南伸坊さんと糸井重里が
あちこちを小旅行しながら、
めくるめく雑談をくりひろげる、
そこそこ人気のシリーズ、黄昏。
思えばずいぶん久しぶりの新作です。
奈良に居を移したゲージツ家、
「クマ」こと篠原勝之さんと話します。
それぞれが二十代のころから
とっくに雑談し合ってる3人、
はたしてどこまで行くのやら。
どうぞ、のんびりおつき合いください。
必然、「老いと死」についても語ります。

>糸井重里

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糸井重里(いといしげさと)

コピーライター
株式会社ほぼ日会長

雑談オールラウンダー。
ダジャレもシモもどんどん行く。
タコの話なども得意。

>南伸坊

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南伸坊(みなみしんぼう)

イラストレーター
エッセイスト

蓄積した雑学から雑談を展開。
さまざまなモノマネ経験あり。
タコの話なども得意。

>篠原勝之

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篠原勝之(しのはらかつゆき)

ゲージツ家
作家

鉄や土の作品をつくる一方、
文筆家としても活躍し、
泉鏡花文学賞を受賞する。
過去のエピソード豊富。

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第36回 書くのがイヤで


糸井
伸坊の絵って、ことばも添えてあって、
両方をサッと描いてるみたいな
感じがするんだけど、
あれはどうやってつくってるの?

南
だいたいいっしょにやる感じだね。
まあ、先に絵を描いてから、
文字を足したりとか。
糸井
絵を完成させたあと、
字で間違ったりしたとき、どうするの?
ホワイトで消す?
南
え? 文字を、間違ったとき?
糸井
うん。間違わない?
南
いや、そんなに‥‥
難しいことやってないから。
一同
(笑)

糸井
長い原稿を書くときはどうしてる?
南
文章は、糸井さんもつかってた
200文字の原稿用紙に書いてる。
糸井
ということは、いまも手書き?
南
手書き。
糸井
俺はもう、ぜんぜん手書きはしてない。
原稿用紙を持ってないもん、いま。
南
そうなんだ。
糸井
クマちゃんも原稿は手書き? パソコン?
篠原
いや、パソコンじゃなくて、iPad。
糸井
iPad! ちょっと意外。

南
小説とか、長い文章は、
手書きだとたいへんだからね。
糸井
昔は、原稿を書いてると、
手が疲れるっていう感覚があったよね。
いま、それはないなあ。
南
でも、原稿の修正とか対談記事の修正なんかは、
パソコンでもとから直すよりも、
紙に書き入れたほうがわかりやすい。
糸井
ああ、ぼくも修正は紙に書き入れたい。
なぜかというと、「直したい文章」が
残っていたほうが、いい直しが浮かびやすいから。
パソコンで直しちゃうと、
もとの「直したい文章」が消えちゃうからね。
南
うん、うん、それはある。
糸井
そもそも直すこと自体がイヤなんだけどね。
というか、原稿書くこともイヤなんだよ。
南
でも、毎日書いてる(笑)。
糸井
それもイヤでイヤでしょうがない。
よくみんな書くよね。
好きだったことないのよ、俺。
篠原
原稿書くのが?
糸井
原稿書くのが。
篠原
「おいしい生活。」とか書いてたときも?

糸井
そういうのは、
「自分でクイズ出して解いてる」
みたいなもんだから、考えたり、
「あ、これはいいぞ」って
自分で思ったりするのは、うれしいわけ。
でも、なんか説明するのとか、
わかってもらうために書くのとかが面倒で。
南
ああ、それはね、たしかに。
糸井
でも、世の中には、
直したり推敲したりするのが
いちばん好きだっていう人もいるからね。
南
編集の人とかがさ、
「これはこっちに持ってきたほうが
わかりやすいですね」とか言って、
そのとおりにやってみると、
ちゃんと整理されてるんだよね。
糸井
すごいなぁーと思うよ。
俺は、もう、書いたらそこから
できるだけはやく離れたい。
南
(笑)
糸井
あとね、わかってることを
書くのがすごくイヤなの。
しゃべるにしても、
この話をしようかなと思って、
そのまま順番に話していく、
みたいなのは無理なの。
でたらめなことのほうがよっぽど大事。

南
ああ、ああ。でたらめね。
自分で言ってるんだけど
なに言うかわからないみたいな、
それはおもしろいよね、たしかにね。
糸井
だって、伸坊とこの「黄昏」を
ずっと長いことやってるのは、
それじゃないですか。
南
そうだね。
糸井
クマちゃんが入ったらどうなるかなと
たのしみにしてたら、
やっぱり同じタイプの人だった。

一同
(笑)

(だから「黄昏」っておもしろいんですねぇ)

2026-04-01-WED

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  • 写真・山口靖雄(MountainDonuts)

    これまでの「黄昏」シリーズ

    黄昏

    黄昏放談

    黄昏 日光・東北編

    黄昏 あちこち編

    黄昏 スカート編

    黄昏 ブータン編