ふたつの対談をいったりきたり

こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。
ご存知だと思いますけど、
ここ数ヶ月内に、我らがラヂヲ先生は
2冊の本をお出しになりました。
ひとつは『わるい猫』といいまして、
SNS時代の最新の4コマ漫画。
もうひとつは
『和田ラヂヲのここにいます』で、
往年の4コマ作品を復刻した大部の著。
それらの刊行記念として、
前者は画家のヒグチユウコさんと、
後者は旧知のゆかいな仲間たちと、
それぞれ別の日に、別の場所で、
それぞれ楽しく
おしゃべりしていただいたんですが。
あれ、あれあれあれ?
なんだか時空が歪んでいるような‥‥
パラレルワールドにでも、
まぎれこんでしまった‥‥ような‥‥。

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202X年某月某日 おしゃべり with ゆかいな仲間たち 03 あいつらまたやりやがって

小林
このときも、おもしろかったなあ。
──
野球のバット? ですか? 折れてますけど。

藤江
ブラック装丁のときが
「折れた黒バット」というイメージで、
スイカ割りしたらバットが折れたっていう。
ラヂヲ
スイカのほうが強かったみたいな。
小林
装丁に使ってる写真、こういう小道具も
CGじゃなくて、ぜんぶ
実際につくって撮影しているんです。
このときは藤江くんが、
次の日とかに、グラビアかなんかの撮影で、
千葉かどこかへ‥‥。
藤江
当時、広末涼子さんの担当やっていまして、
年間150日くらい密着していたんですよ。
そのときは
TVドラマ『ビーチボーイズ』の撮影でね。
──
おお。
反町隆史さん&竹野内豊さんW主演の、あの。
藤江
ロケ現場がビーチだったんで、
この黒バットとスイカを持っていったんです。
カメラマンが、ドラマの舞台裏の
ドキュメント写真を撮っていたんですけど、
その合間にこっちも撮ってもらって。
小林
ただ、バットを折らないといけないでしょ。
──
ええ、スイカ割りで折れた設定だから。
藤江
バットって、なかなか折れないんですよ。
だから、
小林くんと、どうしようと相談して‥‥。
小林
吉祥寺と西荻窪のあいだの井の頭通り沿いに
ジョナサンか何か、
ファミレスがあったんですけど、
そこの駐車場の「車止め」に、
こう、ナナメに立てかけて‥‥。
藤江
朝の4時とか5時くらいに。
小林
足でバキッと折ったんですけど
それが、なかなかうまいこといったんですよ。
藤江
はじめてにしてはね。
──
「スイカ割りをしていたらスイカが硬すぎて
バットが折れた‥‥
という写真を撮るためバットを折っています」
完全に不審者じゃないですか。
藤江
それが朝方の5時くらいで、
じゃ今から千葉のビーチへ行ってくるわって、
タクシーをつかまえようとしたら、
タクシーがぜんぜん止まってくれないんです。
──
不審だからですよ(笑)。
藤江
朝5時にスイカと折れたバットを持ってたら、
タクシーって止まってくれないんですね。
ラヂヲ
事件のニオイがするからなあ(笑)。
ほな、これロケ先なんやな、この下の砂地は。
藤江
千葉のビーチ。布良浜っていう。
ラヂヲ
本当のビーチで撮ってたのか。
──
いま知る著者(笑)。
小林
こういう写真はぜんぶ、
和田さんの世界観を十分に汲んだうえで、
ぼくらのほうで勝手にね。
第6巻「喫茶風」のカバーは
神保町の喫茶店で撮っています。
藤江
こっちの写真とかは「俺の肺」なんです。
──
肺に「影」が! ‥‥キツネか何かの。
藤江
健康診断のときに撮ったやつなんですよ。
会社の産業医の先生に
「レントゲン写真ってもらえるんですか」
って聞いて(笑)。

若かりし藤江さんの肺 若かりし藤江さんの肺

ラヂヲ
そんなもん、何に使うんやと。
藤江
そしたら先生、あなたのものですからと。
──
スーパー個人情報が「刊行」されている。
流出どころじゃなくて。
小林
バカなことを毎回全力でやってたなあ。
ラヂヲ
単行本なのに描き下ろしが多かったしね。
毎回すごい量のイラストを描かされてた。
ギャラの発生しないイラストを、大量に。
小林
「和田さん、男子を大勢描いてください」
みたいな(笑)。
藤江
ひどいねえ。考えたらひどいわ。
ラヂヲ
めちゃくちゃだったよ。

──
先生は、本のデザインがあがった時点で
はじめて知るんですか。その巻の全貌を。
ラヂヲ
少なくとも撮影の現場にはいないですね。
千葉のビーチとか。
──
細かい部分は、おふたりにおまかせで。
ラヂヲ
そうです。
3人で徹夜で打ち合わせしたテーマを、
うまく再現してもらう感じでした。
小林
途中で見せてなかったんでしたっけ?
ラヂヲ
うーん‥‥どうやったかなあ。
小林
松山に住んでる和田さんのところに
本が送られてはじめて
「何しとんねん」って感じだったのか。
ラヂヲ
どうだったっけなあ。
藤江
当時はネットも何もなかったからね。
たぶんそうですよ。
いまみたいに離れてても、
メールでデザインチェックみたいなことは、
そもそもできませんでしたから。
ラヂヲ
つまり刷り上がりが初見だったのか。
小林
少なくとも、カバーまわりに関しては、
事前チェックはしてなかった。
藤江
まあ、いろんな加工に挑戦していたので、
見せたくても見せられないというか。
ラヂヲ
だいたいこんな感じになるということは
もちろんわかってたからね。
──
はじめの打ち合わせのコンセプト会議で
時間をかけてネタ出しをして、
入念にすりあわせして、
実行に移すのは、小林さんと藤江さんで。
ラヂヲ
いちおう信頼してたからな(笑)。
小林
それで毎回、
あとがきで和田さんが怒るという(笑)。
藤江
「あいつら、またやりやがって!」とね。

中学校の仲良しコンビみたいな小林さんと藤江さん 中学校の仲良しコンビみたいな小林さんと藤江さん

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(一方そのころ、もうひとつの時空では。
次回、
04 おしゃべり with ヒグチユウコさん
へと続く)

2026-08-22-SAT

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  • 好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    SNSにアップされた数百本の4コマ作品を
    再編集のうえ書籍化した『わるい猫』、
    傑作『和田ラヂヲのここにいます』を中心に
    1990年代の作品を
    ラヂヲ先生自ら選定・再編集した
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』。
    どちらも、うれしい厚みで、
    どちらも、どこから読んでもおもしろい。
    『わるい猫』はこちらにて、
    『和田ラヂヲのここにいます 超ヘヴィー級』
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』は、
    ともにこちらで絶賛販売中です!
    また、ヒグチユウコさんのボリス雑貨店でも
    サイン入りの『ヘヴィー級』が
    まだ販売中なのを確認しました
    (「新商品」のカテゴリの前から3ページ目、
    2026年8月17日【月】午前10時現在)。

    ちなみに‥‥ねんのためにおつたえしますと、
    昨年『わるい猫』発売のタイミングで
    ヒグチさんとラヂヲ先生に対談していただき、
    その原稿まとめをモタモタしているうち、
    ヘヴィー級&超ヘヴィー級の
    『和田ラヂヲのここにいます』が出てしまい、
    今回「超時間おしゃべり」と銘打って、
    ふたつの対談を同時掲載することにしました。
    パラレルワールドには迷い込んでいません。