ふたつの対談をいったりきたり

こんにちは、「ほぼ日」の奥野です。
ご存知だと思いますけど、
ここ数ヶ月内に、我らがラヂヲ先生は
2冊の本をお出しになりました。
ひとつは『わるい猫』といいまして、
SNS時代の最新の4コマ漫画。
もうひとつは
『和田ラヂヲのここにいます』で、
往年の4コマ作品を復刻した大部の著。
それらの刊行記念として、
前者は画家のヒグチユウコさんと、
後者は旧知のゆかいな仲間たちと、
それぞれ別の日に、別の場所で、
それぞれ楽しく
おしゃべりしていただいたんですが。
あれ、あれあれあれ?
なんだか時空が歪んでいるような‥‥
パラレルワールドにでも、
まぎれこんでしまった‥‥ような‥‥。

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202X年某月某日 おしゃべり with ゆかいな仲間たち 02 F1みたいなシリーズだった

小林
忘れとったんかい。
藤江
ごめん。

遅れて登場した集英社の藤江さん 遅れて登場した集英社の藤江さん

ラヂヲ
電話のとき、呂律が回ってなかったからなあ。
藤江
いやいや、昨日ね、
ほぼ日の「生活のおたのしみ展」の最終日へ
駆け込みましてね。
──
えっ、本当ですか! ありがとうございます。
ラヂヲ
いやいやいや、「生活のたのしみ展」だから。
「おたのしみ」じゃなくて。
藤江
「お」付けたいな思て。
ラヂヲ
上品か。
藤江
とにかく、すみません。
さっき、会社へ到着する寸前に
小林くんから電話がかかってきまして、
あわてて参上いたしました。
──
いま、この本の経緯を聞いていまして。
藤江
はいはい。
小林
最終巻の9巻のとき、
みんなで三日三晩テーマを考えてたんだけど、
たしか1日目くらいに
「最後はヘヴィー級、いいじゃん」みたいに
なったと思うんだよ。
藤江
うんうん。
小林
ただ、「ヘヴィー級」といったって
中身のボリュームは変わらないから、
表紙だけ
ダンボールみたいな分厚い紙を貼ったりして、
なんとか「ヘヴィー級」を表現できないかと。
ラヂヲ
最後だから、やっちゃえやっちゃえと。
──
それまでも、
だいぶやっちゃっている感じがしますが。
ラヂヲ
でも、ダメだったんだよな。
小林
そう。藤江くんから
集英社の制作の方へ話に持ってってもらって、
「こういう案です」と言ったら、却下で。
藤江
それまではね、
たいへんに理解のある制作部だったんですよ。
5巻か6巻くらいのときに
「今回は、こういう仕様で」と言ったら、
「えっ、その程度でいいの?」みたいな(笑)。
──
逆ダメ出し(笑)。
藤江
聞いてみたことがあるんです。
毎回、こんなに変な仕様で
会社的に大丈夫ですかって。
そしたら、制作部の担当者が
「このシリーズはF1だと思ってる」って。
自動車メーカーが
F1の舞台でいろんな新しい挑戦をして、
最新の技術を開発して磨き込んで、
一般車に
応用していくのと同じような意味で。
小林
ぼくらも毎回、
最新の紙とか印刷技術に挑戦していたんです。
それだけじゃなく、
アナログなシリアルナンバーとかも入れたり。
──
えっと、シリアルナンバー‥‥ということは、
誰かが押したってことですか。1冊1冊。

小林
印刷所の方がね。
──
数万部とかいってますよね‥‥?
ラヂヲ
第1巻は
初刷で1万5000部くらいだったかなあ。
1番は俺が持ってるんだけど。
藤江
結局、そのあと増刷増刷で、
たぶん10万部近くいってると思います。
続く2巻も同じくらいです。
小林
シリアルナンバーの下2桁で、
ファックス原稿プレゼントと書いてある。
今までの単行本になかったようなことを
いろいろやってたんですよ。
ラヂヲ
こんなところに「エーゲ海に捧ぐ」とあるぞ。
誰が書いたんだ!

