
こんにちは。
喫茶店とマッチが好きな、ほぼ日の
です。
喫茶店マッチが好き! という気持ち一つで
連載した「喫茶店マッチが好きだから」では、
神保町の喫茶店やマッチ工場など
「喫茶店マッチ」にまつわるあれこれをめぐりました。
その後も、喫茶店めぐりは続けており、
どこかへ出かける時はSNSで近くの喫茶店を検索するのが、
習慣になっています。
いつものように喫茶店を探しているなかで
偶然タイムラインのおすすめに出てきた
1枚のイラストが目に止まり、
わあ! と、トキメキを感じたのが、
画家・塩谷歩波さんの「純喫茶図解」でした。
実際に建物を計測して描かれるだけでなく、
こだわりのインテリアや、テーブルに置かれたコーヒーカップ、
そこに訪れる人びとまで細かに描きこまれた喫茶店の魅力が
ぎゅぎゅっと詰まったイラスト。
みていると、実際に喫茶店で過ごしている時の気持ちを
思い出すような‥‥。
そんなイラストを描かれる塩谷歩波さんの
アトリエへおじゃましたあと、
図解を描くため、一緒に喫茶店へ行ってきました。
トキメキだらけの純喫茶図解の世界。
全5回です。
- むかえ
- 塩谷さんの作品はほんとうに描写が
細やかですてきだなと思っているのですが、
ひとつの図解を描くまでには
どれくらいの時間がかかるのでしょうか。
- 塩谷さん
- そうですね‥‥。
最初にまずお店に依頼をして、
「いいですよ」ってなったら、
営業時間前の1時間半くらい
お時間をいただき、実測をします。
- むかえ
- 実測からはじまる。
- 塩谷さん
- はい。ぜんぶ測ります。
そのデータをまずメモして、
写真を1件あたり300枚くらい撮ります。
- むかえ
- 300枚‥‥!
- 塩谷さん
- 写真を撮ったあとは、
お店のかたに建物のことやお店のことなど
いろいろとインタビューをします。
もちろん、そこでご飯を食べたりもして(笑)。
- むかえ
- ちゃんとお客さんとして、
純喫茶をたのしむことも大事なんですね。
- 塩谷さん
- その後データを持ち帰って、
アトリエで下描きをします。
- むかえ
- おお!
ここが塩谷さんのアトリエ空間。
- 塩谷さん
- はい、ここでいつも絵を描いています。
最初は手描きでやるんですけれども、
ある程度建物の枠が見えた段階でスキャンをして、
人や細かいものはデジタルで描きます。
- 塩谷さん
- それができたら印刷して、
水彩紙と呼ばれる固い紙に描き写して、
最後に色を塗ります。
- むかえ
- 手書きとデジタルを両用しているんですね。
- 塩谷さん
- そうですね。
これが、下描き中の作品です。
- むかえ
- わあ!! 細かい!!!
- 塩谷さん
- これは、ホテルです。
- むかえ
- 部屋がたくさん‥‥。
ホテルってこうなってるんだ。
- むかえ
- あ、この壁に飾られている純喫茶図解は‥‥!
- 塩谷さん
- これは上野にある喫茶店、
「古城」の原画です。
- むかえ
- 「古城」、行ったことがあります!
知っている場所なはずなのに、
この部分はこうなってたんだ〜と、
新しい発見がいっぱいありますね。
- 塩谷さん
- この作品は、
個人的にいちばん大変でした。
- むかえ
- 大変ポイントは、ちなみに‥‥?
- 塩谷さん
- 描く物がとても多いんです(笑)。
- むかえ
- 確かに(笑)。
でも、店内のちいさく描かれた置物とか
すごくじっくり見ちゃいます‥‥。
- 塩谷さん
- ああ、ありがとうございます。
できるだけ建物のよさが見えるように
描いているんですけれども、
自分の中で不十分だなと思うことがものすごくあって。
- 塩谷さん
- これは、「アイソメトリック」
っていう描き方なのですが、
手前の壁を描けてないんですよね。
- むかえ
- 「アイソメトリック」というのは、
具体的にどういう描き方なのでしょうか?
- 塩谷さん
- 平面図をちょっと傾けて、かつ、
高さを描くっていう方法なんですね。
「アクソメトリック」と
「アイソメトリック」っていう
2種類あるんです。
アクソメは角度が90度、アイソメも
120度と決まっているんですけど‥‥。
っていうか私がそのあたりを結構
自己流にやっているから、
本当はどちらとも言えないんです(笑)。
- むかえ
- (笑)斜め上からカメラで見下ろしている感じですね。
- 塩谷さん
- はい、俯瞰でみているような感じです。
俯瞰でみることで描けてない部分にも
面白いところがあるし、
足りないところをできる限り表現したくて、
こういうちっちゃい絵を描いてるんですよね。
- むかえ
- 俯瞰で描けない部分もあるからこそ、
ちいさな絵も描かれてるんですね。
塩谷さんの図解はSNSを通してみたときも
すてきだなと思ったのですが、
やはり原画をみると、
タッチの細かさに見入ってしまいます。
- 塩谷さん
- ありがとうございます。
- むかえ
- これまで塩谷さんが描かれた図解を見ていたら、
ワクワクを抑えられなくなってきました。
- 塩谷さん
- ふふ。
- むかえ
- 実は今回、ある純喫茶の
図解を描いていただけるということで‥‥。
- 塩谷さん
- はい、よろしくお願いします。
- むかえ
- これからいっしょに
図解を描いていただく純喫茶へ
向かいたいと思います。 - お店の取材にいく時は、
いつも何を持っていかれるのですか?
- 塩谷さん
- 計測機、ノートとペン。
あと、メジャーです。
- むかえ
- すごいシンプルな持ち物ですね。
- 塩谷さん
- ‥‥よし! 持ちました!
- むかえ
- それでは、純喫茶へ行きましょう!
たのしみです!
(図解を描いていただく純喫茶へ。つづきます)
2026-05-20-WED
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画家・塩谷歩波さんの
純喫茶図解を中心とした展示
「トキメキの純喫茶図解展」を開催します。これまで描かれた数々の『純喫茶図解』、
そして、塩谷さんの原点ともいえる『銭湯図解』の
原画展示を行います。会場では『純喫茶図解』グッズの
販売もおこないます。東京建築祭開催中の「神田ポートビル」でも
『純喫茶図解』の展示をおこないます。
△神田ポートビルの2階「ほぼ日の學校」©️ゆかい神田ポートビルの2階「ほぼ日の學校」にて
「純喫茶図解」の原画17点の展示をおこないます。
東京建築祭の期間限定で一般公開中の
神田ポートビルは、
元印刷会社をリノベーションした
建物としてのおもしろさもたっぷりの会場。
ぜひ、東京建築祭とあわせて
「トキメキの純喫茶図解展」をおたのしみください。『純喫茶図解』
コンテンツ冒頭の図解「Coffee Shopギャラン」や、
ほぼ日の本社がある神保町の純喫茶「さぼうる」など、
塩谷歩波さんが2年間かけて描いた
18軒の「純喫茶図解」がまとまった
イラストエッセイ集です。お求めはこちらから。

