ニューヨークの路上で
魔法みたいにサッカーボールをあやつる
りゅートリックスさん。
その動画が、SNSで「バズった」ので、
ご存知の方も多いでしょう。
そんなりゅートリックスさんが、
糸井重里&「ほぼ日」乗組員の目の前で、
パフォーマンスを披露してくれたのです。
いやあ、すごかったなあ。
目が離せないんですよ、何だかもう。
ぼくらは、りゅートリックスさんを
ことあるごとに応援したいと思います!
さあ、みなさんにご紹介します。
フリースタイル・フットボールの
りゅートリックスさんです。どうぞ~!

>りゅートリックスさんのプロフィール

りゅートリックス プロフィール画像

りゅートリックス(りゅーとりっくす)

RyuTricks
1996年生まれ。早稲田社会科学部卒。
フリースタイルフットボーラー・コンテンツクリエイター。
大学卒業の次の日、就職せずにボールを持って渡米。
現地でストリートパフォーマンスをして生活しながら
アメリカ横断を達成。
ニューヨークでの動画が
国内外でニュースになるなど話題に。
現在SNS総フォロワーは約50万人。

Twitter → https://twitter.com/ryutricks?lang=ja

Instagram →
https://www.instagram.com/ryutricks/?hl=ja

 

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第5回 すっかり「人生相談」に。

りゅートリックス
いま、フリースタイル・フットボールを
やっている全員が、
どこへ向かうかわからない状態なんです。
糸井
グルメ芸人みたいに言われてる人も、
じつはチームがあって、手分けして
情報収集やまとめ作業をしていたり、
しているらしいんですけどね。
りゅートリックス
そうなんですね。
糸井
りゅーさんも、どこかで
チームを組んだらいいんじゃないかなあ。
フリースタイル・フットボールって、
見ていておもしろいし、
人は集まってくるし、可能性あると思う。
りゅートリックス
チームかあ。うまくいくかなあ。
糸井
ほら、マイケル・ジャクソンも、
「斜めに立った」ことで覚えられたけど、
あれって、
バックダンサーと一緒にやったから、
よりインパクトある瞬間になったわけで。
りゅートリックス
なるほど。
ぼく‥‥トリックを追求していくうちに、
一般の人にとって
どういう技が「驚き」なのか、
ちょっとわからなくなってきてしまって。
ふつうの人にも、わかりやすく‥‥って
思っていても、
どんどん玄人目線になっちゃってる気が。

糸井
そうなんだ。ふつうに、おもしろいけど?
りゅートリックス
あ、本当ですか。そうか‥‥。
糸井
恥ずかしがりだったって言ってたけど、
もう「カッコいい人の役」を
あるていど引き受けないとダメかもね。
りゅートリックス
そうなんですか! そこ、迷ってます。

糸井
ふつうのお兄ちゃんで
コドモにも優しい人だよっていうのは、
たまにならいいけど、
そこからバーっと羽ばたく瞬間が、さ。
りゅートリックス
いや、間違いないです、ほんとにもう。
近所の子どもにナメられまくってます。
糸井
あんちゃん、あれ、やってみてーとか。
りゅートリックス
ほんとそれです(笑)。
糸井
タキシードでとは言わないんだけどさ、
バリッと決めた場面を、
出していけたらいいんじゃないかなあ。
テレビの番組で、やることもあるの?
りゅートリックス
はい、よく声がかかるのは
「すごい人を発掘する番組」だったり、
チャレンジ系の企画ですね。
糸井
それも、少しもったいないよね。
りゅーさんの品質感が伝わらなさそう。
りゅートリックス
そのこともあって動画をがんばろうと。
5Gもきますし、そしたら、
動画コンテンツもどんどん増えますし。

糸井
そうなったときこそ品質感が大事だね。
りゅートリックス
はい、そうなったら
時間をもらうって意味での競合相手は、
同じジャンルの人たちだけじゃないと
思っています。
フリフリの洋服を着た
かわいい子たちとも戦わないと、とか。
糸井
かわいいのにボール扱いうまい、とか。
りゅートリックス
そんなのが来たら完敗ですよ!
倒しようがないじゃないですか(笑)。
糸井
ほんとだよね(笑)。
りゅートリックス
すっかり人生相談になってますが‥‥
ぼくにとって幸いだったのが、
世間の人たちが、
ほとんどこの競技を知らない段階で
はじめられたことなんです。
メジャーなスポーツを愛していたら、
きっと、どこかで挫折してた。
このことは完全に「運」だったです。
糸井
なるほど。
りゅートリックス
ニューヨークの路上で撮影した動画が
めちゃくちゃバズッたのも、
完全に幸運だったなって思ってますし。
いつもどおり「これいいじゃん」って
Twitterに上げて、
しばらくしたら重くて開かなくなって、
「え、何が起きてんの?」って。
糸井
ぼくだって、あの動画を見て、
「なんだ、これは!」って思ったしね。
りゅートリックス
いつもどおりのことをやってただけで、
たまたま1本の動画がハネた。
でもこれ、逆にいえば、
やり続ければ当たる確率はあるな、と。
糸井
打席にどれだけ立つか、なんですよね。
途中でやめちゃうんだよね、みんなね。
りゅートリックス
自分はこれからどうすべきなんだって、
自問自答の激しすぎる毎日が過ぎます。
糸井
でも、そういう「あがき」って、
いまの時期にしかできないことだから。
りゅートリックス
24時間、ボールと過ごせればいいと
思ってこの生活に入ったら、
よけいなことを考えはじめるんですよ。
どうやれば動画が伸びるだろう、とか。
そういうことにばかり時間をとられて、
かえって、
学生時代よりも練習量が減っちゃうし。
糸井
そうなんだ。
りゅートリックス
趣味だったときには、集中できました。
大学を卒業して、
これが生活そのものになった瞬間、
集中しなきゃってプレッシャーになり、
逆に集中できなくなったんです。
糸井
そこから一歩、踏み出したいよね。
りゅートリックス
踏み出す方向もわからない状態です。
糸井
でもさ、はたから見たら、
自分で思うほど低いとこにいないよ。
りゅートリックス
え、そうなんでしょうか。
糸井
うん。で、そういうふうに思うのは、
何かを長くやってくには、
必要な素質じゃないかと思いますね。
俺はぜんぜんたいしたことないって
思っていられるほうが、
自分自身に飽きないで済みますから。
りゅートリックス
ああ、なるほど。
そこは、自分の強みだと思います。
どれだけやっても飽きない、って。
糸井
開発とか発展の余地が、
まだまだ、あるスポーツなんだし。
きれいな写真を撮ったり、
動画もきちんとつくりこむことは、
そこに絡んでくる話だと思います。
りゅートリックス
そうか‥‥そういう意味でも。
糸井
大丈夫、基礎点は取れてますから。
自問自答するのは結構なんだけど、
いま見えている自分と、
研ぎ澄ました先の理想の自分とを
交差させるように
イメージしていったらどうかなあ。
りゅートリックス
交差‥‥はい、がんばります。
糸井
この先、何日という単位で、
どんどん変わっていくよ、たぶん。
ポテンシャル、たっぷりあるから。
また、声かけていいですか?
りゅートリックス
はい、もちろんです!
今日は、ありがとうございました。
糸井
ぼくも、おもしろかったです。

(おわります)

2020-01-10-FRI

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