小林
ははは。好き勝手につくってたんだよね。
「男子風」はニオイつき印刷とか。
こするとマツタケのニオイがするんです。
──
なぜ‥‥(笑)。
ラヂヲ
藤岡弘、 さんのメッセージをもらったり。
「熱く生きろ」と。
小林
たしか‥‥打ち合わせをしているときに、
テーマが「男子風」と決まったので、
たまたま僕が前の仕事で
藤岡さんの自宅を訪問していて
連絡先がわかるし、
藤岡さんにメッセージもらえないかなと。
──
自由ですねえ。楽しそう。
ラヂヲ
藤岡さんは、しかも愛媛出身なんだよね。
──
あー、同郷のよしみもあって。
ラヂヲ
この「熱く生きろ」は、
たしか、色紙に書いてもらったんですよ。
だって、うちにあるから。

小林
こういうのとか金色に塗ったりしたのも、
ぜんぶ「自家製」なんですよ。
──
自家製?
小林
東急ハンズで買ってきて、
ぜんぶ自分らで金の色を塗ったんですよ。

ラヂヲ
この東京タワーも、うちにある。
──
あるなあ(笑)。
藤江
どんどん思い出してきた。
小林
これとかは水に濡れると浮き出す印刷。
──
あー、なんか駄菓子とかで見たような。
ラヂヲ
何が浮き出したんだっけ?
藤江
何だったっけ。
ラヂヲ
覚えてない。パンツかなあ。
藤江
パンツかなあ‥‥。
まあ、よく会社が許してくれたと思う。
ラヂヲ
あっ、シリアル押してるじゃん。まだ。
藤江
ホントだ。何巻まで押してたんだろう。
──
誰も何にも覚えてない(笑)。

集英社のF1シリーズ 集英社のF1シリーズ

ラヂヲ
かなりしつこくやってったんだな。
藤江
俺らにとって当たり前になってたから、
忘れてるんだと思いますよ。
ラヂヲ
印刷屋さんは「いいかげんにせえ」と
思ってたと思うけど。
藤江
これなんかも黒い表紙とかって(笑)。
──
第8巻。「ブラック装丁」‥‥。
プリンスに
ブラック・アルバムってありましたが。
ラヂヲ
売る気あるんかい、と。
小林
毎回そんなふうにして
テーマと装幀のコンセプトを決めて、
大喜利みたいに、
みんなでバカなことを言いながらね。
──
すみません、ここに
アデランスの電話番号が載ってますが?
藤江
これは当時「おお、クログロ」という
アデランスのテレビCMがあったんで、
アデランスに電話して、
「使ってもいいでしょうか」と(笑)。
ラヂヲ
テーマが「ブラック」だったから。
藤江
「タイアップとか何でもないです。
いやいや、お金も一切かかりませんよ。
無料でやらしていただきますんで」
──
逆に怪しくないですか(笑)。
ラヂヲ
使わせてくれたんだよな。
藤江
使わせてくれましたねえ。

・
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(一方そのころ、もうひとつの時空では。
次回、
03 おしゃべり with ヒグチユウコさん
へと続く)

2026-08-20-THU

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  • 好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    好評発売中! 重版街道爆走中の『わるい猫』 「超ヘヴィー級」とくらべたら圧倒的に読みやすい 『和田ラヂヲのここにいます(ヘヴィー級)』

    SNSにアップされた数百本の4コマ作品を
    再編集のうえ書籍化した『わるい猫』、
    傑作『和田ラヂヲのここにいます』を中心に
    1990年代の作品を
    ラヂヲ先生自ら選定・再編集した
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』。
    どちらも、うれしい厚みで、
    どちらも、どこから読んでもおもしろい。
    『わるい猫』はこちらにて、
    『和田ラヂヲのここにいます 超ヘヴィー級』
    『和田ラヂヲのここにいます ヘヴィー級』は、
    ともにこちらで絶賛販売中です!
    また、ヒグチユウコさんのボリス雑貨店でも
    サイン入りの『ヘヴィー級』が
    まだ販売中なのを確認しました
    (「新商品」のカテゴリの前から3ページ目、
    2026年8月17日【月】午前10時現在)。

    ちなみに‥‥ねんのためにおつたえしますと、
    昨年『わるい猫』発売のタイミングで
    ヒグチさんとラヂヲ先生に対談していただき、
    その原稿まとめをモタモタしているうち、
    ヘヴィー級&超ヘヴィー級の
    『和田ラヂヲのここにいます』が出てしまい、
    今回「超時間おしゃべり」と銘打って、
    ふたつの対談を同時掲載することにしました。
    パラレルワールドには迷い込んでいません。