この1月から3か月間、
TOKYO FMの平日の夜に流れていたのは
「ねるまえのまえ」という番組です。
おのののかさんと関取花さんが
平日2日ずつ、パーソナリティを担当。
番組が終わったあとは、
毎日手書きの「放送後記」が
Twitterにアップされていきました。
その「放送後記」に使ってくださっていたのが、
ほぼ日手帳でした。
パーソナリティ、スタッフ、リスナー、
みんなで共有した「放送後記」手帳のこと、
それをきっかけにそれぞれが使いはじめた
個人のほぼ日手帳のことを、うかがいました。

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第2回 じぶんと向き合う、それぞれの手帳のこと。

放送がある日も、ない日も、
ほぼ日手帳に毎晩つづられる「放送後記」。
それをきっかけに、
『ねるまえのまえ』チームのみなさんに
ほぼ日手帳の輪が広がりはじめました。
パーソナリティのおのののかさん、関取花さん。
さらにスタッフの方々。
最近、ほぼ日手帳を使いはじめたばかりの
みなさんにお話をききました。

書くことで吐き出して、次に行ける。
おのののかさん
(ほぼ日5年手帳)

5年手帳とペンを枕元のちいさなテーブルに置いて、
毎晩寝る前に書いてます。
酔っ払ったときだけは、
次の朝に書くこともありますけど(笑)。
書きたいことがあふれたときは
右側のフリースペースにはみ出して書くんです。
だから、年によって色が違ったほうが
あとあと見やすいかな? と思って。
今年のわたしのラッキーカラーを調べたら緑だったので、
1年めは緑色のペンにしました。

私、へんに几帳面なところがあって、
ちょっとでもサボったり、
雑に書いたりするところがあると、
もう投げ出したくなっちゃうんです。
昔、日記を書こうと思ったことがあるんですよ。
そのときは毎日のことを五七五七七にまとめようとして、
3日で終わりました(笑)。
でも前回、番組の手帳カバーを選ぶときに
ほぼ日のみなさんとお話ししたじゃないですか。
そこで「最初の1ページを書くとき、わざと雑に書いたら
ハードルが下がって続けやすくなる」と
教えていただいたのを実践してみたら、
今までちゃんと続いています。
寝ながら書くこともあるから、
字も雑だし、2、3行のときもある。
でも、私しか読まないから、
ギリギリ読めるくらいの字でいいか! って開き直ってます。

この前、免許の更新に行ったんですよ。
次の更新は4年後なので、その日の手帳には
4年後の自分へのメッセージを残しました。
プライベートのことも書いてあるし、
仕事についても、いいことを書くときもあれば、
超ネガティブなことを吐き出すこともある。
でも一旦書いてしまえば、
次の日には気持ちが切り替わるんです。

この先5年を考えると、
もしかしたら結婚してる可能性だってある。
そう思うと、すごく変化のある5年間になるはず。
それを自分の手で残せるって、すごくいいなって思います。
ただ、あまりに自分のことをさらけ出しているこの手帳は、
もし結婚しても、旦那さんには見せられないですけど(笑)。

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profile
おのののか

1991年、東京都出身。
「東京ドームのビール売り子No.1」として注目を集める。
テレビのバラエティ番組やCM、ドラマなどで活躍。
RIZINのメインキャスター、
B.LEAGUE Hopeアンバサダーなど、
スポーツに関する仕事にも多数携わっている。
Instagram:@ononono_ka
Twitter:@ononono_ka

筆跡にほんとうの気持ちが隠れてる。
関取花さん
(ほぼ日手帳オリジナル)

ことしの1月半ばから、
日常で気になったことや印象に残ったことを
書きとめています。
歌詞を書くときのヒントとか、
エッセイのネタになれば、と。
なるべく毎日書くようにしていますけど、
無理したら続かないから、
何も気に留める余裕がなかった日は
「なかった」って書いてある(笑)。

