なんにもなかったところから、
舞台とは、物語とは、
どんなふうに立ち上がっていくのか。
そのプロセスに立ち会うことを、
おゆるしいただきました。
舞台『てにあまる』の企画立案から
制作現場や稽古場のレポート、
さらにはスタッフのみなさん、
キャストの方々への取材を通じて、
そのようすを、お伝えしていきます。
主演、藤原竜也さん。
演出&出演、柄本明さん。
脚本、松井周さん。
幕開きは、2020年12月19日。
担当は「ほぼ日」奥野です。

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第12回 初日。

撮影/宮川舞子 撮影/宮川舞子

舞台『てにあまる』は、
本日12月19日(土)の夜、初日を迎えます。
ぼくも観客のひとりとして、観に行ってきます。
ただただ純粋に、楽しみです。
また、柄本さんといっしょにやりたい――。
約2年前、藤原竜也さんが
おっしゃった言葉をきっかけに動き出した企画。
いったい、どんな物語がうまれたのか。
簡単なレポート記事を週明け月曜日に更新して、
この連載をおしまいにしようと思います。
プロデューサーをつとめる柳本美世さんはじめ、
宮奈々子さん、冨永美帆さんの
3名のホリプロ制作チームから、
今回の取材のお話をいただいたのが7月くらい。
それから5ヶ月ほどの間、
少し近い場所から内側を見せていただくなかで、
舞台をつくりあげるという仕事の、
たいへんさ、おもしろさ、やることの多さ、
関わる人たちの熱量などが、伝わってきました。
加えて今年は、新型コロナウィルスへの対策も
大きな課題でしたから、
実に簡単でない道のりだったと思います。
多くて週に数度、1回2時間ほどのペースで
取材させていただいた自分も、
まずは、PCR検査で陰性をたしかめてから、
稽古場に入りました。
毎回、洋服を替えて、新しいマスクに替えて、
検温をして、手指を消毒して、
持参した内履きに履き替えて、
最低限の荷物だけ持って稽古場に入りました。
最後の何日かは稽古も取材も佳境だったので、
制作チームとも、
頻繁に顔を合わせていたのですが、
取材者としての立場から外れたいまは、
ゾーニングの観点から、会えなくなりました。
それだけ感染対策には万全を期していましたし、
そのことは、このカンパニーだけでなく、
いまの時期イベントに関わるみなさんすべてに、
あてはまる努力なんだろうと思います。
この『てにあまる』も、
最終日まで、ぶじに開催されることを祈ります。
劇場へ観に行かれる予定の方は、
お気をつけて、
でも、物語を楽しんいただいけたら、
自分もうれしいです。

撮影/宮川舞子 撮影/宮川舞子

(最終回、初日の観劇レポートへ続きます。)

2020-12-19-SAT

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