すくないロットでたくさんのデザインをつくりたいという
ちょっとワガママなこのチームにたいして、
ほんとうに丁寧におつきあいくださっているのです。

今回の「やさしいタオル」じゃないタオルをつくるにあたって、
私たちは、藤高さんにお願いをしたいと考えました。

ここまでお読みいただいておわかりと思いますが、
「weeksdays」と「やさしいタオル」は、
担当メンバーがほぼ同じ!
「やさしいタオルのライバル」をつくるのは、
ほかならぬ「やさしいタオルチーム」なのでした。

●やさしいタオルとのちがいはなに?

今回「weeksdays」で発売するタオルは
2種類あります。
「やさしいタオル」とくらべながら、
特徴を説明しますね。

1)両面が、パイルです。

ガーゼとパイルの二重織りではなく、
「weeksdays」のタオルは、両面がパイルです。
素材はコットン100%です。

2)まっしろです。

チェックやストライプ柄を織り込んだり、
プリントをすることなく、
「weeksdays」のタオルは、まっしろ。
精練したさらしの白い糸を使っています。

3)「さっぱり」と「ふかふか」、
  ふたつの種類があります。

2種類の糸をつかって、
2種類のタオルをつくりました。

ひとつめのタオルは「さっぱり」という名前。
さらっと、かたく、しっかり使えるタオルを目指し、
「やさしいタオル」のパイルと同じ、
ヴィーナスシードという糸を使っています。

もうひとつのタオルは「ふかふか」。
ふんわり、やわらかいタオルをめざし、
「スピンエアー」という、
糸の中心に空洞をもつ糸を使っています。
使った印象は、「やさしいタオル」よりも、
やわらかく、空気を含んでふわふわです。

4)サイズは2つ、バスとフェイス。

「weeksdays」のタオルは2サイズです。

バス 1300×680mm
「weeksdays」のタオルを
最初に1枚だけ、というかたに
ぜひおすすめしたいサイズです。
お風呂のあと、シャワーのあとだけでなく、
枕カバー、肌掛けなどなど、
ぜひ毎日のいろんな場面で
使っていただきたいサイズです。

フェイス 800×340mm
一般的なフェイスタオルにくらべ、
ちょっと大きめです。
キッチン、パウダールーム、
トイレなどでのふだん使いに、
そしてバスタオルと組み合わせてバスルームで、
など、いろいろな場面に活躍します。
ちょっとしたプレゼント、御挨拶代わりなどにも
ぜひお使いください。

5)ていねいに仕上げています。

糸をいためないよう、
必要最小限の薬品を使用して精錬漂白をしています。
通常、白さを引き立てるために使用されることが多い
蛍光増白剤は一切使用していません。
また加工の際の水の流速もインバーターで制御、
糸にダメージを与えない様に細心の注意を払っています。
(このあたりが、藤高さんのすごいところ!)
さらに、素材の良さをいかすために
常温・常圧で時間をかけて
遺伝子組み換えをしていない、
アミラーゼを主体とした酵素で糊抜きをしています。
‥‥と、かなり専門的な話ですけれど、
そんなふうに手間と時間をかけることで、
素材の本来持っている特性をいかし、
繊維にもともとある油分をほんのすこし残すことで、
吸水性と柔らかさ、という
ほんらい相反する2つの特徴を満たすことができました。
ちなみに、理想の柔らかさを出すため
あえて必要最小限の風合い調整剤を加えています。

6)四国山脈の伏流水で洗っています。

タオルをつくる最終段階の「洗い」。
そこに使っているのは四国高縄山脈の伏流水です。
軟水で入念に洗うことで生地に薬品を残さないよう、
敏感肌にも優しいタオルづくりを目指しました。

7)タグは「weeksdays」。
  ハンガーループはありません。

できるだけシンプルにしたかったので、
「やさしいタオル」についている
ハンガーループはありません。
タグには「weeksdays」のロゴが入っています。

2018-08-12-SUN