
ふたつの対談をいったりきたり
こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。
ご存知だと思いますけど、
ここ数ヶ月内に、我らがラヂヲ先生は
2冊の本をお出しになりました。
ひとつは『わるい猫』といいまして、
SNS時代の最新の4コマ漫画。
もうひとつは
『和田ラヂヲのここにいます』で、
往年の4コマ作品を復刻した大部の著。
それらの刊行記念として、
前者は画家のヒグチユウコさんと、
後者は旧知のゆかいな仲間たちと、
それぞれ別の日に、別の場所で、
それぞれ楽しく
おしゃべりしていただいたんですが。
あれ、あれあれあれ?
なんだか時空が歪んでいるような‥‥
パラレルワールドにでも、
まぎれこんでしまった‥‥ような‥‥。
- 小林
- このときも、おもしろかったなあ。
- ──
- 野球のバット? ですか? 折れてますけど。
- 藤江
- ブラック装丁のときが
「折れた黒バット」というイメージで、
スイカ割りしたらバットが折れたっていう。
- ラヂヲ
- スイカのほうが強かったみたいな。
- 小林
- 装丁に使ってる写真、こういう小道具も
CGじゃなくて、ぜんぶ
実際につくって撮影しているんです。 - このときは藤江くんが、
次の日とかに、グラビアかなんかの撮影で、
千葉かどこかへ‥‥。
- 藤江
- 当時、広末涼子さんの担当やっていまして、
年間150日くらい密着していたんですよ。 - そのときは
TVドラマ『ビーチボーイズ』の撮影でね。
- ──
- おお。
反町隆史さん&竹野内豊さんW主演の、あの。
- 藤江
- ロケ現場がビーチだったんで、
この黒バットとスイカを持っていったんです。 - カメラマンが、ドラマの舞台裏の
ドキュメント写真を撮っていたんですけど、
その合間にこっちも撮ってもらって。
- 小林
- ただ、バットを折らないといけないでしょ。
- ──
- ええ、スイカ割りで折れた設定だから。
- 藤江
- バットって、なかなか折れないんですよ。
だから、
小林くんと、どうしようと相談して‥‥。
- 小林
- 吉祥寺と西荻窪のあいだの井の頭通り沿いに
ジョナサンか何か、
ファミレスがあったんですけど、
そこの駐車場の「車止め」に、
こう、ナナメに立てかけて‥‥。
- 藤江
- 朝の4時とか5時くらいに。
- 小林
- 足でバキッと折ったんですけど
それが、なかなかうまいこといったんですよ。
- 藤江
- はじめてにしてはね。
- ──
- 「スイカ割りをしていたらスイカが硬すぎて
バットが折れた‥‥
という写真を撮るためバットを折っています」 - 完全に不審者じゃないですか。
- 藤江
- それが朝方の5時くらいで、
じゃ今から千葉のビーチへ行ってくるわって、
タクシーをつかまえようとしたら、
タクシーがぜんぜん止まってくれないんです。
- ──
- 不審だからですよ(笑)。
- 藤江
- 朝5時にスイカと折れたバットを持ってたら、
タクシーって止まってくれないんですね。
- ラヂヲ
- 事件のニオイがするからなあ(笑)。
ほな、これロケ先なんやな、この下の砂地は。
- 藤江
- 千葉のビーチ。布良浜っていう。
- ラヂヲ
- 本当のビーチで撮ってたのか。
- ──
- いま知る著者(笑)。
- 小林
- こういう写真はぜんぶ、
和田さんの世界観を十分に汲んだうえで、
ぼくらのほうで勝手にね。 - 第6巻「喫茶風」のカバーは
神保町の喫茶店で撮っています。
- 藤江
- こっちの写真とかは「俺の肺」なんです。
- ──
- 肺に「影」が! ‥‥キツネか何かの。
- 藤江
- 健康診断のときに撮ったやつなんですよ。
- 会社の産業医の先生に
「レントゲン写真ってもらえるんですか」
って聞いて(笑)。
若かりし藤江さんの肺
- ラヂヲ
- そんなもん、何に使うんやと。
- 藤江
- そしたら先生、あなたのものですからと。
