おしゃれな女性ファッション誌『sweet』で
連載中の「シンVOW」では、
毎回、すてきなゲストをお迎えし、
VOWについてあれこれ語りあっております。
このページでは、紙幅の都合で
『sweet』に載せきれなかった部分を含め、
たっぷりロングな別編集バージョンをお届け。
担当は、VOW三代目総本部長を務める
「ほぼ日」奥野です。どうぞ。

>ROLLYさん プロフィール

ROLLY(ローリー)

音楽活動にとどまらず、ミュージカルや舞台などさまざまな分野で才能を披露する永遠のロックスター。総本部長のマイギターヒーロー。ロックにとどまらず、日本の歌謡曲やシャンソンにも造詣が深い。とにかく、いろいろ天才的なお方!

前へ目次ページへ次へ

第2回 くやしくて、くやしくて

──
VOWとは‥‥
選ばれし感性を共有する者同士を繋げる、
「仲間を見つけるためのツール」だった。
たしかに、おっしゃるとおりです!
ROLLYさんの言葉で、
大切なことに気付かせていただきました。
ROLLY
とんでもございません。
──
でも、本当にそう。VOWをお渡ししても
眉ひとつピクリとも動かさない、
口角を1ミリも挙げない人は当然いるし。
ROLLY
気の合う仲間と出会うためのツールやね。
VOWって。
──
その意味でROLLYさんは、
すでに、ぼくらの気の合う仲間ですよね!
それがうれしいなあ。
たしか、けっこう昔のVOWの単行本にも
インタビューとかで
ご出演いただいこともありましたよね?
ROLLY
(VOW単行本をパラパラとめくりながら)
いや、どうでしょうね。
出てそうだけど、じつは出てないかも‥‥
だって、ビックリハウサーだったから‥‥
ハッハッハ!
──
あれ、何がおもしろかったですか、いま。
ROLLY
「いつもフンを放置してくれてオオキニ」

──
ワンちゃんのお供えものをチクリと(笑)。
ROLLY
最高やね。こっちもいいですよ。
「この付近に糞をした犬は死にます」。

──
わはは、いろいろアウトです。
いまの時代。
ROLLY
いやあ、相変わらずおもしろい。
1970年代くらいの映画とかドラマには、
漫画を読んで
「ハッハッハ、ハッハッハ、ハッハッハ」
って大笑いする人が出てきたじゃない。
──
はい。「腹を抱えて」って感じで。
ROLLY
あんなふうにわかりやすく大笑いする場面、
現実にはないと思うんですよ。
──
ですね。ふだんの生活では、なかなか。
ROLLY
VOWはある。VOWを読んでるときは。
ちょっと、わざとらしく笑っちゃうくらい。
「ハッハッハ、ハッハッハ、ハッハッハ」。
でもね、さっきも話に出たけど、
おもしろくない人にはおもしろくないから、
そこが、おもしろいのよね。
──
ROLLYさんは、
いつごろVOWを読んでいたんですか。
ROLLY
80年代‥‥いや、これ、VOWは『宝島』?
──
はい。
ROLLY
ということはね、
ぼくは『宝島』も当然読んでたんですけど、
どっちかっていうと
『ビックリハウス』という雑誌を読んでて。
──
さっきもチラっとおっしゃってましたよね。
『宝島』というよりも『ビックリハウス』、
パルコ出版。
弊社の社長が連載していた
「ヘンタイよいこ新聞」も載っていました。
ROLLY
当時、『ビックリハウス』の読者のことを
ハウサーと呼んでいたけど、
ぼくはね、じつはハウサーだったんですよ。
──
ロックなイメージは『宝島』ですけど。
ROLLY
そうだよね。
みうらじゅんさんをはじめて知ったのも
『ビックリハウス』な気がするけど、
みうらさんは、どっちにも出てたもんね。
──
VOWでは漫画を描いてくださったり。
『VOWでやんす』という
スピンアウト企画もの責任編集とかも
やってくださっています。
ROLLY
ぼくはね、大阪府高槻市というところで
生まれたんですけど、
『宝島』とか
『ビックリハウス』のおもしろさってね、
関西風味じゃないのよね。
──
宝島とパルコだし「東京」って感じがして、
正直「いけ好かなかった」と、
当時「田舎の高校生」だった
現代の日本を代表する画家・山口晃さんも
おっしゃってました。
ROLLY
ぼくはそこまで思わなかったけど、
関西のギャグセンスと、ちょっとちがうね。
だから、その当時の関西人にこれ見せたら
「なんやねん、こんなもん」と。
──
ええ。
ROLLY
「なんやねん、こんなもん。オモロイで」。
──
わはは(笑)、だったらうれしいけど。
ROLLY
ぼくがよく覚えているのは、
『宝島』って、
ケラ(リーノ・サンドロヴィッチ)さんの
ナゴム系の人たちが。
──
はい、よく出てましたよね。有頂天とか。
ROLLY
ナゴムレコードというところには、
ケラさんの有頂天がいて、
大槻ケンヂの筋肉少女帯もその系統でしょ。
電気グルーヴのふたりがやってた、人生も。
──
あとは、たまとか。
ROLLY
ぼくは、ケラさんと同い年じゃないかなあ。
ということは大槻ケンヂは年下なんです。
そういう、ぼくと同世代もしくは
ぼくよりもちょっと下くらいの人たちが、
あんなふうに、
東京の華やかな雑誌で脚光を浴びていて。
──
ええ。
ROLLY
自分が、とてもみじめに感じたものです。
同じような世代の
パンク、ニューウェイヴっぽい人たちが、
東京のおもしろい雑誌に載っている。
一方、電器屋さんで、
給料5万円ではたらいている自分は
パンクでもニューウェイヴでもなかった。
──
ハウサーだった。
ROLLY
そう、『ビックリハウス』は読んでたけど、
ふだんは、
高槻市というド田舎の電器屋さんの店員に
すぎなかったわけです。
地元の本屋さんで『宝島』を立ち読みして、
唇を噛み締めて、拳をグーに握ってました。
──
なんと。
ROLLY
くやしくて、くやしくてね。

◎具合が悪いのでしょうか 👉️看板不調。(栃木県/のりさん)♨️店長、いまわの際か。い、い、いらっしゃいませ、お客さま、ご、ご照覧あれ‥‥ガクッ。 ◎具合が悪いのでしょうか 👉️看板不調。(栃木県/のりさん)♨️店長、いまわの際か。い、い、いらっしゃいませ、お客さま、ご、ご照覧あれ‥‥ガクッ。

(つづきます)

2025-11-13-THU

前へ目次ページへ次へ
  • 街でヘンなモノを見つけたらこちらからVOWに投稿してね!(外部サイトへ)