ふたつの対談をいったりきたり

こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。
ご存知だと思いますけど、
ここ数ヶ月内に、我らがラヂヲ先生は
2冊の本をお出しになりました。
ひとつは『わるい猫』といいまして、
SNS時代の最新の4コマ漫画。
もうひとつは
『和田ラヂヲのここにいます』で、
往年の4コマ作品を復刻した大部の著。
それらの刊行記念として、
前者は画家のヒグチユウコさんと、
後者は旧知のゆかいな仲間たちと、
それぞれ別の日に、別の場所で、
それぞれ楽しく
おしゃべりしていただいたんですが。
あれ、あれあれあれ?
なんだか時空が歪んでいるような‥‥
パラレルワールドにでも、
まぎれこんでしまった‥‥ような‥‥。

前へ目次ページへ次へ

202X年某月某日 おしゃべり with ゆかいな仲間たち 07 売れてほしい

──
それではラヂヲ先生、最後にあらためてですが、
こうしていま、
目の前の「ヘヴィー級」と「超ヘヴィー級」を
ごらんになって、どう思われますか。
ラヂヲ
単純に、「俺、こんなに描いてたんだなあ」と。
──
わはは、「マンガ」を。

ラヂヲ
あらためて見返すと、
ああ、これが俺の漫画人生の一部だったんだな、
若いころの自分が凝縮されたかたちなのかなと。
とくに「ここにいます」は
最初のヒット作だったんで、感慨深いですよね。
──
青春のまぼろしみたいな
「ヘヴィー級」というコンセプトが、
何十年かあとに、
こんな姿となって会いに来てくれた。
ラヂヲ
だから、売れてほしいですよ、やっぱり。
藤江
本当に。
小林
うん。売れてほしいです。
──
数々の作品を世に問うてきた先輩方が
「売れてほしい」って、グッと来ます。
100部限定の「超ヘヴィー級」は、
もう売り切れちゃうと思うんですけど。
吉田
普及版の「ヘヴィー級」のほうは、
まだまだ在庫はございますので、ぜひ。
──
実際に中身を読もうとなった場合には、
「ヘヴィー級」のほうが、
圧倒的に読みやすいでしょうしね。
ラヂヲ
そうそう。
──
人生を豊かにする分厚い表紙&裏表紙が
ついていないぶんだけ。
ラヂヲ
どっちかっていうと眺めるものなのかな。
「超ヘヴィー級」のほうは。
少なくとも電車では読めないと思うんで。
──
無理でしょうね。
ラヂヲ
保安検査場では止められそうな気がする。
藤江
たしかに。
──
「マンガ本です」「ウソをつくな!」と。
「超ヘヴィー級」の表紙や裏表紙などに
1冊1冊ちがう絵が描かれていますが、
そのお仕事は、もう、終わったんですか。
ラヂヲ
描いたよ‥‥100冊。
小林
おおー。
ラヂヲ
死ぬかと思った。いちばんヘヴィーだった。
──
わはは、そこでしたか(笑)。
ラヂヲ
とはいえ、愛情を込めて描いていますので。
時間はかかったけど、
よろこんでもらえる本ができたと思います。
──
藤江さんは、いかがですか。
若かりしころに担当していたシリーズが、
こんなカタチとなって、
この令和の時代に、
しかも、別の版元から出たわけですけど。
藤江
いやあ、その間20年以上あるんですよね。
そのことが、またいいですよね。
20年前にいちど終わったものが、
タイムトンネルみたいに時空をくぐり抜けて
いま目の前に戻ってくるって。
ちょっとね、いま、ドキドキしているんです。
ありがとうございます、本当に。

ラヂヲ
カッコよくできてよかったなと思うんですよ。
やっぱり。
だって、これがダサかったら、
ダサさも超ヘヴィー級になってしまうからね。
──
そのあたりはもう、小林さんの手腕で。
小林
久しぶりに、楽しんでやらしてもらいました。
こことか勝手に「4K」マーク入れてるし。
──
あ、これは「勝手に」でしたか(笑)。
小林
はい。もう、誰にもなんにも言わずに(笑)。
藤江
当時も、ぼくがアオリの文言を出すの遅いと、
小林くんは
勝手に何か文言を入れてデザインしてました。
「アオリこんなん入てみたけど、どう?」
「ええな」みたいな。
あの感じが残ってるのも、いいんですよまた。
小林
俺が個人的に気に入ってるアオリはこれです。

──
わはは、「お会計はレジまで」!
そのへんはもう、
編集の藤江さんとデザイナー小林さんの間の
ラリーなわけですね。
ラヂヲ
お任せですね。
藤江
いろいろ一緒くたになってつくってましたよ。
小林
どっちがデザイナーで、
どっちが編集かえわからんぐらいの感じでね。
──
ドリームチームだなあ。
ラヂヲ
こんなドリームチームあるかい(笑)。
でも、本当に、そんなふうにつくったほうが、
やっぱりおもしろいものになるよ。
藤江
途中から既刊を紹介するコーナーをつくって、
ぼくが書いてるんですけど、
当時の某有名音楽誌のパク‥‥いやパロ‥‥
いや、オマージュになってるんです。
──
一目瞭然ですよ(笑)。
小林
あと、このへんの感じは『Olive』だよね。
デザインはもちろんだけど、
文章もすごく『Olive』に寄せてるんです。
藤江
「恋のグレイシー占星術」。
──
わはは、柔術じゃなくて(笑)。
ホイス・グレイシーが占ってくれるのかな。
小林
じつにくだらないですねえ。
──
ラヂヲ先生ご本人の人柄があってこその遊び、
みたいな感じが、本当にすばらしいです。
ラヂヲ
きみら、やりたい放題じゃないか!
──
そのツッコミも当時と同じなんでしょうね。
本日は、
先輩方のとんでもない仕事を拝見しました。
本当に勉強になりました。
ありがとうございました。
藤江
勉強にならないほうが‥‥(笑)。
でもこちらこそ、楽しかったです。
小林
ありがとうございました。
ラヂヲ
ありがとうございました。

・
・
・
・
・

(2つの時空にまたがる超時間おしゃべりはこれにて終了。
永遠に読み続けたい方は、
「01 おしゃべり with ヒグチユウコさん」へ戻るがよい‥‥)

2026-08-30-SUN

前へ目次ページへ次へ
  • 好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    SNSにアップされた数百本の4コマ作品を
    再編集のうえ書籍化した『わるい猫』、
    傑作『和田ラヂヲのここにいます』を中心に
    1990年代の作品を
    ラヂヲ先生自ら選定・再編集した
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』。
    どちらも、うれしい厚みで、
    どちらも、どこから読んでもおもしろい。
    『わるい猫』はこちらにて、
    『和田ラヂヲのここにいます 超ヘヴィー級』
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』は、
    ともにこちらで絶賛販売中です!
    また、ヒグチユウコさんのボリス雑貨店でも
    サイン入りの『ヘヴィー級』が
    まだ販売中なのを確認しました
    (「新商品」のカテゴリの前から3ページ目、
    2026年8月17日【月】午前10時現在)。

    ちなみに‥‥ねんのためにおつたえしますと、
    昨年『わるい猫』発売のタイミングで
    ヒグチさんとラヂヲ先生に対談していただき、
    その原稿まとめをモタモタしているうち、
    ヘヴィー級&超ヘヴィー級の
    『和田ラヂヲのここにいます』が出てしまい、
    今回「超時間おしゃべり」と銘打って、
    ふたつの対談を同時掲載することにしました。
    パラレルワールドには迷い込んでいません。