- ──
- スーパー個人情報が「刊行」されている。
流出どころじゃなくて。
- 小林
- バカなことを毎回全力でやってたなあ。
- ラヂヲ
- 単行本なのに描き下ろしが多かったしね。
毎回すごい量のイラストを描かされてた。 - ギャラの発生しないイラストを、大量に。
- 小林
- 「和田さん、男子を大勢描いてください」
みたいな(笑)。
- 藤江
- ひどいねえ。考えたらひどいわ。
- ラヂヲ
- めちゃくちゃだったよ。
- ──
- 先生は、本のデザインがあがった時点で
はじめて知るんですか。その巻の全貌を。
- ラヂヲ
- 少なくとも撮影の現場にはいないですね。
千葉のビーチとか。
- ──
- 細かい部分は、おふたりにおまかせで。
- ラヂヲ
- そうです。
- 3人で徹夜で打ち合わせしたテーマを、
うまく再現してもらう感じでした。
- 小林
- 途中で見せてなかったんでしたっけ?
- ラヂヲ
- うーん‥‥どうやったかなあ。
- 小林
- 松山に住んでる和田さんのところに
本が送られてはじめて
「何しとんねん」って感じだったのか。
- ラヂヲ
- どうだったっけなあ。
- 藤江
- 当時はネットも何もなかったからね。
たぶんそうですよ。 - いまみたいに離れてても、
メールでデザインチェックみたいなことは、
そもそもできませんでしたから。
- ラヂヲ
- つまり刷り上がりが初見だったのか。
- 小林
- 少なくとも、カバーまわりに関しては、
事前チェックはしてなかった。
- 藤江
- まあ、いろんな加工に挑戦していたので、
見せたくても見せられないというか。
- ラヂヲ
- だいたいこんな感じになるということは
もちろんわかってたからね。
- ──
- はじめの打ち合わせのコンセプト会議で
時間をかけてネタ出しをして、
入念にすりあわせして、
実行に移すのは、小林さんと藤江さんで。
- ラヂヲ
- いちおう信頼してたからな(笑)。
- 小林
- それで毎回、
あとがきで和田さんが怒るという(笑)。
- 藤江
- 「あいつら、またやりやがって!」とね。
中学校の仲良しコンビみたいな小林さんと藤江さん
・
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(一方そのころ、もうひとつの時空では。
次回、
04 おしゃべり with ヒグチユウコさん
へと続く)
2026-08-22-SAT
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SNSにアップされた数百本の4コマ作品を
再編集のうえ書籍化した『わるい猫』、
傑作『和田ラヂヲのここにいます』を中心に
1990年代の作品を
ラヂヲ先生自ら選定・再編集した
『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』。
どちらも、うれしい厚みで、
どちらも、どこから読んでもおもしろい。
『わるい猫』はこちらにて、
『和田ラヂヲのここにいます 超ヘヴィー級』
『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』は、
ともにこちらで絶賛販売中です!
また、ヒグチユウコさんのボリス雑貨店でも
サイン入りの『ヘヴィー級』が
まだ販売中なのを確認しました
(「新商品」のカテゴリの前から3ページ目、
2026年8月17日【月】午前10時現在)。
ちなみに‥‥ねんのためにおつたえしますと、
昨年『わるい猫』発売のタイミングで
ヒグチさんとラヂヲ先生に対談していただき、
その原稿まとめをモタモタしているうち、
ヘヴィー級&超ヘヴィー級の
『和田ラヂヲのここにいます』が出てしまい、
今回「超時間おしゃべり」と銘打って、
ふたつの対談を同時掲載することにしました。
パラレルワールドには迷い込んでいません。