おしゃれな女性ファッション誌『sweet』で
連載中の「シンVOW」では、
毎回、すてきなゲストをお迎えし、
VOWについてあれこれ語りあっております。
このページでは、紙幅の都合で
『sweet』に載せきれなかった部分を含め、
たっぷりロングな別編集バージョンをお届け。
担当は、VOW三代目総本部長を務める
「ほぼ日」奥野です。どうぞ。

>石川直樹さん プロフィール

石川直樹(いしかわ・なおき)

エベレスト・8848メートル、K2・8611メートル、カンチェンジュンガ・8586メートル……と世界に14座ある8000峰すべてに登頂成功した石川さん。写真家では初。 新刊『最後の山』も絶好調。VOWも好き。なんて素晴らしい人だ!

1977年東京都生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。2008年『NEW
DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞。2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞。2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞。2023年、東川賞特別作家賞を受賞した。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最新刊に『シシャパンマ』(平凡社)、『K2』(小学館)、『最後の山』(新潮社)などがある。

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第2回 エベレストからVOW?

──
石川さんから投稿が届いたら、
ひとりでガッツポーズすると思いますよ。
ひとり編集部だから、深夜にひとりで。
ちなみに、いままで撮ってきたっていう、
「ヘンな写真」というのは、
これまでは、どっかに出してたんですか。
石川
どこにも載せず、消すことが多いです。
──
もったいない!
まあ、
パブリックイメージというのもあるしね。
8000メートル峰14座を登頂した写真家、
世界を飛び回る「石川直樹」という。
石川
ついこの間も、大阪の街を歩いていたら、
透明なゴミ袋にぎゅーっと詰め込まれた
「たけのこの里」の空き箱が、
ものすごく大量に捨てられてたんですよ。
もう、「何百個」ってレベルで。
スマホで撮ったから‥‥これ。これです。

石川さん提供「道端に捨てられていた大量の『たけのこの里』の空き箱、『きのこの山』2箱を添えて」 石川さん提供「道端に捨てられていた大量の『たけのこの里』の空き箱、『きのこの山』2箱を添えて」

──
ホントだ。狂った量ですね。
石川
なんでこんなに食べたんだろうと思って。
大好きなのかなあ。
思わず撮りました。
で、手で持って持ち上げてみたんですよ。
ひょっとしたら、
まだ中身が入ってるかもしれないって。
そしたら軽かったんで、
やっぱり、ぜんぶ中身はぜんぶ食ってた。
──
わはは、確認が細かい(笑)。
でも、極地じゃちょっとした確認不足が
命取りですもんね。
その写真も、じゃあ、どこにも載せずで。
石川
インスタのストーリーには載せたのかな。
でも、すぐ消えるから。
──
証拠が残らないようにしてる!
石川
しかも、よく見たら
「きのこの山」が2箱くらい混じってて。
ほら、こことここ。
──
最高だなあ(笑)。
カッコいい写真集をしこたま出してる
石川直樹さんが、
VOWな写真を密かに撮ってたなんて。
世の中、捨てたもんじゃない!
石川
インスタの本投稿には、
アホらしくて載せられないけど、
つい撮っちゃうんです。
でも、出すところがないんです。
たまーにストーリーに出すくらいで。
──
次からは、ぜひVOWでお願いします。
そういう、おかしな写真の出し先は。
石川さんの写真論として有名な言葉に
「心が動いたらシャッターを切る」
ってあると思うんですけど、
じゃあ、VOWネタにも、心が動いて?
石川
そうでしょうね。撮ってるってことは。
ただ、これまで
あんまり意識してなかったんだと思います。
俺、こういうの好きなんだなってことに。
久しぶりにVOWを見て気づきました。
VOW的なものに、
思えば昔からけっこう反応してたんですよ。
──
じゃ「石川直樹VOW」とか、
つくろうと思えばつくれるってこと?
石川
いやあ‥‥たくさん撮ってたんだけど、
VOWっぽい写真。
iPhoneの容量がいっぱいになって、
一気に削除しちゃったりしたんで‥‥。
──
手狭になったらまっさきに捨てられる。
それがVOW.。
本もデータも一緒か(笑)。
石川
だって、使い道がなかったから。
──
じゃあ5年後につくりましょうよ。
いまから撮りためておいて。
石川
5年あれば、つくれるかもしれない。
──
おお、ホントですか!
石川さんならではのVOWができそう。
世界中を旅しているわけだし。
石川
そうそう。海外にもたくさんあるよね。
ヘンなもの。ネパールとか、とくに。
このまえも博物館に入ったとき、
大真面目に「イエティ」の展示してて。
──
イエティってヒマラヤのUMAですか。
雪男みたいなやつ。
石川
それが、ものすごい手づくり感のある
おかしな人形なんですよ。
いくらなんでもこれはイエティじゃないだろ、
みたいな。
そういうのは迷わず撮っちゃいますね。
──
VOWな石川直樹作品‥‥見たい。
石川
あるいは、あるお寺に、
雪男の頭の皮だと書かれた展示物があって、
おそらくクマの皮とかなのかな‥‥
でも、当然ふざけた展示じゃないんですよね。
本気なんですよ、
ウケを狙ってるわけじゃない。
当たりまえだけど。
そういうところは、VOWっぽい。
──
さすが、わかってらっしゃる。
そういうセンスオブVOWを解する人が、
同時に、
やすやすと国境を超える脚力と
カメラとを持っている‥‥。
VOW投稿人としては最強じゃないですか。
石川
おもしろいかも。
──
「石川直樹のVOW of the World!」ですね。
世界をめぐっている人はたくさんいても、
VOWのマインドを持って
8000メートル峰を登っている人って、
なかなかいないですよね。
石川
でしょうね。
──
エベレストの頂上で撮ったVOWを
そこから投稿するなんて、
世界広しといえども石川直樹だけ‥‥。
石川
そんな余裕はないから(笑)。

◎少し不気味じゃありませんか 👉️ジャングルジムよりよっぽど怖いと思う。(大阪府/なんでガリバー?)♨️わざわざ夜中にライティングして撮ってるのもあると思うけど、たしかにコワい。ただ、1000年このまま残ったら古代人のアート作品として珍重されるかもしれませんね。 ◎少し不気味じゃありませんか 👉️ジャングルジムよりよっぽど怖いと思う。(大阪府/なんでガリバー?)♨️わざわざ夜中にライティングして撮ってるのもあると思うけど、たしかにコワい。ただ、1000年このまま残ったら古代人のアート作品として珍重されるかもしれませんね。

(つづきます)

2025-12-13-SAT

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