ふたつの対談をいったりきたり

こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。
ご存知だと思いますけど、
ここ数ヶ月内に、我らがラヂヲ先生は
2冊の本をお出しになりました。
ひとつは『わるい猫』といいまして、
SNS時代の最新の4コマ漫画。
もうひとつは
『和田ラヂヲのここにいます』で、
往年の4コマ作品を復刻した大部の著。
それらの刊行記念として、
前者は画家のヒグチユウコさんと、
後者は旧知のゆかいな仲間たちと、
それぞれ別の日に、別の場所で、
それぞれ楽しく
おしゃべりしていただいたんですが。
あれ、あれあれあれ?
なんだか時空が歪んでいるような‥‥
パラレルワールドにでも、
まぎれこんでしまった‥‥ような‥‥。

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202X年某月某日 おしゃべり with ゆかいな仲間たち 06 印刷所の人も「こんなのはじめて」

──
みなさん、長いお付き合いなんですね。
何かもう、青春ですね!
ラヂヲ
3人が3人ともデビューしたて、
新人だったころからのつきあいだしね。
──
ちなみに、いま、お年は‥‥。
小林
ぼくと藤江くんは、ほぼ同い年ですね。
ぼくが
『ヤンジャン』で仕事をはじめたのが
9月くらいで、
その次の年の新入社員が藤江くん。
おたがい関西だったので、気が合って。

ラヂヲ
ぼくが、ふたりよりいくつか上かな。

藤江
ぼくも、和田さんのことを
本当におもしろいなあと思ってたから、
どうにか担当になりたくて。
ラヂヲ
最初の作品の『スカの群れ』って、
たしか半年で終わったんだよ、連載が。
藤江
そうでした。
ラヂヲ
そのあと代わったんです、藤江くんに。
1ページものでデビューして
まだ4コマ描いた経験もなかったけど、
藤江くんが
「和田さん、4コマ描いてみませんか」
って言ってくれて。
藤江
ええ。
ラヂヲ
そうか、4コマかあ。大変そうだなと。
──
わはは、4コマ描かねばならないぞと。
ラヂヲ
というか、1ページに2本だから。
──
ああー、なるほど。
ようするに、『スカの群れ』のときは、
1ページにネタ1本だったから。
ラヂヲ
そうです、そうです。
4コマだと2ネタになるよね。
でも、ギャラは同じだよね。
これは大変だぞと思いました。
藤江
いやあ、懐かしいです。

──
若かりし日から、月日は流れ流れて‥‥。
こうして、かつてお三方で構想した
「ヘヴィー級」ができて、
のみならず
「超ヘヴィー級」までできちゃって。
小林
これまで話したような流れがあったから、
今回こそはカタチにしたい‥‥
的な、ちょっとした使命感もありました。
藤江
持ったら、本当に重たいな(笑)。
小林
製本所の人にだいぶ迷惑をかけました。
何度、束見本をつくってもらったのか。
──
100部限定の「超ヘヴィー級」の方は、
おそらく手作業でしょうし。
完成形へ至るまでのバリエーションも
けっこうあったんですか。
吉田
はい、あります。
表紙と裏表紙の合紙の枚数だとか‥‥
とくに背の布がむずかしかったですね。
布によってはヨレたり、
よけいなシワとか浮きが出ちゃったり。
──
だって見たことないですもん(笑)。
本としてはもちろんのこと、
物体としても「未知との遭遇」ですよ。
吉田
印刷所の方も、
「こんなのはじめて」と言ってました。
ラヂヲ
「こんなのはじめて」って(笑)。
そりゃそうだよなあ。
吉田
この世になかったものをつくったんです。
印刷所の方は、
「カタチにしてみないとわからないな」
とずっとおっしゃっていて、
とにかくつくるしかないんだなと(笑)。
ラヂヲ
最初で最後だろうね。
──
たくさんの学びがあったってことですね。
これまで、祖父江慎さん装丁、
手塚治虫さんの豪華本三部作などはじめ、
百戦錬磨の
888ブックスの吉田さんをもってしても。
吉田
めちゃくちゃありました。
ただし、次に活きるかはわからないです。
次につくる人がいるかどうかが
わからないので(笑)。
小林
でも、すごい時間かかっちゃいましたね。
すみませんでした、本当に。
ラヂヲ
構想3年くらい?
──
あの、富山のアツい夜から‥‥。
吉田
それくらいかなあ。
小林
吉田さんが事務所へ依頼に来たときから、
1年以上は経ってますもんね。
──
そのとき、こんなものがうまれようとは。
吉田
思ってなかったです。
──
それは、小林さんの脳裏にも‥‥?
小林
こういうものができるとは、ねえ。
──
ただ「ヘヴィー級」という言葉だけが、
あった。
小林
そうですね(笑)。
藤江
でも、この令和の現代で、
この構想を受け止める人がいるだなんて
思ってもみませんでした。
──
本当に。さすが888ブックスさんだ。
気合いの入り方がちがう。
吉田
いえいえ。
逆に大きい出版社ではできないので。
うちのようなところでしか、たぶん。
──
素朴な疑問として、本というものは
どれだけ厚くてもいいんですか。
吉田
はい、製本できる限りは。
──
どんなに厚くても、罰則はない?
藤江
わはは、罰則って(笑)。
ラヂヲ
怒られたりしたらイヤだなあ(笑)。
──
とにかく、令和の奇跡ですよね。
藤江
奇跡です。
吉田
そういってもらえると、うれしいです。
保田
和田さんファンの方も、
Xでつぶやいてたような気がします。
令和に見れるとは思いませんでした、
みたいなことを。
ラヂヲ
車止めだもんね。まるで。
藤江
黒いバットも折れると思う(笑)。
ラヂヲ
ご自宅の車止めにも、ぜひどうぞと。
小林
素晴らしいね。
──
いやあ、グッと来るなあ。
みんなで青春の忘れものを探しにいって、
みごとに見つけ出したんだ。
ラヂヲ
何かが完結した感じはありますな。
小林
ありますねえ。
ラヂヲ
やっと成仏したよね。
あのころの、俺たちの思いが。

・
・
・
・
・

(一方そのころ、もうひとつの時空では。
次回、
07 おしゃべり with ヒグチユウコさん
へと続く)

2026-08-28-FRI

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  • 好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    SNSにアップされた数百本の4コマ作品を
    再編集のうえ書籍化した『わるい猫』、
    傑作『和田ラヂヲのここにいます』を中心に
    1990年代の作品を
    ラヂヲ先生自ら選定・再編集した
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』。
    どちらも、うれしい厚みで、
    どちらも、どこから読んでもおもしろい。
    『わるい猫』はこちらにて、
    『和田ラヂヲのここにいます 超ヘヴィー級』
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』は、
    ともにこちらで絶賛販売中です!
    また、ヒグチユウコさんのボリス雑貨店でも
    サイン入りの『ヘヴィー級』が
    まだ販売中なのを確認しました
    (「新商品」のカテゴリの前から3ページ目、
    2026年8月17日【月】午前10時現在)。

    ちなみに‥‥ねんのためにおつたえしますと、
    昨年『わるい猫』発売のタイミングで
    ヒグチさんとラヂヲ先生に対談していただき、
    その原稿まとめをモタモタしているうち、
    ヘヴィー級&超ヘヴィー級の
    『和田ラヂヲのここにいます』が出てしまい、
    今回「超時間おしゃべり」と銘打って、
    ふたつの対談を同時掲載することにしました。
    パラレルワールドには迷い込んでいません。