
南伸坊さんと糸井重里が
あちこちを小旅行しながら、
めくるめく雑談をくりひろげる、
そこそこ人気のシリーズ、黄昏。
思えばずいぶん久しぶりの新作です。
奈良に居を移したゲージツ家、
「クマ」こと篠原勝之さんと話します。
それぞれが二十代のころから
とっくに雑談し合ってる3人、
はたしてどこまで行くのやら。
どうぞ、のんびりおつき合いください。
必然、「老いと死」についても語ります。
糸井重里(いといしげさと)
コピーライター
株式会社ほぼ日会長
雑談オールラウンダー。
ダジャレもシモもどんどん行く。
タコの話なども得意。
南伸坊(みなみしんぼう)
イラストレーター
エッセイスト
蓄積した雑学から雑談を展開。
さまざまなモノマネ経験あり。
タコの話なども得意。
篠原勝之(しのはらかつゆき)
ゲージツ家
作家
鉄や土の作品をつくる一方、
文筆家としても活躍し、
泉鏡花文学賞を受賞する。
過去のエピソード豊富。
- 糸井
- 伸坊の絵って、ことばも添えてあって、
両方をサッと描いてるみたいな
感じがするんだけど、
あれはどうやってつくってるの?
- 南
- だいたいいっしょにやる感じだね。
まあ、先に絵を描いてから、
文字を足したりとか。
- 糸井
- 絵を完成させたあと、
字で間違ったりしたとき、どうするの?
ホワイトで消す?
- 南
- え? 文字を、間違ったとき?
- 糸井
- うん。間違わない?
- 南
- いや、そんなに‥‥
難しいことやってないから。
- 一同
- (笑)
- 糸井
- 長い原稿を書くときはどうしてる?
- 南
- 文章は、糸井さんもつかってた
200文字の原稿用紙に書いてる。
- 糸井
- ということは、いまも手書き?
- 南
- 手書き。
- 糸井
- 俺はもう、ぜんぜん手書きはしてない。
原稿用紙を持ってないもん、いま。
- 南
- そうなんだ。
- 糸井
- クマちゃんも原稿は手書き? パソコン?
- 篠原
- いや、パソコンじゃなくて、iPad。
- 糸井
- iPad! ちょっと意外。
- 南
- 小説とか、長い文章は、
手書きだとたいへんだからね。
- 糸井
- 昔は、原稿を書いてると、
手が疲れるっていう感覚があったよね。
いま、それはないなあ。
- 南
- でも、原稿の修正とか対談記事の修正なんかは、
パソコンでもとから直すよりも、
紙に書き入れたほうがわかりやすい。
- 糸井
- ああ、ぼくも修正は紙に書き入れたい。
なぜかというと、「直したい文章」が
残っていたほうが、いい直しが浮かびやすいから。
パソコンで直しちゃうと、
もとの「直したい文章」が消えちゃうからね。
- 南
- うん、うん、それはある。
- 糸井
- そもそも直すこと自体がイヤなんだけどね。
というか、原稿書くこともイヤなんだよ。
- 南
- でも、毎日書いてる(笑)。
- 糸井
- それもイヤでイヤでしょうがない。
よくみんな書くよね。
好きだったことないのよ、俺。
- 篠原
- 原稿書くのが?
- 糸井
- 原稿書くのが。
- 篠原
- 「おいしい生活。」とか書いてたときも?
- 糸井
- そういうのは、
「自分でクイズ出して解いてる」
みたいなもんだから、考えたり、
「あ、これはいいぞ」って
自分で思ったりするのは、うれしいわけ。
でも、なんか説明するのとか、
わかってもらうために書くのとかが面倒で。
- 南
- ああ、それはね、たしかに。
- 糸井
- でも、世の中には、
直したり推敲したりするのが
いちばん好きだっていう人もいるからね。
- 南
- 編集の人とかがさ、
「これはこっちに持ってきたほうが
わかりやすいですね」とか言って、
そのとおりにやってみると、
ちゃんと整理されてるんだよね。
- 糸井
- すごいなぁーと思うよ。
俺は、もう、書いたらそこから
できるだけはやく離れたい。
- 南
- (笑)
- 糸井
- あとね、わかってることを
書くのがすごくイヤなの。
しゃべるにしても、
この話をしようかなと思って、
そのまま順番に話していく、
みたいなのは無理なの。
でたらめなことのほうがよっぽど大事。
- 南
- ああ、ああ。でたらめね。
自分で言ってるんだけど
なに言うかわからないみたいな、
それはおもしろいよね、たしかにね。
- 糸井
- だって、伸坊とこの「黄昏」を
ずっと長いことやってるのは、
それじゃないですか。
- 南
- そうだね。
- 糸井
- クマちゃんが入ったらどうなるかなと
たのしみにしてたら、
やっぱり同じタイプの人だった。
- 一同
- (笑)
(だから「黄昏」っておもしろいんですねぇ)
2026-04-01-WED
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写真・山口靖雄(MountainDonuts)
これまでの「黄昏」シリーズ
黄昏
黄昏放談
黄昏 日光・東北編
黄昏 あちこち編
黄昏 スカート編
黄昏 ブータン編