これまでは「ネタ探しに行くぞ」と
目的を決めたうえで街歩きをして、
気になったことをスマホにメモしていたんです。
でも、音楽も、ものを書く仕事も、
生活に即していないと苦しくなるし、
出てくるものもつまらない、つくりものになってしまう。
そこを打破するやり方がずっとわからなかった。
「一日が終わって、覚えてることだけを
ほぼ日手帳に書く」ようにしたら、
わざわざネタ探しに行かなくても、
日常が残るようになってきた気がします。
どうしても人前に出る仕事、書く仕事をしていると
意識的に見せよう、書こうとしちゃう。
でも、「誰に見せるものでもないし、
毎日書くことがなければそれでいいし」
と思えるようになって、
逆に自分がわかるようになったかもしれない。

読み返して自分で興味深かったのは、
「今日はいい日だった」と書いてあった日、
その字がすごく乱暴で
「絶対イライラしてるよね」ってわかったこと。
ひとこと言ってやりたかったけど我慢しちゃったこととか、
いろいろ全部ひっくるめて飲み込んで
「いい日だった」って書いてある。
でも、筆圧とか雑さかげんで、
その「ひっくるめたところ」をちゃんと思い出すんです。
言葉だけ前を向こうとしていても、
透けて見えるその気持ちが、面白いなって。

ちなみに、父はほぼ日手帳のヘビーユーザーなんです。
仕事用とプライベート用で2冊、
さらに今年からは5年手帳も書きはじめました。
私がほぼ日手帳を使うようになってから、
週に2、3回LINEが来るようになって。
「ほぼ日仲間へ。自分もまだまだだと思った」って、
手帳の下に書いてある「日々の言葉」に
線を引いた写真が送られてくるんです。
同じ手帳を使っているというだけで、
父の心境がなんとなくわかる。
今までにないコミュニケーションが生まれているのが、
ありがたいです。

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profile
せきとりはな
1990年、神奈川県横浜市出身。
愛嬌たっぷりの人柄と伸びやかな声、
そして心に響く楽曲を武器に歌い続けるソロアーティスト。
NHK「みんなのうた」への楽曲書き下ろしやフジロック等
多くの夏フェスへの出演、
ホールワンマンライブの成功を経て、
2019年メジャーデビュー。
ミニアルバム「きっと私を待っている」発売中!

通常盤CD + DVD
2,300円+税
Instagram @dosukoi87
Twitter@dosukoi87

平日は仕事、週末は子ども。
悩みが詰まってます。

TOKYO FMプロデューサー
堀内宣典さん

(ほぼ日5年手帳)

1月1日から5年手帳を使いはじめて、
今日まで続いています。
こんなに毎日手帳を書くなんて、生まれてはじめてですよ。
最初は恥ずかしさもあったのかな、
あったできごとだけをたんたんと書いていた。
でもたぶん、後から読み返したときに
自分の内面を綴ったほうが面白いな、と思って、
いまは気持ちをぜんぶ書くようにしています。
出会いと別れの多い番組改編期だからこそ、
最近は悩みを書くことが多いかもしれません。

4月から、憧れだった番組「SCHOOL OF LOCK!」の
プロデューサーになります。
と同時に、10年間やってくれたパーソナリティーが変わる。
ぼくもラジオ好きだから、
リスナーの気持ち、よくわかります。
パーソナリティーが変わるって、
最初、受け入れがたいのです。
そういう意味で、プロデューサーとして最初の仕事は、
ウェブサイトにリスナーへの手紙を書くことでした。
手帳にも「こんな番組にしたい」って思いが
たくさん書いてあります。

土日は一転、子どもの野球のことしか書いてません。
子どもはいま小4で、
近所の小学校のクラブではキャプテンだった。
僕も昨秋までそこで監督をやっていた。
今年から、強豪クラブに移籍したんです。
週末は朝から晩まで練習。でもさすがに選手層が厚くて、
いきなり試合には出られません。
僕自身も、今はただのお父さんコーチでしかない。
「小4でこんな挫折を味わわせる必要あったのかな?」
って妻と話し合ったりしてる。

仕事も子育ても、ほんとうに激動の時期なんです。
だからいまの気持ちは、初心を忘れないって意味でも、
ちゃんと書き残しておきたいなって思います。

絵を描くのが好きだったこと、
思い出しました。

エフエム東京 営業
岩井智弘さん

(ほぼ日手帳オリジナル)

去年の夏、偶然TOBICHIの前を通りかかったのが
僕とほぼ日手帳との出会いでした。
ミナ ペルホネンの「bird」にひとめぼれして、
「今すぐ使える手帳はどれですか?」と
前のめりに聞いて(笑)。
昨年夏から「avec」を使いはじめました。

僕はいま社会人4年めですが、
前職は広告代理店で、
スケジュールはすべてデジタル管理でした。
でもラジオの会社にいると、
なんだか手書きの手帳がしっくりくるんです。
最初は仕事のメモを書くぐらいだったんですが、
いまは半分お絵かき帳になっています。
学生時代から絵を描くのが好きだったんですよ。
でも社会人になって、
ちょっとそのことを忘れていた気がします。
「そういえば僕、絵が好きやったな」
と思いながら描いています。
お酒を飲んだあと、カフェに入って酔いをさましながら
絵を描いている時間がけっこう楽しいんです。
いつでも描けるように、
カラーペンと色鉛筆、持ち歩いてるんですよ。

今日はインタビューがあるってわかってたから、
好きなものをたくさん、気合を入れて描きました!
ほぼ日手帳は見返すのが面白いですよね。
仕事でも「この時、
こういう会話をしたな」ってすぐわかる。
いつでも見返せるように、
去年の手帳もずっと持ち歩いてるんです。

自分をととのえる手帳。
橋本颯希(木曜ディレクター)&
池上みあ(水曜アシスタントディレクター)

ほぼ日手帳weeks

橋本さん(以下、メイ)
私、本名は「さつき」なんですけど、
番組内で「メイD」という
ニックネームをつけてもらったので、
表紙にメイちゃんのシールを貼りました。
池上さん(以下、みあ)
私はアイディア手帳として使おうと思って、
メモページに「人生でやりたいこと」と
「いま好きなもの」を
書き出してみました。随時更新予定です!
メイ
私、昨年の4月に入社して、
「ねるまえのまえ」で初めて
ディレクターデビューしたんです。
選曲は全部ディレクターの仕事。
だから週間ページには
「何を選曲して、何がダメだったか」を
書き出しました。
みあ
私も生放送の帯番組のADは初めてでした。
しかもディレクターもパーソナリティーも
女性というプロジェクト。
ようやく緊張がほぐれてきたけど、
最後まで気を抜かないようにしなきゃ。
メイ
ディレクターという仕事は、
目を配らなきゃいけないことがたくさんあって、
「これは覚えてられないぞ」と
手帳に何でも書きました。
できないこともたくさんあった。
でも憧れのディレクターさんに
「できなかったことを
翌週1個できるようになれ」と言われて、
手帳に書いたバツ印が減らせるように、
毎週挑んでました。
そう簡単には減らないですけど....。
みあ
私は昨日、久しぶりにあった祖母に
言われたことがメモしてあります。
「若い頃の苦労は買ってでもしろ」
「努力は思いがけない人が見ている」。
メイ
泣ける....。おばあちゃんの言葉、
「日々の言葉」に入っててほしい!
みあ
メイさんも私も、
書きとめたことを見返して、
次の自分につなげていけたらって、ね?
「今日のくよくよやくたくたを
明日に持ち越さないよう、
自分をととのえる」というのが
『ねるまえのまえ』のコンセプトだったから。
メイ
そうだね。そんなふうに
「ととのえる」ための手帳にしたいです。

3か月の放送期間中、
「ねるまえのまえ」チームは
1冊の手帳でつながっていました。
番組が終わっても、
みなさんがそれぞれの手帳に
じぶんの毎日を残す日々は
これからも続いていきそうです。

(おわります)

2020-03-22-SUN

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  • 番組放送、いよいよあと4日!

    「ねるまえのまえ」最終週が
    3/23(月)〜26(木)、毎晩20時から
    放送されます。
    寝る前の前の時間に聴くのにぴったりの
    おしゃべりと音楽の1時間半。
    ぜひ、聴いてみてくださいね。